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13-2、少年と転生の女神
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男の子はアタシが落ち着いたところで撫でる手を止め、前足と身体の間に手を入れてアタシを持ち上げ、すぐにもう片方の手でおしりを支えて抱っこしてくれた。子供の手での抱っこなので、ご主人様のように安定感のある抱き方ではないけれど、まあ及第点だにゃ!
ここでアタシは男の子の顔を見てご挨拶。にゃーん。
そういえば今更だけど、人間の男の子とお互い言葉が通じてるにゃ! 魂だけの存在になっているからかにゃ? ここにご主人様がいたら、おしゃべりできたのにな。
「アタシはクロ! 黒猫のクロだにゃ! 抱っこしてくれてありがとにゃ」
「お、おう。俺はクラウスだ。よろしくな!」
ありがとう、と言われて照れているクラウスくん。口が悪いガキンチョだって思ってごめんなさいと心の中で謝っておいた。クラウスくんもアタシが目覚める少し前にこの白い部屋に来たばかりで、女神様が転生の女神様で、死んでしまった者たちの案内役をしているということ以外、まだ詳しい説明を聞いてないみたい。
「ここには俺たち以外、いないみたいだけど、ここにいるのは俺たちだけなのか?」
「ええ。ここは私のプライベートスペースよ。クラウスくんとクロさんのご主人様の今の状態について説明するために、関係者であるあなた達をこの部屋に呼びました」
女神様がポンっと手を叩くと、三人くらい座れそうな革張りの黒いソファとセンターテーブルがどーんと目の前に出てきた。女神様に言われてアタシを抱っこしたクラウスくんがソファに座ると、座り心地の良さそうなソファが僅かに軋んで柔らかくクラウスくんのおしりを包み込んだ。ここで爪研ぎすると気持ちよさそうだにゃ!
「これを見て」
今度は手に持てるくらいの大きさの四角い箱みたいなものを、何もない空間から出してテーブルの上に置いた。
「あれ? これ、俺じゃん。え、え、何で動いてるんだ? え、生きてるし、しゃべってるしっ! え、何で?」
四角い箱の中にはクラウスくんが映っていて、動いたりしゃべったりしているのが見えた。クラウスくんが生きていた頃の過去の映像なのかにゃ?
クラウスくんの顔を見ると蒼白になって、じっと映像を見ている。何で驚いてるんだろう。
「これは過去の映像ではないわ。今現在のクラウスくんの様子を見せているの」
え、えっ? ここは死んだ人が来る世界なんでしょ? 死んだはずのクラウスくんが何で生きて動いてるの!?
「実はね、今、クラウスくんの世界ではクラウスくんの身体はまだ生きていて、その身体の中にはクラウスくんの魂じゃなくて別の人のーークロさんのご主人、桐山康平さんの魂が入っているのよ」
「はあ!?」「にゃんと!?」
男の子と声が重なっちゃった。ということは、この男の子はクラウスくんって名前なのかにゃ。
ん…? クラウス、クラウス……。どこかで聞いた名前なんだけど、どこだったかにゃ……?
でもどうして大人のご主人様がこんなちっちゃい子供の中に入っちゃったんだろう……。
「ここは死んだ人の魂が送られてくる世界だって事は二人に説明したわよね。それなのにクラウスくん、そもそもあなたの魂がここにいるのがおかしいのよ。だって、あなたはまだ死ぬはずじゃなかったのだから」
「え……。俺は階段から落ちて……。それで死んだんじゃ……」
ここでアタシはクラウスくんが、階段から落ちて頭を打って気がついたらこの白い部屋にいたということを聞いた。だからその時死んでしまったんだと思ったんだって。頭を打つなんてむっちゃ痛そう。アタシは猫だからくるんと一回転で着地できる…はず。
女神様は転生を司る女神様。誰が、いつ、どこで、どうやって亡くなるかを知っていて、もちろんクラウスくんの最期がいつなのかも知っている。それによるとクラウスくんはまだ死ぬ時じゃなくって、階段から落ちて怪我はするけれど、気を失っているだけですぐに目覚めるはずだった。
でも今の状況は。
階段から落ちて怪我をするだけのはずだったクラウスくんの魂は、死んだ者たちの魂だけが来るはずの女神様のところに来ていて、交通事故で死んでしまったはずのご主人様の魂は、女神様のところに来るはずだったのに、クラウスくんの身体の中に入っちゃってる。
つまり、ご主人様とクラウスくんの魂が入れ違っちゃってるの! 僕・私たち、入れ替わってるーー!? ってアニメをご主人様に見せられた事があったけどソレみたいだにゃ!!
