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第一章 忘却の通り魔編
27.始期〈シキ〉
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「私は、どうなった……?」
身体が動かない。
目の前が眩しくて見えない。
うっすらと意識がある。
それだけが男には分かった。
身体が熱い。全身から何かが溢れるような、妙な熱さだ。
「私は死んだのか? また、死んでしまったのか」
言葉は口から発されず、頭の中でぐるぐると回っていた。
ほんのりと、眩しさの間から何がか見て取れた。
そこには、銀色の髪を二つに結んだ小柄な少女が立っていた。
「……ネオン? ネオン! どうしてお前がここに!?」
彼女は何も喋らない。それどころか、男の方へ向く事は無かった。
次に、急に身体が冷たくなってきた。
それに合わせて、光もだんだんと弱まっていった。
薄れゆく意識の中、男はなんとか目の前の光景を見ようとした。
そこはどこか見覚えのある、不気味な森の中であった。
その中で少女は、無数の不思議な球を宙に浮かせていた。
不思議な球は、光の加減で赤にも青にも緑にも黄にも見えた。
「あれは……エーテル……?」
少女は口を開け何かを叫んだ。それと同時に、無数の不思議な球はどこかへ消えていった。
男には少女の声が聞こえなかった。
彼女は何を言っていたのだろう。そんな事を考えているうちに、男は再び意識を失った。
────────────────────
「エーテルコアを……取り込んだ……?」
アイヴィは目を丸くして、怯えるようにシキをじっと見つめていた。
「アイ……がはっ! ゴホ、ゴホ……ッ!!」
アイヴィに語り掛けようとして、喉に何かが詰まり咳込んだ。
それと同時に、カランッ、カランと音を立てアイヴィの短剣が地面を転がっていく。
その短剣は、赤い宝石が無くなっていた。
アイヴィは柄の中央に穴が開いた短剣を拾い、シキから離れ切っ先を向ける。
「何を……何をしたの……ッ!!」
直前の出来事を思い出す。
アイヴィを止めようとして短剣が刺さり、シキは多量の出血をしていた。
「私はまだ、生きているのか……」
全身が熱い。燃え滾るような力がドクンドクンと脈打ち、心臓から全身へと流れていく。
「ハハ、違うな……私は死んだ。死んでいたのだ」
呼吸が整う。傷口から痛みが消えていく。
身体の熱に促されるように、シキは立ち上がった。
「だが私は、生き返った」
全身に溢れる得体のしれない力。シキの身に宿った力。
そう、それは。
「エーテル……ッ!!」
シキのエーテルが、赤く染まった。
「エーテルが変色した……? そんな事、あるはずが……!!」
蘇ったシキを見て、サラは戸惑いを隠せなかった。
「それだけじゃない、あれだけの傷が回復している……。赤いエーテルが持つ活性化だけの力……なのか?」
炎のようなエーテルがシキを包み込む。
医者のサラには、今起きている事が分からなかった。
「エーテルコア……ただの石や結晶とは別格のエーテルの塊……何故そんなものがここに。いや、何故そんなものをシキは吸収した……? どうしてあんな異物と、融合出来た?」
サラは振り返る。
ぐったりと木にもたれかかるネオンを見て、ぽつりと呟いた。
「ネオン、お前は何者だ? お前は、シキに何をさせようとしている……?」
ネオンはただ、シキを見つめ沈黙していた。
────────────────────
「アイヴィ。これで私はお前の力になれるか? この力があれば、お前を救えるか?」
全身を炎に包まれながら、シキは告げる。
「たった一度の奇跡で……それはわたしから奪った力でしょ!! そんな君が、わたしに敵うとでも思っているの……?」
「思っているさ。願いは求めるものじゃない、叶えるものだ。この力が奇跡だっていい、これが私が願い叶えた結果だとするならば、私はお前を超える。奇跡は何度だって起こせるものだと、教えてやる……ッ!!」
シキは拳を強く握る。
傷口から溢れるエーテルは、より赤く、より力強く燃え上がっていく。
「……シキくん。優しい君は、君だけは助けてあげようと思ってた。優しくて優しくて、けれど弱い。こんなところで消えるには惜しいほど、弱くて脆くてそれでも真っ直ぐな君が、正直羨ましかったんだと思う」
「アイヴィ……」
「でも、そんな必要なかったみたいだね。だって君は強いもの。強くて強くて強くて強くて、大っ嫌い。強情でわがままでどこまでも諦めが悪くて、大っ嫌い。お世辞も方便も優しさも、人の思いなんか一つも気付かなくて、大っ嫌い。何度も何度も立ち上がって、奇跡すら起こしてわたしの邪魔をして、大っ嫌い。君なら本当に救ってくれるのかもしれないって思わせて、大っ嫌い」
