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第一章 忘却の通り魔編
02.魔力〈エーテル〉
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「これで……よし。じゃあそろそろ始めようか」
治療の用意を進めていたサラは、準備完了といった様子で部屋の皆に語りかける。
用意された卓上には色鮮やかな石や液体がズラリと並び、怪しい占いにでも使いそうな不思議な道具の数々が並べられていた。
サラの言葉を聞いたミコは小走りで彼女の隣へ並ぶ。胸を張りどことなく自信ありげな姿は、さながら助手のようであった。
「治療の前に……その服、脱いでくれるかな?」
「……なぜ」
「そのまんまじゃあコレ、塗れないだろう」
そう言いながらサラは、管に入ったドロリと粘り気のある液体を手首で揺らす。
治療に必要だからと、シキは無理やり上半身の衣服を剥ぎ取られてしまった。
(まったく、だいぶ強引な医者だな……)
少し肌寒く感じ、シキは身をすぼめる。記憶のためなら致し方ないと諦めていたが、サラはお構いなしに液体を塗りたくり、さらにカラフルでキンキンに冷えた石を押さえつけてきた。
「なっ、なな、何をやっている??」
「何って、治療だけど」
「この子供がいたずらで考えた儀式みたいなのが本当に治療か!?」
思わずくしゃみが出てしまいそうな寒さと冷たさで、ついにシキは不機嫌になる。記憶が無いのも含め何か大掛かりな嘘に巻き込まれているのではないかと、周りの人間を疑いを持った目で睨んでいた。
だが、サラは至って真剣にシキの問いへ返答した。
「子供のいたずらとは酷い言われようだね。エーテルの流れから身体の悪い部分を探る、代表的な技法なんだけど」
エーテルの流れだ? 聞きなれない言葉がシキの頭に引っかかる。
意味を頭の中で処理しようとし、状況から近しいものを連想した。
「はぁ、血液をここではそのように呼ぶのか」
体内を流れると言えば血液ぐらいしか思いつかない。
頭の引き出しに残った知識を取り出すも、サラから返って来たのは予想もつかない答えであった。
「ん? いやいや、血液は血液、エーテルはエーテルだよ。あ、魔力って分からない? 体内から供給されて治癒や強化に使ったり、火とか水を出す時にも使うアレだよアレ」
人が、火や水を出す? シキは彼女の言っている事がまるで理解出来ず、記憶喪失の重大さを思い知らされる。
「はっ、何を馬鹿な。人がそんなもの出せる訳ないだろう。記憶喪失だからって適当な事を言って人で遊ぶな。…………本当に出るのか? 出ないよな??」
「あー……。エーテル関係の事もごっそり忘れちゃってるねこれ。早く取り戻さないと」
「出せるのか!?」
夢の様な出来事が、この世界では当たり前らしい。常識の外から現れた現象に頭を抱えて落ち込むシキ。その背後ではサラがカラフルな液体を宙へ浮かせ、縦横無尽に操りながらシキの身体をくまなく調べていた。
数十秒ほど落ち込んだシキは、突然バッとミコの方へと振り向く。
「っ??」
突然目を合わされちょっぴり驚くミコ。
シキは、まだ疑念は残っていると訴えるように問いかけた。
「ミコ、まさかお前も火を吹いたり水を吐き出したりしないよな……!?」
「そのような事は出来ませんが……」
ホッっと安心した。そのような超常現象がそうそうあってたまるか。
この部屋の中で一番普通っぽい等身大少女のミコを見て、シキは心の安定を図った。
しかしミコは両手で持っていたタオルを片手に持ち直すと、続けて言葉を口にする。
「風を少々操れますよ。それっ」
可愛らしい掛け声とともに指先をシキに向ける。すると、そよ風がシキのほほを触れて横髪を揺らした。
「…………は、はは。正気か?」