「なぜ……? なぜそんなことに?」
「理由は二つあるわ。まず一つ目。桐山康平さんとあなたの声が全く同じだからよ。ゲームのクラウスくんの声を桐山康平さんが演じていたから」
「声? ゲーム?」
クラウスくんは訳が分からないといった風に首をひねっていた。
アタシは女神様の言葉に思い当たるフシがあった。ご主人様は声優っていう、アニメやゲームのキャラクターに声を当てるお仕事をしていたんだにゃ。
そこでアタシは思い出した。そういえばクラウスくんの名前と顔、なんか覚えがあると思ったら、ご主人様がウッキウキでアタシに見せてくれた浅黒い肌をした男の人のちょっとエッチなスチル絵、その人が確かクラウスっていう名前だったにゃ!
『ほら~クロにゃん。これが俺が今声演ってるゲームキャラ、クラウス・フォン・トリエステだよ~。クラウスのこのスチル、エロカッコいいだろ~? あ、でも一番はやっぱりクロエなんだよね~~。やっぱり猫ちゃんは神。ケットシー最高っ! この笑顔と尖った耳とふさ尻尾とこの……(その後延々とクロエを褒めまくるご主人様だった)』
うん、今ここにいるクラウスくんにプラス五歳くらいして肌を黒くすれば、ご主人様があの時見せてくれたスチルの顔になる。面影があるにゃ。
「桐山康平さんが住んでいる世界で作られた『プリンス・ラヴァーズ~聖アリステア学園の光の魔法』というゲームの世界、それがクラウスくんがいた世界なのよ。そしてその中に出てくるゲームキャラクター、クラウス・フォン・トリエステ、つまりあなたの声を演じていたのが、クロさんのご主人様の桐山康平さんだった」
「ゲームの世界……」
クラウスくんはショックを受けたみたいだった。きっとクラウスくんにとって、自分の信じてきた常識が足元から崩れるような、そんな気分になったのかもしれないにゃ。
「キャラクターに声を当てる人のことを声優と呼ぶのだけど、ゲーム内で変声期後の『クラウス』の声を演じて『クラウス』に生命を吹き込んだのが桐山康平さんだった。そう考えると『クラウス』と『桐山康平』の魂は同じと言ってもいいわね」
「そんな……。俺が生きていた世界は誰かに作られたゲームだって? だったら俺も、周りのみんなも作り物ってことか!?」
女神様はゆるくかぶりを振った。
「作られた世界といっても、そのゲームの世界では人が産まれ、生きて、そして死がある。そんなはじまりと終わりがある世界には命が宿るの。例え元がゲームの世界だとしても、命が宿った世界の中にいる人たちにとってはそこは立派な現実で、みんなはその中でシナリオに添った人生ではなく、自分の意志を持ってちゃんと生きている。キャラクターではなく血の通った人間よ」
女神様も安心させるように慈愛に満ちたゆったりとした声でクラウスくんに説明をした。
アタシには難しくてよく分かんないけど、クラウスくんの顔色はさっきより良くなっていた。こんな時にはペロペロだにゃ! 身体を舐めて毛繕いするとアタシはなんだか落ち着くから、クラウスくんにもやってあげよう!
