枯滅

プランツ

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枯滅

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「この頃、僕の中でどんどんどんどんと言葉が失われていくんだ。いや、正確には言葉ではないのかもしれないけれど、とにかく僕の中にある、ある一部が少しずつこそぎ取られていくんだよ。こういうことって分かる?」
「それって、つまりは上手く話せないってこと?」
「ん-、それは核をついてはいないね」
「じゃあ、どういうことなの?」
「それは、つまり、んー、今のこういうことなのかもしれない…。今の僕にはこれが精一杯であり、これ以上先にこの話題を進めることができないんだ。考えれば考えるほど混沌としていって、最終的には、僕にでさえ今まさに何の話しをしているか分からなくなるんだ。」
僕はこの話をした後に、ようやく自分が死にかけていることに気づいた。
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