アイヴィの目の色が変わる。
賞金稼ぎとも通り魔とも違った、純粋無垢な目に。
「ねぇシキくん。もうわたし迷わないよ。本気で君と向き合う。君の言う新たな選択肢ってのが知りたい。だから……んふっ。絶対わたしに、勝ってよね……ッ!!」
交じりっ気のないアイヴィの言葉と共に、黄色く輝く斬撃が宝石の欠けた短剣から放たれる。
その巨大な一撃は地面すら抉り飛ばし、炎に包まれたシキへと襲い掛かった。
「グゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…………はぁぁぁ!!」
シキは迫り来る斬撃を掴む。衝撃で地面を滑りながらも、炎を噴出させそれを耐え凌いだ。
土煙が引くと同時にアイヴィが見える。彼女の纏っていたツルは、至る所が切断されていた。
「やっぱりコアが無いとわたしのエーテルを食べちゃうか……だったら」
アイヴィは瞬時に次の攻撃に移る。
力強く地面を蹴り、短剣を振り上げ襲ってきた。
「もうそれは使えないのではないか? アイヴィよ!!」
「そう……みたい!!」
振り降ろすと同時に、シキが腕を掴み止める。その隙にアイヴィはシキを蹴り上げ、空中で二度三度と打撃を放った。
「ぐっ……、アイヴィはどこだ!?」
森の奥へシキは吹き飛ばされた。
地面を転がり起き上がると、アイヴィの姿がどこにも見えない。
辺りを警戒していると、暗闇の中で何かが光った。
「そこだあああああ!!」
シキは光った場所へ向かおうとする。
しかしそれは投げ飛ばされた短剣であった。
「なにっ!?」
炎を集め短剣をあしらう。
あえて武器を投げてきたアイヴィを意識して探す。
「どこに隠れている……、ッ!! 上か!!」
「んふっ、正解!!」
強烈な衝撃波が辺り一帯へ響き渡った。
「ぐあああああ!!」
突き上げるような衝撃でシキは吹き飛ばされる。
すぐに起き上がり、衝撃の中心へ振り向く。
「なんだ今のは……隕石でも落したか……?」
当然隕石など落とせはしない。
めり込んだ地面を見て、シキは何を受けたのか想像した。
「それも面白い……かもねっ」
見えない暗闇の中でアイヴィは言葉を返す。
「でも、もっと面白いもの持って来ちゃった」
次第に土煙が晴れる。そこには今までとは比べものにならない大きな影が立ちはだかっていた。
────────────────────
「んんっ……。私こんなところで……って、そうだみなさんは!!」
アイヴィの起こした衝撃で、意識を失っていたミコは目を覚ました。
「やっと起きたか、ミコ」
目の前にはサラが覆い被さり、ミコと一緒にネオンも衝撃から庇っていた。
「サラ!! その傷は……!! あの後何があったんですか!?」
まだ状況を把握出来ていないミコは、慌てながら焦りを口にした。
「酷いもんさ……。ミコ、悪いんだけどそこの青い紙を傷口に貼ってくれるかい?」
「え、えぇ……。そういえばシキさんが見当たりませんが、彼はどこへ?」
「ん、あっち」
サラは弱々しい手で土煙を指差す。
そこには、炎を纏ったシキが立っていた。
「あれがシキ……さん? エ、エーテルを使ってますよ!?」
「ああ、本当どうなってんだか」
私も分からないといった感じでサラは返事をする。
傷口の治療をして貰うと、サラはすぐさま次の行動を口にした。
「ありがと。それじゃあここを離れようか。ここにいたら邪魔になってしまうし、そもそも私達が危ないからさ……」
そうこう言っているうちに、次の衝撃波が襲い掛かってきた。
「うわっ!? ……ってあれ、大丈夫だ」
「これだけ騒がしいと、私の花歌集めで集まるそよ風も多いみたいですね」
ミコの術で三人は衝撃から身を守る。
戦場から少し離れている事も幸いし、ミコの力でも衝撃を防ぐ事が出来ていた。
「離れたいのは同感ですが、シキさんとアイヴィさんの戦いが終わるまではここに留まりましょう……!」
「……どうしてさ」
「だって、その後はどうするんですか! 傷だらけの二人を置いて離れるだなんて私には出来ません」
「はぁ……。ミコには負けるよ」
サラはため息をつくと、いつもの事だと諦めを付ける。
「その調子ですとサラも大丈夫そうですし、決まりですね」
「分かった分かった。じゃあ私は近くの川から水を運んで来るか。こんな怪我人だらけじゃ宿にすら辿り着けないだろうし」
「分かりました。ではネオンさん、私達はここで待っていましょう。衝撃からは私が守りますので」