「あなたはキャラクターではなく意思を持った一人の人間なのだから、会話や行動の選択肢一つで進む道は違ってくる。結末は無限大にあるわ。本来のゲームなら、クラウスくんの未来はあまり良いものではなかったのだけど、桐山康平さんの魂が入ったクラウスくんは、ゲームとは違った人生を歩み出し、そして良い方向へ向かっている」
もう一度テーブルの上を見ると、知らない男の子と笑顔で笑い合っているご主人様の魂入りクラウスくんが映っていた。なんだか楽しそう。
「テオドール……。確かにそうみたいだな。テオと仲良くなってる。クラウスだった時はあんな嫌われてたのに……」
クラウスくん顔色が元に戻ったのを見て、女神様はクラウスくんとアタシの頭を同時に撫でた。手が温かくって心の中がポカポカしてくる。
「こうして登場人物の中身が変わればストーリーも変わるし、エンディングも変わる。結末はひとつじゃない。クラウスくんの中に入っているのは、このゲームの内容を良く知っていて、ゲームの結末を知っている桐山康平さんです。彼ならきっとクラウスくんの未来を良い方へ変えてくれるわ」
そうかにゃ。そうだったら良いにゃ……。
「クロ、ごめん。俺の代わりにお前のご主人に迷惑をかけることになったみたいだ」
とっても真摯な声でいきなりクラウスくんがアタシに頭を下げた。
「そんなことないにゃ。ご主人様ならきっと大丈夫だにゃ! ご主人様はちょっと変わった所もあるけれど、とっても優しくって真面目で良い人だにゃ! だからクラウスくん中に入っちゃったご主人様もきっとみんなに好かれるにゃ」
にっこり笑ってクラウスくんの手の甲を舐めると、ようやくクラウスくんは顔を上げてくれた。
にっこりって言っても、猫の顔だから表情はそんなに変わらず、目をまん丸にして首を大きく傾げただけなんだけどね! クラウスくんはアタシに覆いかぶさるようにぎゅーって抱きついて、後頭部に顔をうずめてアタシの匂いを嗅いだ。ゔにゃーっ!!
「あなたたちが入れ替わったもう一つの理由。クラウスくん、あなたは階段から落ちた時、もうこのまま自分は死んだ方がいい、若しくは消えてしまいたいと思ったのではなくて?」
「ーーーー」
クラウスくんは何か思い当たることがあるみたいで、女神様から顔を逸らすようにまた下を向いちゃった。
女神様がクラウスくんをいじめたにゃ! そう思ったらアタシの毛が静電気を帯びたようにブワって逆立った。相手は女神様だけどシャーだにゃっ!
「……確かに俺はあの時……。皆から嫌われて、親からすら顧みてもらえず、一番近くにいたヤツにまで殺されそうになるほど恨まれている、自分で自分のことすら大嫌いな俺はもう、この場から消えていなくなった方が周りのためになると、ほんの少しだけ思ったんだ……」
アタシはクラウスくんの隣に移動して身体にスリっとアタシの体を擦り付けて、手の甲をペロペロしてあげた。だって、また辛そうな顔してるんだもん。せっかく一度復活したのに!
「入れ替わりの第二の理由。あなたが階段から落ちた時、頭を打ったことによって一時的に身体から魂が抜け出たの。身体と魂は繋がっているから、その二つが離れたらすぐに元に戻ろうとする力が働いて、すぐに魂は元の身体に戻るはずなんだけど、あなたがほんの僅かとはいえ自分で自分の死を願った事によって、あなたの魂は身体に戻るのを一瞬だけ躊躇した」
そしてその瞬間、たまたまなのか偶然なのか、天文学的確率でクラウスと同じ魂を持つ桐山康平が交通事故に遭ったのだ。
「ああ、でも桐山康平さんの事故は偶然ではなく必然だったのかもしれないわ。同じ魂を持つ二人だから、まるで同じ遺伝子を持つ双子のシンクロニシティのように引き摺られ、全く同時刻に二人共々危険な目にあってしまったーーのかもしれない」
女神様でもどうしてこんな事が起きたのか良く分からないそうだ。神様はとってもすごい存在で、なんでも知っているんだと思っていたけれど、分かんないこともあるんだ。
「クラウスくんが階段から落ちて頭を打ったその瞬間、クラウスくんと同じ魂を持つ桐山康平さんも引き摺られるように別の世界で亡くなった。亡くなった桐山康平さんの魂は普通なら私の元に来るはずだったのに、クラウスくんの魂が身体に戻ることを躊躇して戻らなかったからお、代わりに同じ魂である桐山康平さんの魂を身体に入れてしまった」
桐山康平の身体は事故で死に、魂はクラウスの身体に。
クラウスの魂は桐山康平の魂の代わりに転生の女神の元へ。
「これで差し引きゼロ。あなたと桐山康平さんの生死の釣り合いは取れ、世界の均衡も取れている。もう元に戻すことはできない。このまま桐山康平さんにはクラウスくん身体の中で生きてもらうしかない」
いつの間にか女神様の手に杖が握られていた。その杖の先端に付いた大きな宝石がキラキラと光っている。女神様が杖を振るたびに宝石のキラキラが飛んで、アタシとクラウスくんの身体を覆った。
「さて、ここからが私の仕事。私は転生の女神。死者の魂を導き、新しい世界へ案内する者」
シャンッ!! と強い音が鳴る。女神様が杖を床に突いた音だ。
キラキラしたものが身体の中に入ってきた。だんだんと身体の中がポカポカとしてきた。なんだか暖かい日に窓辺のふかふかお布団で日向ぼっこしているような満ち足りた気分になる。
クラウスくんもアタシと同じ気分なのかにゃ?