と言ってもお掃除やお洗濯ぐらいにしか使いませんけどね。とミコはフォローを入れたが、さらに落ち込み動揺するシキの耳には、ほんの僅かも届いていないようであった。
「サラ……、記憶を……頼む」
「その事なんだけど……」
ひねり出すような声でシキは懇願したが、それとは裏腹に彼女の表情は曇っていた。
「シキ。君はどうして、魔力が無いんだ……?」
恐ろしいものを見たかのように、それまでマイペースだったサラの顔がこわばった。
「魔力が無い、とは?」
「うーん……何というか、エーテルの形跡は感じるんだけど、どこを探してもその流れが見つからないんだよ」
サラとミコは不思議なものと遭遇した時のように、シキの顔を見つめる。
「そんな事って、あるのですか……?」
「何か問題があるのか?」
「問題も問題、大問題だよ。人は、いいや全ての生き物は、何かしらエーテルが流れているものなんだ。けど……君からはその流れが感じられない」
「流れが無いとどうなる……?」
「血液と一緒さ。血液の供給がない生き物は身体を動かす事が出来ないだろ? それはエーテルだって同じ。人の記憶はエーテルとして蓄積され、人の身体や心はエーテルによって整えられているんだよ」
サラは難しい顔で説明を続ける。
「エーテルの循環が無いって事は、知識や思考が全身へ届かなくなり、身体中の機能が動かなくなる。なのにシキ、君はエーテルが流れていないのにこうして私達と会話している。正直、私には何が起こっているのかさっぱりだ」
エーテルが流れていないという事。それはつまり死と同じであるとサラは言う。
しかしシキは現にここへ存在し、その言葉を聞いている。
シキは何と答えたらいいか分からず、言葉を失ってしまう。
宿屋の一室は、四人いるとは思えない静寂に包まれていた。
だがしばらくして、ミコはある事を思い出し、静まり返った空間へ声を発する。
「あの……エーテルの流れが分からないという事は、つまり治療は出来ないという事でしょうか?」
「ああ。外傷の方は既に塞がっているみたいだし……、私に出来る事はもう何もないね」
今さらそんな事を確認をして何が言いたい。シキはミコの不明瞭な発言を疑問に思った。おかしな奴と改めて言われているようで、いい気分ではなかった。だが、シキは今ここで重要であるはずのある話題をすっかり忘れていた。
「という事は、シキさんの記憶は戻せないのでしょうか……?」
……あ。
シキとサラは声を合わせて思い出す。
エーテルの流れが無い事、そしてそれが無いと生き物の定義に反するという事。
その事に躍起になっていた場の空気が一転する。
そもそも、何故エーテルを調べていたのか。そもそも、どうして治療が必要だったのか。
「……本当にどうにもならないのか」
「…………悪いね」
シキには記憶がない。取り戻す手段も白紙になった。
身体を支えていた力がすっと抜けていく。言葉にならない虚脱感が、じわじわとシキを心を蝕んでいく。
記憶が無ければ、エーテルと呼ばれるものすら持っていない存在。まるでこの世界にいてはならない、雑音のような存在だと世界から否定されている気さえした。
どうしようもない居心地の悪さを覚える。今ここでベッドに座っている事すらやめて、どこかへ逃げ出したくなる。嫌な汗が流れ始め、呼吸を整えるのもそろそろ限界を迎えそうだった。
落ち着きを与えるはずの宿屋の一室には、重い空気が張り詰めていた。その時だ。
「シキさん」
ミコの一言が、再び重苦しい沈黙へと響き渡る。
「落ち着くまで、ここでしばらくゆっくりしてください。宿泊費は取りませんから」
混乱するシキに、救いの手を差し伸べたのはミコだった。
突然の申し出に思わず顔を上げ、ミコの顔をまじまじと見つめる。
「いい……、のか?」