こくり、とネオンは頷いた。
身体が動かない。
目の前が眩しくて見えない。
うっすらと意識がある。
それだけが男には分かった。
身体が熱い。全身から何かが溢れるような、妙な熱さだ。
「私は死んだのか? また、死んでしまったのか」
言葉は口から発されず、頭の中でぐるぐると回っていた。
ほんのりと、眩しさの間から何がか見て取れた。
そこには、銀色の髪を二つに結んだ小柄な少女が立っていた。
「……ネオン? ネオン! どうしてお前がここに!?」
彼女は何も喋らない。それどころか、男の方へ向く事は無かった。
次に、急に身体が冷たくなってきた。
それに合わせて、光もだんだんと弱まっていった。
薄れゆく意識の中、男はなんとか目の前の光景を見ようとした。
そこはどこか見覚えのある、不気味な森の中であった。
その中で少女は、無数の不思議な球を宙に浮かせていた。
不思議な球は、光の加減で赤にも青にも緑にも黄にも見えた。
「あれは……エーテル……?」
少女は口を開け何かを叫んだ。それと同時に、無数の不思議な球はどこかへ消えていった。
男には少女の声が聞こえなかった。
彼女は何を言っていたのだろう。そんな事を考えているうちに、男は再び意識を失った。
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「エーテルコアを……取り込んだ……?」
アイヴィは目を丸くして、怯えるようにシキをじっと見つめていた。
「アイ……がはっ! ゴホ、ゴホ……ッ!!」
アイヴィに語り掛けようとして、喉に何かが詰まり咳込んだ。
それと同時に、カランッ、カランと音を立てアイヴィの短剣が地面を転がっていく。
その短剣は、赤い宝石が無くなっていた。
アイヴィは柄の中央に穴が開いた短剣を拾い、シキから離れ切っ先を向ける。
「何を……何をしたの……ッ!!」
直前の出来事を思い出す。
アイヴィを止めようとして短剣が刺さり、シキは多量の出血をしていた。
「私はまだ、生きているのか……」
全身が熱い。燃え滾るような力がドクンドクンと脈打ち、心臓から全身へと流れていく。
「ハハ、違うな……私は死んだ。死んでいたのだ」
呼吸が整う。傷口から痛みが消えていく。
身体の熱に促されるように、シキは立ち上がった。
「だが私は、生き返った」
全身に溢れる得体のしれない力。シキの身に宿った力。
そう、それは。
「エーテル……ッ!!」
シキのエーテルが、赤く染まった。
「エーテルが変色した……? そんな事、あるはずが……!!」
蘇ったシキを見て、サラは戸惑いを隠せなかった。
「それだけじゃない、あれだけの傷が回復している……。赤いエーテルが持つ活性化だけの力……なのか?」
炎のようなエーテルがシキを包み込む。
医者のサラには、今起きている事が分からなかった。
「エーテルコア……ただの石や結晶とは別格のエーテルの塊……何故そんなものがここに。いや、何故そんなものをシキは吸収した……? どうしてあんな異物と、融合出来た?」
サラは振り返る。
ぐったりと木にもたれかかるネオンを見て、ぽつりと呟いた。
「ネオン、お前は何者だ? お前は、シキに何をさせようとしている……?」
ネオンはただ、シキを見つめ沈黙していた。
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「アイヴィ。これで私はお前の力になれるか? この力があれば、お前を救えるか?」
全身を炎に包まれながら、シキは告げる。
「たった一度の奇跡で……それはわたしから奪った力でしょ!! そんな君が、わたしに敵うとでも思っているの……?」
「思っているさ。願いは求めるものじゃない、叶えるものだ。この力が奇跡だっていい、これが私が願い叶えた結果だとするならば、私はお前を超える。奇跡は何度だって起こせるものだと、教えてやる……ッ!!」
シキは拳を強く握る。
傷口から溢れるエーテルは、より赤く、より力強く燃え上がっていく。
「……シキくん。優しい君は、君だけは助けてあげようと思ってた。優しくて優しくて、けれど弱い。こんなところで消えるには惜しいほど、弱くて脆くてそれでも真っ直ぐな君が、正直羨ましかったんだと思う」
「アイヴィ……」
「でも、そんな必要なかったみたいだね。だって君は強いもの。強くて強くて強くて強くて、大っ嫌い。強情でわがままでどこまでも諦めが悪くて、大っ嫌い。お世辞も方便も優しさも、人の思いなんか一つも気付かなくて、大っ嫌い。何度も何度も立ち上がって、奇跡すら起こしてわたしの邪魔をして、大っ嫌い。君なら本当に救ってくれるのかもしれないって思わせて、大っ嫌い」