そうだといいな。
もうさっきみたいな悲しそうな顔は見たくないもんね。
「さて、これからあなたたちを新しい世界へ送ります。次の希望はありますか? 私が出来る限りあなた達が行きたい場所へと生まれ変わらせましょう」
アタシの行きたい場所は決まっている。アタシはご主人様が大好き。役に立ちたい。また撫でてもらいたい。
「もちろんアタシはご主人様の傍がいいにゃ! 出来れば今のクラウスくん中に入っているご主人様に会いたいにゃ! そしてこの状況を説明してあげて、ご主人様が苦労したり困ったりしないようにサポートするにゃ!」
女神様は承諾してくれたようで、頷いてくれた。
「それなら言葉が通じるように、猫の獣人ケット・シーに生まれ変わらせてあげましょう。桐山康平さんと一緒にいたいなら、年齢も遡って…こうして…ああして…」
ぶつぶつ言いながらアタシに向けて杖を振っている女神様を無視して、クラウスくんは目を閉じて考え事をしていた。
「はい。これでクロさんとクラウスくんの年齢を同じくらいにしておいたわ。クロさんはこれからゲームにも出てくるキャラクター、ケット・シーのクロエに転生します。必ずクラウスくんと出会うキャラクターだから、ご主人様を助けてあげてね」
「もちろんだにゃ!」
アタシのことを分かってくれるか心配だけど、早く生まれ変わってご主人様に会いたいにゃ! 会えたら今度はアタシがご主人様=クラウスくんを守るんだ!
「クラウスくんはどうするんだにゃ?」
アタシがクラウスくんの方を振り返ると、クラウスくんは閉じていた目を開けて、ほっと一息、息を吐いた。
「俺はしばらくここで休んでからにするよ。クロ、ご主人様によろしくな」
光の輪がアタシを包む。
クラウスくんがアタシに手を振っていた。目の前がチカチカして、どんどん前が見えなくなって、クラウスくんの姿が段々と薄れていく。
とうとう何も見えなくなった眩い光の輪の中で、クラウスくんの声が遠くに響いた。
「俺を…いや、お前のご主人様を…助けてやってくれ……幸せに…してやって…く……」
「大丈夫だにゃ! アタシに任せるにゃっ!!」
叫ぶ。
クラウスくんにアタシの声が聞こえただろうか。
アタシの周りは真っ白で、温かくって、眠くって、目が開けていられなくなっていく。
ただ、女神様が「ゲームの世界を知っている人がもう一人転生しているから、見つけたら仲良くしてあげてね」と、ついでのように言った声がかすかに聞こえた。
もう一人の転生者!?
ここでアタシは男の子の顔を見てご挨拶。にゃーん。
そういえば今更だけど、人間の男の子とお互い言葉が通じてるにゃ! 魂だけの存在になっているからかにゃ? ここにご主人様がいたら、おしゃべりできたのにな。
「アタシはクロ! 黒猫のクロだにゃ! 抱っこしてくれてありがとにゃ」
「お、おう。俺はクラウスだ。よろしくな!」
ありがとう、と言われて照れているクラウスくん。口が悪いガキンチョだって思ってごめんなさいと心の中で謝っておいた。クラウスくんもアタシが目覚める少し前にこの白い部屋に来たばかりで、女神様が転生の女神様で、死んでしまった者たちの案内役をしているということ以外、まだ詳しい説明を聞いてないみたい。
「ここには俺たち以外、いないみたいだけど、ここにいるのは俺たちだけなのか?」
「ええ。ここは私のプライベートスペースよ。クラウスくんとクロさんのご主人様の今の状態について説明するために、関係者であるあなた達をこの部屋に呼びました」
女神様がポンっと手を叩くと、三人くらい座れそうな革張りの黒いソファとセンターテーブルがどーんと目の前に出てきた。女神様に言われてアタシを抱っこしたクラウスくんがソファに座ると、座り心地の良さそうなソファが僅かに軋んで柔らかくクラウスくんのおしりを包み込んだ。ここで爪研ぎすると気持ちよさそうだにゃ!
