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双子の過去 真相編
囚われの兄
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「う……ううっ………。」
意識を取り戻した俺は、まだ頭がぼんやりする中、ゆっくりと目を開けた。
まず見えたのは、見慣れた自分の部屋の天井だった。
どうやら今は夜で、俺はベッドで仰向けに寝ているようだ。
でもどうして、横になっていたのか、その前まで何をしていたのか、はっきりと思い出せず、呆然と天井を眺めていた。
「おはよう、兄さん。ぐっすり眠ってたね。」
「──ッ⁉︎」
その声を聞いた瞬間、全ての記憶が戻り、慌てて飛び起きようとした。
だが──。
ガシャッ
「なっ……⁉︎」
ベッドと両手首をつなげている手錠によって、俺は身動きが取れなくなっていた。
「──ッ!!海斗、どういうつもりだよ⁉︎」
何で、どうして、こんな事に──。
海斗は笑みを浮かべたまま、椅子に座っていて、微動だにしない。
俺は何とか手錠を外そうと、ベッドの上でもがき続けた。
「あーあ、兄さん。そんなに動くから、手首が切れて血が出てるよ。」
「………そんな事言うなら、これを外してくれればいいだろ。」
それでも海斗はため息をつくばかりで、一向に手錠を外してくれる様子はない。
「それは、無理な話だよ。だって兄さんは、今日からずっと、僕の物になるんだから。」
本当に、目の前にいるのは、海斗なのだろうか。
少し気は弱いけれど、あんなに心優しかったあの海斗が、こんな事をするなんて、とてもじゃないが信じられなかった。
「……僕の物って、どういう意味だよ?」
俺がそう言うと、海斗は立ち上がり、俺のそばまで歩み寄ってきた。
そして俺の横で屈むと、俺の頬をそっと撫でた。
「こういう事だよ。」
次第に海斗の顔が、俺の顔に迫ってくる。
まずいと思っても、身動きの取れない俺は、海斗から顔を背けるのが精一杯だった。
だが、そんな僅かな抵抗すら許さないとばかりに、海斗の手が俺の顎を掴み、無理矢理正面を向かされた。
そして海斗と目が合った瞬間、俺の唇に、海斗の唇が重ねられた。
抵抗しようにも、ショックで力が抜けてしまい、ただ現実から目を逸らしたいがために、目を瞑ることしか出来なかった。
すると海斗は、軽く口づけしただけで、すぐに顔を上げた。
「兄さん、震えてるの?……可愛い。」
恐る恐る目を開けると、海斗が俺を見下げたまま、舌で自分の唇を舐めているところだった。
「……海斗、お願いだ。こんな事、間違ってる。今ならまだ間に合う。だから、手錠を外してくれ………。」
どうして、いつから、海斗がこうなってしまったのかは分からない。
海斗が抱いている感情が、愛情か憎悪なのかも分からない。
それでもはっきりしている事がある。
それは、兄として、弟の間違いを正すことだった。
「………もう、手遅れだよ。だって僕、人を殺しちゃったからね。」
「えっ………⁉︎」
唐突に耳に入った言葉を、俺は受け入れる事が出来なかった。
「兄さんを最初に痴漢した男がいるでしょ。それと、そいつの仲間。2人とも、僕が殺したんだよ。僕の兄さんに酷い事をしたんだから、当然の報いだよね。」
そんな事、例え本人の口から言われても、信じられるはずがない。
いや、信じたくないだけだった。
「ああ、驚くのはまだ早いよ。だって殺したのは、これが初めてじゃないからね。」
海斗が一言一言話すたびに、俺の中の海斗のイメージが崩れていく。
「う………嘘だ……そんなの………。」
「やっぱり、信じられないよね。じゃあ、今から全部、話してあげるね。」
海斗はニッコリと笑うと、昔の事を話し出した。
意識を取り戻した俺は、まだ頭がぼんやりする中、ゆっくりと目を開けた。
まず見えたのは、見慣れた自分の部屋の天井だった。
どうやら今は夜で、俺はベッドで仰向けに寝ているようだ。
でもどうして、横になっていたのか、その前まで何をしていたのか、はっきりと思い出せず、呆然と天井を眺めていた。
「おはよう、兄さん。ぐっすり眠ってたね。」
「──ッ⁉︎」
その声を聞いた瞬間、全ての記憶が戻り、慌てて飛び起きようとした。
だが──。
ガシャッ
「なっ……⁉︎」
ベッドと両手首をつなげている手錠によって、俺は身動きが取れなくなっていた。
「──ッ!!海斗、どういうつもりだよ⁉︎」
何で、どうして、こんな事に──。
海斗は笑みを浮かべたまま、椅子に座っていて、微動だにしない。
俺は何とか手錠を外そうと、ベッドの上でもがき続けた。
「あーあ、兄さん。そんなに動くから、手首が切れて血が出てるよ。」
「………そんな事言うなら、これを外してくれればいいだろ。」
それでも海斗はため息をつくばかりで、一向に手錠を外してくれる様子はない。
「それは、無理な話だよ。だって兄さんは、今日からずっと、僕の物になるんだから。」
本当に、目の前にいるのは、海斗なのだろうか。
少し気は弱いけれど、あんなに心優しかったあの海斗が、こんな事をするなんて、とてもじゃないが信じられなかった。
「……僕の物って、どういう意味だよ?」
俺がそう言うと、海斗は立ち上がり、俺のそばまで歩み寄ってきた。
そして俺の横で屈むと、俺の頬をそっと撫でた。
「こういう事だよ。」
次第に海斗の顔が、俺の顔に迫ってくる。
まずいと思っても、身動きの取れない俺は、海斗から顔を背けるのが精一杯だった。
だが、そんな僅かな抵抗すら許さないとばかりに、海斗の手が俺の顎を掴み、無理矢理正面を向かされた。
そして海斗と目が合った瞬間、俺の唇に、海斗の唇が重ねられた。
抵抗しようにも、ショックで力が抜けてしまい、ただ現実から目を逸らしたいがために、目を瞑ることしか出来なかった。
すると海斗は、軽く口づけしただけで、すぐに顔を上げた。
「兄さん、震えてるの?……可愛い。」
恐る恐る目を開けると、海斗が俺を見下げたまま、舌で自分の唇を舐めているところだった。
「……海斗、お願いだ。こんな事、間違ってる。今ならまだ間に合う。だから、手錠を外してくれ………。」
どうして、いつから、海斗がこうなってしまったのかは分からない。
海斗が抱いている感情が、愛情か憎悪なのかも分からない。
それでもはっきりしている事がある。
それは、兄として、弟の間違いを正すことだった。
「………もう、手遅れだよ。だって僕、人を殺しちゃったからね。」
「えっ………⁉︎」
唐突に耳に入った言葉を、俺は受け入れる事が出来なかった。
「兄さんを最初に痴漢した男がいるでしょ。それと、そいつの仲間。2人とも、僕が殺したんだよ。僕の兄さんに酷い事をしたんだから、当然の報いだよね。」
そんな事、例え本人の口から言われても、信じられるはずがない。
いや、信じたくないだけだった。
「ああ、驚くのはまだ早いよ。だって殺したのは、これが初めてじゃないからね。」
海斗が一言一言話すたびに、俺の中の海斗のイメージが崩れていく。
「う………嘘だ……そんなの………。」
「やっぱり、信じられないよね。じゃあ、今から全部、話してあげるね。」
海斗はニッコリと笑うと、昔の事を話し出した。
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