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初任務、そして──。
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あれから8年後、血の滲む努力の結果、やっとの思いでフェイドはゴブリンスレイヤーとなった。
そして今日は初任務として、レイガたち先輩スレイヤーたちと共に、女性2人を連れ去ったゴブリンたちを探しに、郊外の森を訪れていた。
「おい、フェイド。少し落ち着け。」
レイガは、血眼になってゴブリンを探し回っているフェイドに見かねて声をかけた。
「落ち着いてなんかいられるわけないだろ。早く彼女たちを見つけないと、取り返しのつかない事になる。」
あの事件以降、フェイドは人が変わったように、気難しい性格になり、最近ではレイガにも手が負えなくなっていた。
特にゴブリンが関わる事になると、それはさらに顕著になった。
その事でレイガは気を病んでいた。
「………っん?」
突然フェイドは足を止めると、その場で聞き耳を立てた。
「どうした、フェイド?」
「……誰かの声が聞こえる。」
フェイドはそう答えるや否や、急に走り出した。
レイガたちも慌てて後を追いかけると、前方に何かが横たわっているのが見えてきた。
それは正しく、ゴブリンに連れ去られた女性たちであった。
近くまで駆け寄ると、女性たちの服が剥ぎ取られ、身体中が精液まみれになっているのがよく分かり、レイガは絶句した。
(また、救えなかった……。)
レイガは気を落としながらも、ふとフェイドの様子が気になり、彼の方を見た。
するとフェイドは肩を震わせながら、両拳を握りしめており、後ろ姿からでも、彼が憤りを覚えているのがはっきりと分かった。
それを見て嫌な予感がして、レイガが声をかけようとした時だった。
「あいつら、絶対に殺してやる!!」
先程とは比べ物にならない速さで、フェイドはその場から駆け出した。
「待てっ!早まるな!!」
しかしそんなレイガの言葉に耳を貸す事なく、フェイドは森の奥深くへと姿を消した。
その後、1人闇雲に走ったフェイドは、気がつくとレイガたちとはぐれていた。
ようやくその事に気づき、フェイドは足を止めた。
(しまった!俺はこの森の土地勘はないんだった。どうする、レイガたちを捜すべきか?)
そう考えを巡らせていた時だった。
すぐ後ろの茂みから、僅かに物音が聞こえ、フェイドは振り返った。
しかしそこには誰もいなかった。
(なんだ…気のせいか。)
そう思い、頭を向き直した時だった。
「うぐっ……⁉︎」
突然、後頭部に衝撃が走り、一気にフェイドの意識は奪われていった。
そしてそのまま、仰向けに倒れたフェイドを、緑の影たちが取り囲んだ。
「へっへっへ。チョロい奴だぜ。」
「ああ。どうやらこいつも、ゴブリンスレイヤーみたいだが、大した事ないな。」
それは紛れもなく、フェイドたちが探していたゴブリンたちだった。
そして、その内の一匹が、フェイドのそばにしゃがみ込み、フェイドの髪を掴んで顔を覗いた。
「おっ!こいつは、中々の上物じゃねえか。」
ゴブリンはそう言うと、ニヤリと笑った。
「さてと、さっきの女共は、もう壊れちまったし、今度はこいつで楽しむとするか。」
気を失ったままのフェイドは当然抵抗など出来ず、そのままゴブリンに担がれて、何処かへと連れ去られていった。
そして今日は初任務として、レイガたち先輩スレイヤーたちと共に、女性2人を連れ去ったゴブリンたちを探しに、郊外の森を訪れていた。
「おい、フェイド。少し落ち着け。」
レイガは、血眼になってゴブリンを探し回っているフェイドに見かねて声をかけた。
「落ち着いてなんかいられるわけないだろ。早く彼女たちを見つけないと、取り返しのつかない事になる。」
あの事件以降、フェイドは人が変わったように、気難しい性格になり、最近ではレイガにも手が負えなくなっていた。
特にゴブリンが関わる事になると、それはさらに顕著になった。
その事でレイガは気を病んでいた。
「………っん?」
突然フェイドは足を止めると、その場で聞き耳を立てた。
「どうした、フェイド?」
「……誰かの声が聞こえる。」
フェイドはそう答えるや否や、急に走り出した。
レイガたちも慌てて後を追いかけると、前方に何かが横たわっているのが見えてきた。
それは正しく、ゴブリンに連れ去られた女性たちであった。
近くまで駆け寄ると、女性たちの服が剥ぎ取られ、身体中が精液まみれになっているのがよく分かり、レイガは絶句した。
(また、救えなかった……。)
レイガは気を落としながらも、ふとフェイドの様子が気になり、彼の方を見た。
するとフェイドは肩を震わせながら、両拳を握りしめており、後ろ姿からでも、彼が憤りを覚えているのがはっきりと分かった。
それを見て嫌な予感がして、レイガが声をかけようとした時だった。
「あいつら、絶対に殺してやる!!」
先程とは比べ物にならない速さで、フェイドはその場から駆け出した。
「待てっ!早まるな!!」
しかしそんなレイガの言葉に耳を貸す事なく、フェイドは森の奥深くへと姿を消した。
その後、1人闇雲に走ったフェイドは、気がつくとレイガたちとはぐれていた。
ようやくその事に気づき、フェイドは足を止めた。
(しまった!俺はこの森の土地勘はないんだった。どうする、レイガたちを捜すべきか?)
そう考えを巡らせていた時だった。
すぐ後ろの茂みから、僅かに物音が聞こえ、フェイドは振り返った。
しかしそこには誰もいなかった。
(なんだ…気のせいか。)
そう思い、頭を向き直した時だった。
「うぐっ……⁉︎」
突然、後頭部に衝撃が走り、一気にフェイドの意識は奪われていった。
そしてそのまま、仰向けに倒れたフェイドを、緑の影たちが取り囲んだ。
「へっへっへ。チョロい奴だぜ。」
「ああ。どうやらこいつも、ゴブリンスレイヤーみたいだが、大した事ないな。」
それは紛れもなく、フェイドたちが探していたゴブリンたちだった。
そして、その内の一匹が、フェイドのそばにしゃがみ込み、フェイドの髪を掴んで顔を覗いた。
「おっ!こいつは、中々の上物じゃねえか。」
ゴブリンはそう言うと、ニヤリと笑った。
「さてと、さっきの女共は、もう壊れちまったし、今度はこいつで楽しむとするか。」
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