「これを見て」
今度は手に持てるくらいの大きさの四角い箱みたいなものを、何もない空間から出してテーブルの上に置いた。
「あれ? これ、俺じゃん。え、え、何で動いてるんだ? え、生きてるし、しゃべってるしっ! え、何で?」
四角い箱の中にはクラウスくんが映っていて、動いたりしゃべったりしているのが見えた。クラウスくんが生きていた頃の過去の映像なのかにゃ?
クラウスくんの顔を見ると蒼白になって、じっと映像を見ている。何で驚いてるんだろう。
「これは過去の映像ではないわ。今現在のクラウスくんの様子を見せているの」
え、えっ? ここは死んだ人が来る世界なんでしょ? 死んだはずのクラウスくんが何で生きて動いてるの!?
「実はね、今、クラウスくんの世界ではクラウスくんの身体はまだ生きていて、その身体の中にはクラウスくんの魂じゃなくて別の人のーークロさんのご主人、桐山康平さんの魂が入っているのよ」
「はあ!?」「にゃんと!?」
男の子と声が重なっちゃった。ということは、この男の子はクラウスくんって名前なのかにゃ。
ん…? クラウス、クラウス……。どこかで聞いた名前なんだけど、どこだったかにゃ……?
でもどうして大人のご主人様がこんなちっちゃい子供の中に入っちゃったんだろう……。
「ここは死んだ人の魂が送られてくる世界だって事は二人に説明したわよね。それなのにクラウスくん、そもそもあなたの魂がここにいるのがおかしいのよ。だって、あなたはまだ死ぬはずじゃなかったのだから」
「え……。俺は階段から落ちて……。それで死んだんじゃ……」
ここでアタシはクラウスくんが、階段から落ちて頭を打って気がついたらこの白い部屋にいたということを聞いた。だからその時死んでしまったんだと思ったんだって。頭を打つなんてむっちゃ痛そう。アタシは猫だからくるんと一回転で着地できる…はず。
女神様は転生を司る女神様。誰が、いつ、どこで、どうやって亡くなるかを知っていて、もちろんクラウスくんの最期がいつなのかも知っている。それによるとクラウスくんはまだ死ぬ時じゃなくって、階段から落ちて怪我はするけれど、気を失っているだけですぐに目覚めるはずだった。
でも今の状況は。
階段から落ちて怪我をするだけのはずだったクラウスくんの魂は、死んだ者たちの魂だけが来るはずの女神様のところに来ていて、交通事故で死んでしまったはずのご主人様の魂は、女神様のところに来るはずだったのに、クラウスくんの身体の中に入っちゃってる。
つまり、ご主人様とクラウスくんの魂が入れ違っちゃってるの! 僕・私たち、入れ替わってるーー!? ってアニメをご主人様に見せられた事があったけどソレみたいだにゃ!!
「なぜ……? なぜそんなことに?」
「理由は二つあるわ。まず一つ目。桐山康平さんとあなたの声が全く同じだからよ。ゲームのクラウスくんの声を桐山康平さんが演じていたから」
「声? ゲーム?」
クラウスくんは訳が分からないといった風に首をひねっていた。
アタシは女神様の言葉に思い当たるフシがあった。ご主人様は声優っていう、アニメやゲームのキャラクターに声を当てるお仕事をしていたんだにゃ。
そこでアタシは思い出した。そういえばクラウスくんの名前と顔、なんか覚えがあると思ったら、ご主人様がウッキウキでアタシに見せてくれた浅黒い肌をした男の人のちょっとエッチなスチル絵、その人が確かクラウスっていう名前だったにゃ!
