3 / 22
第一村人に出会った
しおりを挟む
あれからどれほど走ったのだろうか。
息は絶え絶えになり、足は棒のようになっていた。
もう足はとっくに限界を迎えていたが、止まれるはずもない。
「あっ…⁉︎」
気づいた時には遅かった。
足が絡まった拍子に、俺は坂を転げ落ちた。
その衝撃で体のあちこちを痛めてしまったが、なんとか立ち上がる。
どうやら骨は折れていないようだ。
「痛たた…。なんで誰も助けてくれないんだよ。」
そのときようやく、二人がいないことに気がついた。
一体いつからはぐれたのだろうか。
まだ近くにいるかもしれないが、叫ぶわけにもいかない。
まさか、さっきの男に捕まって…。
そう思うと、俺はパニックになった。
「早く、警察に電話しないと!」
しかし圏外だったことを、すっかり忘れていた。
さらにパニックになり、スマホのライト機能で、あたりを必死に見渡した。
しまったと気づいた時には遅かった。
近くで足音が聞こえたのだ。
急いでライトを消し、木の裏に身を潜める。
足音は1人、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
文也か春則かもしれないが、暗闇に慣れていないせいで、確認できない。
ヤバい、ヤバい!!
こう言う時こそ、なんとか落ち着かないと。
そうだ、俺はキノコだ。
木の根元に生えている、キノコだと思い込め!
俺はその場にしゃがみ込むと、息を殺した。
しかし無常にも足音は、俺が隠れている木の前で止まった。
俺は完全に運に見放されてしまったのだろうか。
こんなことなら、今日は大人しく、野球の中継でも見ておけばよかったと後悔した。
そして観念して、両手を上にあげて投降することにした。
するといきなり黒い人影に、肩を掴まれた。
もうだめだと覚悟して、俺は目を瞑った。
「おや?もしかして君が、文也くんが言っていた、翔馬くんかい?」
驚いた俺は目を開き、声の主を確かめた。
その正体は、着物みたいなものを着ている男性だった。
作業をしやすくするためか、膝上が見えるほど、裾を上げていた。
ここは江戸時代か⁉︎、と自分でツッコミをしたあと、なんで俺たちのことを知っているのか尋ねた。
すると村人は、文也に頼まれたからだと告げた。
話によると文也と春則は、俺より先に彼に会い、俺を探してくれるように頼んだのだという。
そして2人は、村人に俺をまかせると、彼らの村に行ったという。
てっきり、必死になって探してくれていると思っていたので、俺は愕然とした。
だが落ち込んでばかりもいられない。
一刻も早く2人に会いたい俺は、村人について行くことにした。
息は絶え絶えになり、足は棒のようになっていた。
もう足はとっくに限界を迎えていたが、止まれるはずもない。
「あっ…⁉︎」
気づいた時には遅かった。
足が絡まった拍子に、俺は坂を転げ落ちた。
その衝撃で体のあちこちを痛めてしまったが、なんとか立ち上がる。
どうやら骨は折れていないようだ。
「痛たた…。なんで誰も助けてくれないんだよ。」
そのときようやく、二人がいないことに気がついた。
一体いつからはぐれたのだろうか。
まだ近くにいるかもしれないが、叫ぶわけにもいかない。
まさか、さっきの男に捕まって…。
そう思うと、俺はパニックになった。
「早く、警察に電話しないと!」
しかし圏外だったことを、すっかり忘れていた。
さらにパニックになり、スマホのライト機能で、あたりを必死に見渡した。
しまったと気づいた時には遅かった。
近くで足音が聞こえたのだ。
急いでライトを消し、木の裏に身を潜める。
足音は1人、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
文也か春則かもしれないが、暗闇に慣れていないせいで、確認できない。
ヤバい、ヤバい!!
こう言う時こそ、なんとか落ち着かないと。
そうだ、俺はキノコだ。
木の根元に生えている、キノコだと思い込め!
俺はその場にしゃがみ込むと、息を殺した。
しかし無常にも足音は、俺が隠れている木の前で止まった。
俺は完全に運に見放されてしまったのだろうか。
こんなことなら、今日は大人しく、野球の中継でも見ておけばよかったと後悔した。
そして観念して、両手を上にあげて投降することにした。
するといきなり黒い人影に、肩を掴まれた。
もうだめだと覚悟して、俺は目を瞑った。
「おや?もしかして君が、文也くんが言っていた、翔馬くんかい?」
驚いた俺は目を開き、声の主を確かめた。
その正体は、着物みたいなものを着ている男性だった。
作業をしやすくするためか、膝上が見えるほど、裾を上げていた。
ここは江戸時代か⁉︎、と自分でツッコミをしたあと、なんで俺たちのことを知っているのか尋ねた。
すると村人は、文也に頼まれたからだと告げた。
話によると文也と春則は、俺より先に彼に会い、俺を探してくれるように頼んだのだという。
そして2人は、村人に俺をまかせると、彼らの村に行ったという。
てっきり、必死になって探してくれていると思っていたので、俺は愕然とした。
だが落ち込んでばかりもいられない。
一刻も早く2人に会いたい俺は、村人について行くことにした。
31
お気に入りに追加
93
あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。

男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?

変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!?
※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。
いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。
しかしまだ問題が残っていた。
その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。
果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか?
また、恋の行方は如何に。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる