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3章 辺境の地ライムライトへ
16、レオンハルトは霧の中(間話あり)
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今回はとっても短めです。
本文よりも間話の方が長いです。
これを書いているあいだ中、ずっと「どうした? ゴブリンか!?」という梅原裕◯郎さんの声が脳内に聞こえる症状に苛まれていました。
ーーーーー
*
レオンハルトは霧の中を音を頼りに進む。
聞こえるのは川の水音と、大量の水が流れ落ちる音だけだ。いつもは美しい声で囀る鳥の鳴き声も、動物の声も、獰猛な魔獣の息遣いや咆哮も、この『認識阻害』の霧の中では何も聞こえない。
しばらく森の中を進むと、遠くから女の声がかすかに聞こえた。多分ミレーヌだろう。レオンハルトは声が聞こえた方へ、下草を踏み分け、生い茂る枝を腕で豪快に払いながら、慎重に、尚且つ足早に進んだ。
どれくらい森の中を進んだのだろう、真っ白な紗が掛かった視界の先に小さな滝が見えた。滝の落差は十メトルほどで、水のカーテン幅はそんなに広くない。霧の中にある滝はとても幻想的で美しいが、どこか不穏な空気も感じられた。
(「声はこっちからした。二人はどこだ?」)
視界が悪い中、辺りを窺いながら滝の方へと歩いていくと、レオンハルトは強い殺気を滝の横手から感じた。
「……やべぇ!」
そこには助けを求めるようによたよたとミレーヌに歩き寄るリリィと、ぶつぶつと呟きながら虚ろな目でリリィを見るミレーヌがいた。リリィが別の姿に見えているのか、今にもフックを打ち出そうと構えている。
「『付与』、脚力増強!」
レオンハルトは脚に強化をかけ、力を込めて地面を蹴った。それだけでミレーヌとの距離があっという間に縮まった。この場にニホンからの落ち人がいたら『縮地だ!』と叫んだだろう。
ミレーヌの冒険者のジョブは拳闘士。魔物に対し道具を使わず拳一つで攻撃するジョブだ。そのパンチ力は魔物が軽く吹っ飛ぶほど強力なものだ。ただでさえ大人と子供。ミレーヌが一発殴ってしまうだけで、リリィは死んでしまうだろう。
一気に距離を縮めたレオンハルトは、ミレーヌの横っ腹を思い切り蹴飛ばした。
「ぐぅっ」
「悪りぃな!」
拳闘士は全身に身体強化をかけているため、レオンハルトの馬鹿力で勢いよく蹴っても死ぬことはない。現にミレーヌも吹っ飛ばされて地面をゴロゴロと転がったが、怪我もなく、すぐに立ち上がって迎撃体制を取った。
ミレーヌから繰り出されるパンチは風を切るように早いが、身体能力が数倍も高い竜人であるレオンハルトは簡単に避けることができる。
「よっと!」
レオンハルトは疲れて威力の落ちてきたミレーヌの拳を手のひらでガードして抑え、足を引っ掛けて地面に引き倒し、腕を後方へ捻り上げた。ミレーヌは身を捩ろうとするが、しっかりと押さえつけられているため動くことは叶わなかった。
「離せっ! あたしはゴブリンを倒さなきゃ! ゴブリンめ! よくもあたしの弟に怪我を!」
「落ち着け! 正気に戻れ。そりゃゴブリンじゃねえ」
レオンハルトは、喚き散らすミレーヌを『睡眠』を使って眠らせた。
リリィはいきなり倒れるように眠ってしまったミレーヌを見て死んでしまったのかと思ったのか、わんわんと泣き出した。
「大丈夫、眠ってるだけだ」
レオンハルトは泣いているリリィの頭を撫でてから、ひょいっと持ち上げ肩に乗せた。いきなり視界が高くなったからかリリィはぴたっと泣くのをやめて眼を瞬いた。
「わあ、すごい。おじちゃん、たかいたかいねーー!」
「霧ん中で景色が見えねえのが残念だけどな。このまんま動くが大丈夫か?」
「うん!」