『ほら~クロにゃん。これが俺が今声演ってるゲームキャラ、クラウス・フォン・トリエステだよ~。クラウスのこのスチル、エロカッコいいだろ~? あ、でも一番はやっぱりクロエなんだよね~~。やっぱり猫ちゃんは神。ケットシー最高っ! この笑顔と尖った耳とふさ尻尾とこの……(その後延々とクロエを褒めまくるご主人様だった)』
うん、今ここにいるクラウスくんにプラス五歳くらいして肌を黒くすれば、ご主人様があの時見せてくれたスチルの顔になる。面影があるにゃ。
「桐山康平さんが住んでいる世界で作られた『プリンス・ラヴァーズ~聖アリステア学園の光の魔法』というゲームの世界、それがクラウスくんがいた世界なのよ。そしてその中に出てくるゲームキャラクター、クラウス・フォン・トリエステ、つまりあなたの声を演じていたのが、クロさんのご主人様の桐山康平さんだった」
「ゲームの世界……」
クラウスくんはショックを受けたみたいだった。きっとクラウスくんにとって、自分の信じてきた常識が足元から崩れるような、そんな気分になったのかもしれないにゃ。
「キャラクターに声を当てる人のことを声優と呼ぶのだけど、ゲーム内で変声期後の『クラウス』の声を演じて『クラウス』に生命を吹き込んだのが桐山康平さんだった。そう考えると『クラウス』と『桐山康平』の魂は同じと言ってもいいわね」
「そんな……。俺が生きていた世界は誰かに作られたゲームだって? だったら俺も、周りのみんなも作り物ってことか!?」
女神様はゆるくかぶりを振った。
「作られた世界といっても、そのゲームの世界では人が産まれ、生きて、そして死がある。そんなはじまりと終わりがある世界には命が宿るの。例え元がゲームの世界だとしても、命が宿った世界の中にいる人たちにとってはそこは立派な現実で、みんなはその中でシナリオに添った人生ではなく、自分の意志を持ってちゃんと生きている。キャラクターではなく血の通った人間よ」
女神様も安心させるように慈愛に満ちたゆったりとした声でクラウスくんに説明をした。
アタシには難しくてよく分かんないけど、クラウスくんの顔色はさっきより良くなっていた。こんな時にはペロペロだにゃ! 身体を舐めて毛繕いするとアタシはなんだか落ち着くから、クラウスくんにもやってあげよう!
「あなたはキャラクターではなく意思を持った一人の人間なのだから、会話や行動の選択肢一つで進む道は違ってくる。結末は無限大にあるわ。本来のゲームなら、クラウスくんの未来はあまり良いものではなかったのだけど、桐山康平さんの魂が入ったクラウスくんは、ゲームとは違った人生を歩み出し、そして良い方向へ向かっている」
もう一度テーブルの上を見ると、知らない男の子と笑顔で笑い合っているご主人様の魂入りクラウスくんが映っていた。なんだか楽しそう。
「テオドール……。確かにそうみたいだな。テオと仲良くなってる。クラウスだった時はあんな嫌われてたのに……」
クラウスくん顔色が元に戻ったのを見て、女神様はクラウスくんとアタシの頭を同時に撫でた。手が温かくって心の中がポカポカしてくる。
「こうして登場人物の中身が変わればストーリーも変わるし、エンディングも変わる。結末はひとつじゃない。クラウスくんの中に入っているのは、このゲームの内容を良く知っていて、ゲームの結末を知っている桐山康平さんです。彼ならきっとクラウスくんの未来を良い方へ変えてくれるわ」
そうかにゃ。そうだったら良いにゃ……。
「クロ、ごめん。俺の代わりにお前のご主人に迷惑をかけることになったみたいだ」
とっても真摯な声でいきなりクラウスくんがアタシに頭を下げた。
「そんなことないにゃ。ご主人様ならきっと大丈夫だにゃ! ご主人様はちょっと変わった所もあるけれど、とっても優しくって真面目で良い人だにゃ! だからクラウスくん中に入っちゃったご主人様もきっとみんなに好かれるにゃ」
にっこり笑ってクラウスくんの手の甲を舐めると、ようやくクラウスくんは顔を上げてくれた。
にっこりって言っても、猫の顔だから表情はそんなに変わらず、目をまん丸にして首を大きく傾げただけなんだけどね! クラウスくんはアタシに覆いかぶさるようにぎゅーって抱きついて、後頭部に顔をうずめてアタシの匂いを嗅いだ。ゔにゃーっ!!