アイヴィの目の色が変わる。
賞金稼ぎとも通り魔とも違った、純粋無垢な目に。
「ねぇシキくん。もうわたし迷わないよ。本気で君と向き合う。君の言う新たな選択肢ってのが知りたい。だから……んふっ。絶対わたしに、勝ってよね……ッ!!」
交じりっ気のないアイヴィの言葉と共に、黄色く輝く斬撃が宝石の欠けた短剣から放たれる。
その巨大な一撃は地面すら抉り飛ばし、炎に包まれたシキへと襲い掛かった。
「グゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…………はぁぁぁ!!」
シキは迫り来る斬撃を掴む。衝撃で地面を滑りながらも、炎を噴出させそれを耐え凌いだ。
土煙が引くと同時にアイヴィが見える。彼女の纏っていたツルは、至る所が切断されていた。
「やっぱりコアが無いとわたしのエーテルを食べちゃうか……だったら」
アイヴィは瞬時に次の攻撃に移る。
力強く地面を蹴り、短剣を振り上げ襲ってきた。
「もうそれは使えないのではないか? アイヴィよ!!」
「そう……みたい!!」
振り降ろすと同時に、シキが腕を掴み止める。その隙にアイヴィはシキを蹴り上げ、空中で二度三度と打撃を放った。
「ぐっ……、アイヴィはどこだ!?」
森の奥へシキは吹き飛ばされた。
地面を転がり起き上がると、アイヴィの姿がどこにも見えない。
辺りを警戒していると、暗闇の中で何かが光った。
「そこだあああああ!!」
シキは光った場所へ向かおうとする。
しかしそれは投げ飛ばされた短剣であった。
「なにっ!?」
炎を集め短剣をあしらう。
あえて武器を投げてきたアイヴィを意識して探す。
「どこに隠れている……、ッ!! 上か!!」
「んふっ、正解!!」
強烈な衝撃波が辺り一帯へ響き渡った。
「ぐあああああ!!」
突き上げるような衝撃でシキは吹き飛ばされる。
すぐに起き上がり、衝撃の中心へ振り向く。
「なんだ今のは……隕石でも落したか……?」
当然隕石など落とせはしない。
めり込んだ地面を見て、シキは何を受けたのか想像した。
「それも面白い……かもねっ」
見えない暗闇の中でアイヴィは言葉を返す。
「でも、もっと面白いもの持って来ちゃった」
次第に土煙が晴れる。そこには今までとは比べものにならない大きな影が立ちはだかっていた。
────────────────────
「んんっ……。私こんなところで……って、そうだみなさんは!!」
アイヴィの起こした衝撃で、意識を失っていたミコは目を覚ました。
「やっと起きたか、ミコ」
目の前にはサラが覆い被さり、ミコと一緒にネオンも衝撃から庇っていた。
「サラ!! その傷は……!! あの後何があったんですか!?」
まだ状況を把握出来ていないミコは、慌てながら焦りを口にした。
「酷いもんさ……。ミコ、悪いんだけどそこの青い紙を傷口に貼ってくれるかい?」
「え、えぇ……。そういえばシキさんが見当たりませんが、彼はどこへ?」
「ん、あっち」
サラは弱々しい手で土煙を指差す。
そこには、炎を纏ったシキが立っていた。
「あれがシキ……さん? エ、エーテルを使ってますよ!?」
「ああ、本当どうなってんだか」
私も分からないといった感じでサラは返事をする。
傷口の治療をして貰うと、サラはすぐさま次の行動を口にした。
「ありがと。それじゃあここを離れようか。ここにいたら邪魔になってしまうし、そもそも私達が危ないからさ……」
そうこう言っているうちに、次の衝撃波が襲い掛かってきた。
「うわっ!? ……ってあれ、大丈夫だ」
「これだけ騒がしいと、私の花歌集めで集まるそよ風も多いみたいですね」
ミコの術で三人は衝撃から身を守る。
戦場から少し離れている事も幸いし、ミコの力でも衝撃を防ぐ事が出来ていた。
「離れたいのは同感ですが、シキさんとアイヴィさんの戦いが終わるまではここに留まりましょう……!」
「……どうしてさ」
「だって、その後はどうするんですか! 傷だらけの二人を置いて離れるだなんて私には出来ません」
「はぁ……。ミコには負けるよ」
サラはため息をつくと、いつもの事だと諦めを付ける。
「その調子ですとサラも大丈夫そうですし、決まりですね」
「分かった分かった。じゃあ私は近くの川から水を運んで来るか。こんな怪我人だらけじゃ宿にすら辿り着けないだろうし」
「分かりました。ではネオンさん、私達はここで待っていましょう。衝撃からは私が守りますので」
こくり、とネオンは頷いた。
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