あっという間に機嫌を直して大はしゃぎするリリィを肩に乗せたまま、精神を集中し、『アーカーシャ』に注いだ自分の魔力を探す。早くしないとその痕跡すら霧の魔力に飲み込まれて消えてしまう。細い糸を手繰るように『アーカーシャ』を探し出したレオンハルトはその痕跡が消えないうちに、リリィが肩から落ちないように固定した上でミレーヌを小脇に抱えて走り出した。
…………………………………………………………………………
【間話】
(side.ミレーヌ 幻覚じゃない実際はこうでした)
※残酷な描写があります。お気をつけ下さい。
群れからはぐれたらしいゴブリンが、妹を庇うように立っている弟に向けて棍棒を振り上げていた。
「やめてっ!」
とっさにミレーヌは弟の前に飛び出した。振り下ろされた棍棒が肩を打つ。ミレーヌは肩を押さえ、痛みでその場にうずくまった。
「うぐっ……! う、うう……」
「お、おねえちゃんっ!!」
ゴブリンはうずくまっているミレーヌの髪をむんずと掴んで身体を持ち上げると、大きく横に振って身体を投げた。
「きゃああ!」
数メトル飛んで尻もちをつくように地面に倒れ込んだミレーヌを見て、ゴブリンはよだれを流し、厭らしくにったりと笑った。
『ゲヒャヒャヒャヒャッ!』
倒れ込んだミレーヌの腹の上にゴブリンが乗ってくる。興奮しているのか息が荒い。生ゴミのような臭い息が頬にかかってミレーヌは吐きそうになった。
『ゲヒョッ!』
獲物を見つけた目だ。ミレーヌは子供ながらに身震いした。これから自分に対してゴブリンが何をするのか、村人たちの噂話で聞いて、なんとなくだけど分かっていた。繁殖に使うには妹よりも年上のミレーヌの方がいいのだろう、ゴブリンはもう弟と妹には目もくれない。それだけは良かった、ミレーヌはそう思った。
『グゲゲゲ、グヘッ、ギヘッ!』
「きゃあ!」
ゴブリンはミレーヌの着ていたブラウスを破り捨てた。逃げたいけれど、ゴブリンに強い力で体を押さえつけられていて、全く身動きが取れない。次にゴブリンの手がミレーヌのスカートにかかり、今にも剥かれそうになった、その時である。
「ミレーヌ、大丈夫か!? 今助けるからな! 『風よ、鋭い刃となりて彼の者を切り裂け【風の刃】!!』」
男の声が聞こえ、次にひゅんっという風を切るような音がしたかと思うと、ごとりとゴブリンの首が地面に落ちた。ミレーヌの体を押さえつけていた力が急速に弱まり、頭部を失ったゴブリンの切り口から生臭い血が噴き出した。
無造作に転がったゴブリンの首が虚空を見つめている。ミレーヌはそれ見ても不思議と怖くはなかった。むしろザマアミロと思った。
さっきの声にミレーヌは聞き覚えがあった。ベリウスの父親のマリウスの声だ。マリウスは風属性魔法の使い手だと聞いているので、あの風切り音は風属性魔法の攻撃だろう。
ミレーヌは隣のおじさんが魔法を使っているところを初めて見た。普通のおじさんだと思っていたマリウスが魔物に立ち向かえるほど強かったことに驚いた。魔法すごい。魔物と戦える冒険者はかっこいい。色々な感情がミレーヌの心を湧き立たせ、ゴブリンの気持ち悪さなんてどこかへいってしまった。
「大丈夫かい? よくがんばったね。ミレーヌの弟妹も無事だよ」
マリウスが手を差し出してきた。ミレーヌはその手を掴んでさっと起き上がると、両手を組んでマリウスにぐぐっと迫った。
「ねえおじさん。あたし、おじさんみたいな冒険者になって魔法でゴブリンを倒したい!どうやったら冒険者になれる!?」
結局、冒険者になることは出来たもののミレーヌには魔法の才がなく、自身の身体に強化をかけることくらいしかできなかった。
でも、マリウスのような遠距離攻撃はできないけれど、身体強化をして敵を直に殴るという近距離攻撃はできるので、ミレーヌは満足している。
小さかった双子はどちらもすでに結婚をして家庭を持っている。赤ちゃんだった妹は母を手伝って農作業や家事をしてくれている。そしてミレーヌは今日も楽しく敵を殴って糧を得て、家に金を送っている。