「あなたたちが入れ替わったもう一つの理由。クラウスくん、あなたは階段から落ちた時、もうこのまま自分は死んだ方がいい、若しくは消えてしまいたいと思ったのではなくて?」
「ーーーー」
クラウスくんは何か思い当たることがあるみたいで、女神様から顔を逸らすようにまた下を向いちゃった。
女神様がクラウスくんをいじめたにゃ! そう思ったらアタシの毛が静電気を帯びたようにブワって逆立った。相手は女神様だけどシャーだにゃっ!
「……確かに俺はあの時……。皆から嫌われて、親からすら顧みてもらえず、一番近くにいたヤツにまで殺されそうになるほど恨まれている、自分で自分のことすら大嫌いな俺はもう、この場から消えていなくなった方が周りのためになると、ほんの少しだけ思ったんだ……」
アタシはクラウスくんの隣に移動して身体にスリっとアタシの体を擦り付けて、手の甲をペロペロしてあげた。だって、また辛そうな顔してるんだもん。せっかく一度復活したのに!
「入れ替わりの第二の理由。あなたが階段から落ちた時、頭を打ったことによって一時的に身体から魂が抜け出たの。身体と魂は繋がっているから、その二つが離れたらすぐに元に戻ろうとする力が働いて、すぐに魂は元の身体に戻るはずなんだけど、あなたがほんの僅かとはいえ自分で自分の死を願った事によって、あなたの魂は身体に戻るのを一瞬だけ躊躇した」
そしてその瞬間、たまたまなのか偶然なのか、天文学的確率でクラウスと同じ魂を持つ桐山康平が交通事故に遭ったのだ。
「ああ、でも桐山康平さんの事故は偶然ではなく必然だったのかもしれないわ。同じ魂を持つ二人だから、まるで同じ遺伝子を持つ双子のシンクロニシティのように引き摺られ、全く同時刻に二人共々危険な目にあってしまったーーのかもしれない」
女神様でもどうしてこんな事が起きたのか良く分からないそうだ。神様はとってもすごい存在で、なんでも知っているんだと思っていたけれど、分かんないこともあるんだ。
「クラウスくんが階段から落ちて頭を打ったその瞬間、クラウスくんと同じ魂を持つ桐山康平さんも引き摺られるように別の世界で亡くなった。亡くなった桐山康平さんの魂は普通なら私の元に来るはずだったのに、クラウスくんの魂が身体に戻ることを躊躇して戻らなかったからお、代わりに同じ魂である桐山康平さんの魂を身体に入れてしまった」
桐山康平の身体は事故で死に、魂はクラウスの身体に。
クラウスの魂は桐山康平の魂の代わりに転生の女神の元へ。
「これで差し引きゼロ。あなたと桐山康平さんの生死の釣り合いは取れ、世界の均衡も取れている。もう元に戻すことはできない。このまま桐山康平さんにはクラウスくん身体の中で生きてもらうしかない」
いつの間にか女神様の手に杖が握られていた。その杖の先端に付いた大きな宝石がキラキラと光っている。女神様が杖を振るたびに宝石のキラキラが飛んで、アタシとクラウスくんの身体を覆った。
「さて、ここからが私の仕事。私は転生の女神。死者の魂を導き、新しい世界へ案内する者」
シャンッ!! と強い音が鳴る。女神様が杖を床に突いた音だ。
キラキラしたものが身体の中に入ってきた。だんだんと身体の中がポカポカとしてきた。なんだか暖かい日に窓辺のふかふかお布団で日向ぼっこしているような満ち足りた気分になる。
クラウスくんもアタシと同じ気分なのかにゃ?
