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弟
味方は誰もいない
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その後、警察署へと連れて行かれた私は、取り調べを受けた。
そこで私は、必死にリッくんとカイくんの事を伝えたが、警察官には全く相手にされなかった。
そればかりか、反省の色が見られないので、このままでは身柄を拘束するとまで言われてしまった。
今、私が捕まったら、誰もリッくんを助けられなくなってしまう。
でも、どうすることも出来ず、途方に暮れていると、突然釈放されることになった。
その理由は、前科が無い事、そして、被害者が許したためと説明された。
カイくんが私を許した事に疑問を持ったまま、私は取り調べ室を後にした。
するとすぐに、私の両親と顔を合わすことになった。
そしてお父さんは、私の顔を見るなり、思い切り頬を叩いた。
「全くお前は、なんて事してくれたんだ!本当にお前は、出来の悪い奴だな!」
ああ、まただ。
私の話もろくに聞かず、手を上げる。
その様子をお母さんは、いつものように冷ややかな目で見ている。
本当に、最低な両親だと思った。
「…………ごめんなさい。」
叩かれるのには慣れていたので、私はいつものように謝った。
「それに比べて、黄昏くんたちは立派なものだ。今回の件も、2人はお前に免じて許してくれたんだぞ。そうそう、警察署の外で、陸斗くんが待っているから、きちんと謝っておくんだぞ。」
「……っ!!」
リッくん、いや、カイくんがいる。
それを聞いた途端、両親への怒りは消え、私は一目散に外へと向かい走り出した。
そして警察署から出ると、カイくんが何食わぬ顔で、私を待っていた。
「………っ、カイくん、一体どういうつもり?」
「えっ?どうしたんだよ、遥華。」
これは全部演技だ。
他のみんなは騙せても、私だけは絶対に騙せないんだから。
「白々しい演技はやめて。私は、どういうつもりで、私の前に顔を出したのか聞いてるの!」
私はカイくんに怒鳴ったが、やはりカイくんはとぼけていた。
「ちょっ、ちょっと待て!海斗と何があったか知らないが、とりあえず落ち着けって。」
「うるさいっ!!」
私がカイくんに掴み掛かろうとした瞬間、私はお父さんに腕を掴まれた。
「遥華、何をやってるんだ!そんなにお前は警察に捕まりたいのか!!」
「違うっ!!だって………。」
そこで私は、言葉を止めた。
何故なら、誰一人として、私の味方がいないと分かってしまったからだ。
私が大人しくなったのを見て、お父さんは私の腕を離した。
「ほら、さっさと陸斗くんに謝るんだ。」
「…………ごめん、なさい。」
私は下を向き、唇を噛み締める思いで、謝罪の言葉を口にした。
込み上げてくるのは、怒りだけ。
私の話を聞かない、信用しない者たちへの怒り。
そしてその怒りの全てが、カイくんへと集約されていく。
私は絶対に、あなたを許さない。
私はカイくんを睨みつけると、両親と一緒に家へと帰っていった。
そこで私は、必死にリッくんとカイくんの事を伝えたが、警察官には全く相手にされなかった。
そればかりか、反省の色が見られないので、このままでは身柄を拘束するとまで言われてしまった。
今、私が捕まったら、誰もリッくんを助けられなくなってしまう。
でも、どうすることも出来ず、途方に暮れていると、突然釈放されることになった。
その理由は、前科が無い事、そして、被害者が許したためと説明された。
カイくんが私を許した事に疑問を持ったまま、私は取り調べ室を後にした。
するとすぐに、私の両親と顔を合わすことになった。
そしてお父さんは、私の顔を見るなり、思い切り頬を叩いた。
「全くお前は、なんて事してくれたんだ!本当にお前は、出来の悪い奴だな!」
ああ、まただ。
私の話もろくに聞かず、手を上げる。
その様子をお母さんは、いつものように冷ややかな目で見ている。
本当に、最低な両親だと思った。
「…………ごめんなさい。」
叩かれるのには慣れていたので、私はいつものように謝った。
「それに比べて、黄昏くんたちは立派なものだ。今回の件も、2人はお前に免じて許してくれたんだぞ。そうそう、警察署の外で、陸斗くんが待っているから、きちんと謝っておくんだぞ。」
「……っ!!」
リッくん、いや、カイくんがいる。
それを聞いた途端、両親への怒りは消え、私は一目散に外へと向かい走り出した。
そして警察署から出ると、カイくんが何食わぬ顔で、私を待っていた。
「………っ、カイくん、一体どういうつもり?」
「えっ?どうしたんだよ、遥華。」
これは全部演技だ。
他のみんなは騙せても、私だけは絶対に騙せないんだから。
「白々しい演技はやめて。私は、どういうつもりで、私の前に顔を出したのか聞いてるの!」
私はカイくんに怒鳴ったが、やはりカイくんはとぼけていた。
「ちょっ、ちょっと待て!海斗と何があったか知らないが、とりあえず落ち着けって。」
「うるさいっ!!」
私がカイくんに掴み掛かろうとした瞬間、私はお父さんに腕を掴まれた。
「遥華、何をやってるんだ!そんなにお前は警察に捕まりたいのか!!」
「違うっ!!だって………。」
そこで私は、言葉を止めた。
何故なら、誰一人として、私の味方がいないと分かってしまったからだ。
私が大人しくなったのを見て、お父さんは私の腕を離した。
「ほら、さっさと陸斗くんに謝るんだ。」
「…………ごめん、なさい。」
私は下を向き、唇を噛み締める思いで、謝罪の言葉を口にした。
込み上げてくるのは、怒りだけ。
私の話を聞かない、信用しない者たちへの怒り。
そしてその怒りの全てが、カイくんへと集約されていく。
私は絶対に、あなたを許さない。
私はカイくんを睨みつけると、両親と一緒に家へと帰っていった。
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