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本文よりも間話の方が長いです。
これを書いているあいだ中、ずっと「どうした? ゴブリンか!?」という梅原裕◯郎さんの声が脳内に聞こえる症状に苛まれていました。
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レオンハルトは霧の中を音を頼りに進む。
聞こえるのは川の水音と、大量の水が流れ落ちる音だけだ。いつもは美しい声で囀る鳥の鳴き声も、動物の声も、獰猛な魔獣の息遣いや咆哮も、この『認識阻害』の霧の中では何も聞こえない。
しばらく森の中を進むと、遠くから女の声がかすかに聞こえた。多分ミレーヌだろう。レオンハルトは声が聞こえた方へ、下草を踏み分け、生い茂る枝を腕で豪快に払いながら、慎重に、尚且つ足早に進んだ。
どれくらい森の中を進んだのだろう、真っ白な紗が掛かった視界の先に小さな滝が見えた。滝の落差は十メトルほどで、水のカーテン幅はそんなに広くない。霧の中にある滝はとても幻想的で美しいが、どこか不穏な空気も感じられた。
(「声はこっちからした。二人はどこだ?」)
視界が悪い中、辺りを窺いながら滝の方へと歩いていくと、レオンハルトは強い殺気を滝の横手から感じた。
「……やべぇ!」
そこには助けを求めるようによたよたとミレーヌに歩き寄るリリィと、ぶつぶつと呟きながら虚ろな目でリリィを見るミレーヌがいた。リリィが別の姿に見えているのか、今にもフックを打ち出そうと構えている。
「『付与』、脚力増強!」
レオンハルトは脚に強化をかけ、力を込めて地面を蹴った。それだけでミレーヌとの距離があっという間に縮まった。この場にニホンからの落ち人がいたら『縮地だ!』と叫んだだろう。
ミレーヌの冒険者のジョブは拳闘士。魔物に対し道具を使わず拳一つで攻撃するジョブだ。そのパンチ力は魔物が軽く吹っ飛ぶほど強力なものだ。ただでさえ大人と子供。ミレーヌが一発殴ってしまうだけで、リリィは死んでしまうだろう。
一気に距離を縮めたレオンハルトは、ミレーヌの横っ腹を思い切り蹴飛ばした。
「ぐぅっ」
「悪りぃな!」
拳闘士は全身に身体強化をかけているため、レオンハルトの馬鹿力で勢いよく蹴っても死ぬことはない。現にミレーヌも吹っ飛ばされて地面をゴロゴロと転がったが、怪我もなく、すぐに立ち上がって迎撃体制を取った。
ミレーヌから繰り出されるパンチは風を切るように早いが、身体能力が数倍も高い竜人であるレオンハルトは簡単に避けることができる。
「よっと!」
レオンハルトは疲れて威力の落ちてきたミレーヌの拳を手のひらでガードして抑え、足を引っ掛けて地面に引き倒し、腕を後方へ捻り上げた。ミレーヌは身を捩ろうとするが、しっかりと押さえつけられているため動くことは叶わなかった。
「離せっ! あたしはゴブリンを倒さなきゃ! ゴブリンめ! よくもあたしの弟に怪我を!」
「落ち着け! 正気に戻れ。そりゃゴブリンじゃねえ」
レオンハルトは、喚き散らすミレーヌを『睡眠』を使って眠らせた。
リリィはいきなり倒れるように眠ってしまったミレーヌを見て死んでしまったのかと思ったのか、わんわんと泣き出した。
「大丈夫、眠ってるだけだ」
レオンハルトは泣いているリリィの頭を撫でてから、ひょいっと持ち上げ肩に乗せた。いきなり視界が高くなったからかリリィはぴたっと泣くのをやめて眼を瞬いた。
「わあ、すごい。おじちゃん、たかいたかいねーー!」
「霧ん中で景色が見えねえのが残念だけどな。このまんま動くが大丈夫か?」
「うん!」
あっという間に機嫌を直して大はしゃぎするリリィを肩に乗せたまま、精神を集中し、『アーカーシャ』に注いだ自分の魔力を探す。早くしないとその痕跡すら霧の魔力に飲み込まれて消えてしまう。細い糸を手繰るように『アーカーシャ』を探し出したレオンハルトはその痕跡が消えないうちに、リリィが肩から落ちないように固定した上でミレーヌを小脇に抱えて走り出した。