そうだといいな。
もうさっきみたいな悲しそうな顔は見たくないもんね。
「さて、これからあなたたちを新しい世界へ送ります。次の希望はありますか? 私が出来る限りあなた達が行きたい場所へと生まれ変わらせましょう」
アタシの行きたい場所は決まっている。アタシはご主人様が大好き。役に立ちたい。また撫でてもらいたい。
「もちろんアタシはご主人様の傍がいいにゃ! 出来れば今のクラウスくん中に入っているご主人様に会いたいにゃ! そしてこの状況を説明してあげて、ご主人様が苦労したり困ったりしないようにサポートするにゃ!」
女神様は承諾してくれたようで、頷いてくれた。
「それなら言葉が通じるように、猫の獣人ケット・シーに生まれ変わらせてあげましょう。桐山康平さんと一緒にいたいなら、年齢も遡って…こうして…ああして…」
ぶつぶつ言いながらアタシに向けて杖を振っている女神様を無視して、クラウスくんは目を閉じて考え事をしていた。
「はい。これでクロさんとクラウスくんの年齢を同じくらいにしておいたわ。クロさんはこれからゲームにも出てくるキャラクター、ケット・シーのクロエに転生します。必ずクラウスくんと出会うキャラクターだから、ご主人様を助けてあげてね」
「もちろんだにゃ!」
アタシのことを分かってくれるか心配だけど、早く生まれ変わってご主人様に会いたいにゃ! 会えたら今度はアタシがご主人様=クラウスくんを守るんだ!
「クラウスくんはどうするんだにゃ?」
アタシがクラウスくんの方を振り返ると、クラウスくんは閉じていた目を開けて、ほっと一息、息を吐いた。
「俺はしばらくここで休んでからにするよ。クロ、ご主人様によろしくな」
光の輪がアタシを包む。
クラウスくんがアタシに手を振っていた。目の前がチカチカして、どんどん前が見えなくなって、クラウスくんの姿が段々と薄れていく。
とうとう何も見えなくなった眩い光の輪の中で、クラウスくんの声が遠くに響いた。
「俺を…いや、お前のご主人様を…助けてやってくれ……幸せに…してやって…く……」
「大丈夫だにゃ! アタシに任せるにゃっ!!」
叫ぶ。
クラウスくんにアタシの声が聞こえただろうか。
アタシの周りは真っ白で、温かくって、眠くって、目が開けていられなくなっていく。
ただ、女神様が「ゲームの世界を知っている人がもう一人転生しているから、見つけたら仲良くしてあげてね」と、ついでのように言った声がかすかに聞こえた。
もう一人の転生者!?
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……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

【完結済み】乙男な僕はモブらしく生きる
木嶋うめ香
BL
本編完結済み(2021.3.8)
和の国の貴族の子息が通う華学園の食堂で、僕こと鈴森千晴(すずもりちはる)は前世の記憶を思い出した。
この世界、前世の僕がやっていたBLゲーム「華乙男のラブ日和」じゃないか?
鈴森千晴なんて登場人物、ゲームには居なかったから僕のポジションはモブなんだろう。
もうすぐ主人公が転校してくる。
僕の片思いの相手山城雅(やましろみやび)も攻略対象者の一人だ。
これから僕は主人公と雅が仲良くなっていくのを見てなきゃいけないのか。
片思いだって分ってるから、諦めなきゃいけないのは分ってるけど、やっぱり辛いよどうしたらいいんだろう。

異世界に召喚され生活してるのだが、仕事のたびに元カレと会うのツラい
だいず
BL
平凡な生活を送っていた主人公、宇久田冬晴は、ある日異世界に召喚される。「転移者」となった冬晴の仕事は、魔女の予言を授かることだった。慣れない生活に戸惑う冬晴だったが、そんな冬晴を支える人物が現れる。グレンノルト・シルヴェスター、国の騎士団で団長を務める彼は、何も知らない冬晴に、世界のこと、国のこと、様々なことを教えてくれた。そんなグレンノルトに冬晴は次第に惹かれていき___
1度は愛し合った2人が過去のしがらみを断ち切り、再び結ばれるまでの話。
※設定上2人が仲良くなるまで時間がかかります…でもちゃんとハッピーエンドです!

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
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この話どストライクで、好きです!
続き待ってます!
ありがとうございます。
今ちょっと更新がストップしています。
なるべく早めに更新したいと思っています。続きはもうしばらくお待ちくださいね。
クロエ(クロ)の登場が楽しみです!ケットシーlove!!
王妃様、責務をちゃんと全うしているようですし主人公に愛情もある。悪い人ではないので色々と気になります。王様の事をどう思っているのかにもよりますが、幸せにしてあげてほしいです。
感想ありがとうございます。
私自身、大の猫好きなので、ケットシー出すためだけに話を書いたと言っても過言ではないです。
王様は次くらいに出てきます。
そんなに内容に関係のない人なので、あんまり出てこないのですが良い人だと思いますw