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【間話】
(side.ミレーヌ 幻覚じゃない実際はこうでした)
※残酷な描写があります。お気をつけ下さい。
群れからはぐれたらしいゴブリンが、妹を庇うように立っている弟に向けて棍棒を振り上げていた。
「やめてっ!」
とっさにミレーヌは弟の前に飛び出した。振り下ろされた棍棒が肩を打つ。ミレーヌは肩を押さえ、痛みでその場にうずくまった。
「うぐっ……! う、うう……」
「お、おねえちゃんっ!!」
ゴブリンはうずくまっているミレーヌの髪をむんずと掴んで身体を持ち上げると、大きく横に振って身体を投げた。
「きゃああ!」
数メトル飛んで尻もちをつくように地面に倒れ込んだミレーヌを見て、ゴブリンはよだれを流し、厭らしくにったりと笑った。
『ゲヒャヒャヒャヒャッ!』
倒れ込んだミレーヌの腹の上にゴブリンが乗ってくる。興奮しているのか息が荒い。生ゴミのような臭い息が頬にかかってミレーヌは吐きそうになった。
『ゲヒョッ!』
獲物を見つけた目だ。ミレーヌは子供ながらに身震いした。これから自分に対してゴブリンが何をするのか、村人たちの噂話で聞いて、なんとなくだけど分かっていた。繁殖に使うには妹よりも年上のミレーヌの方がいいのだろう、ゴブリンはもう弟と妹には目もくれない。それだけは良かった、ミレーヌはそう思った。
『グゲゲゲ、グヘッ、ギヘッ!』
「きゃあ!」
ゴブリンはミレーヌの着ていたブラウスを破り捨てた。逃げたいけれど、ゴブリンに強い力で体を押さえつけられていて、全く身動きが取れない。次にゴブリンの手がミレーヌのスカートにかかり、今にも剥かれそうになった、その時である。
「ミレーヌ、大丈夫か!? 今助けるからな! 『風よ、鋭い刃となりて彼の者を切り裂け【風の刃】!!』」
男の声が聞こえ、次にひゅんっという風を切るような音がしたかと思うと、ごとりとゴブリンの首が地面に落ちた。ミレーヌの体を押さえつけていた力が急速に弱まり、頭部を失ったゴブリンの切り口から生臭い血が噴き出した。
無造作に転がったゴブリンの首が虚空を見つめている。ミレーヌはそれ見ても不思議と怖くはなかった。むしろザマアミロと思った。
さっきの声にミレーヌは聞き覚えがあった。ベリウスの父親のマリウスの声だ。マリウスは風属性魔法の使い手だと聞いているので、あの風切り音は風属性魔法の攻撃だろう。
ミレーヌは隣のおじさんが魔法を使っているところを初めて見た。普通のおじさんだと思っていたマリウスが魔物に立ち向かえるほど強かったことに驚いた。魔法すごい。魔物と戦える冒険者はかっこいい。色々な感情がミレーヌの心を湧き立たせ、ゴブリンの気持ち悪さなんてどこかへいってしまった。
「大丈夫かい? よくがんばったね。ミレーヌの弟妹も無事だよ」
マリウスが手を差し出してきた。ミレーヌはその手を掴んでさっと起き上がると、両手を組んでマリウスにぐぐっと迫った。
「ねえおじさん。あたし、おじさんみたいな冒険者になって魔法でゴブリンを倒したい!どうやったら冒険者になれる!?」
結局、冒険者になることは出来たもののミレーヌには魔法の才がなく、自身の身体に強化をかけることくらいしかできなかった。
でも、マリウスのような遠距離攻撃はできないけれど、身体強化をして敵を直に殴るという近距離攻撃はできるので、ミレーヌは満足している。
小さかった双子はどちらもすでに結婚をして家庭を持っている。赤ちゃんだった妹は母を手伝って農作業や家事をしてくれている。そしてミレーヌは今日も楽しく敵を殴って糧を得て、家に金を送っている。
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