「もちろんです! 困っていたらお互い様ですよっ。そうだ、気分転換に外を歩いてみるのはいかがでしょう? 近くには商店街もありますし、何か思い出すきっかけになるかもしれませんよ」
心を覆うもやのような虚無感が、ゆっくりと引いていく気がした。
どこの誰とも分からない自分を、それでもと気に留め心配してくれる優しさ。そんな感情が、帰る場所も分からないシキに、小さな居場所を与えてくれていた。
「……すまない」
一言だけ、伝える。それが今のシキに出来る精一杯だった。
治療の用意を進めていたサラは、準備完了といった様子で部屋の皆に語りかける。
用意された卓上には色鮮やかな石や液体がズラリと並び、怪しい占いにでも使いそうな不思議な道具の数々が並べられていた。
サラの言葉を聞いたミコは小走りで彼女の隣へ並ぶ。胸を張りどことなく自信ありげな姿は、さながら助手のようであった。
「治療の前に……その服、脱いでくれるかな?」
「……なぜ」
「そのまんまじゃあコレ、塗れないだろう」
そう言いながらサラは、管に入ったドロリと粘り気のある液体を手首で揺らす。
治療に必要だからと、シキは無理やり上半身の衣服を剥ぎ取られてしまった。
(まったく、だいぶ強引な医者だな……)
少し肌寒く感じ、シキは身をすぼめる。記憶のためなら致し方ないと諦めていたが、サラはお構いなしに液体を塗りたくり、さらにカラフルでキンキンに冷えた石を押さえつけてきた。
「なっ、なな、何をやっている??」
「何って、治療だけど」
「この子供がいたずらで考えた儀式みたいなのが本当に治療か!?」
思わずくしゃみが出てしまいそうな寒さと冷たさで、ついにシキは不機嫌になる。記憶が無いのも含め何か大掛かりな嘘に巻き込まれているのではないかと、周りの人間を疑いを持った目で睨んでいた。
だが、サラは至って真剣にシキの問いへ返答した。
「子供のいたずらとは酷い言われようだね。エーテルの流れから身体の悪い部分を探る、代表的な技法なんだけど」
エーテルの流れだ? 聞きなれない言葉がシキの頭に引っかかる。
意味を頭の中で処理しようとし、状況から近しいものを連想した。
「はぁ、血液をここではそのように呼ぶのか」
体内を流れると言えば血液ぐらいしか思いつかない。
頭の引き出しに残った知識を取り出すも、サラから返って来たのは予想もつかない答えであった。
「ん? いやいや、血液は血液、エーテルはエーテルだよ。あ、魔力って分からない? 体内から供給されて治癒や強化に使ったり、火とか水を出す時にも使うアレだよアレ」
人が、火や水を出す? シキは彼女の言っている事がまるで理解出来ず、記憶喪失の重大さを思い知らされる。
「はっ、何を馬鹿な。人がそんなもの出せる訳ないだろう。記憶喪失だからって適当な事を言って人で遊ぶな。…………本当に出るのか? 出ないよな??」
「あー……。エーテル関係の事もごっそり忘れちゃってるねこれ。早く取り戻さないと」
「出せるのか!?」
夢の様な出来事が、この世界では当たり前らしい。常識の外から現れた現象に頭を抱えて落ち込むシキ。その背後ではサラがカラフルな液体を宙へ浮かせ、縦横無尽に操りながらシキの身体をくまなく調べていた。
数十秒ほど落ち込んだシキは、突然バッとミコの方へと振り向く。
「っ??」
突然目を合わされちょっぴり驚くミコ。
シキは、まだ疑念は残っていると訴えるように問いかけた。
「ミコ、まさかお前も火を吹いたり水を吐き出したりしないよな……!?」
「そのような事は出来ませんが……」
ホッっと安心した。そのような超常現象がそうそうあってたまるか。
この部屋の中で一番普通っぽい等身大少女のミコを見て、シキは心の安定を図った。
しかしミコは両手で持っていたタオルを片手に持ち直すと、続けて言葉を口にする。
「風を少々操れますよ。それっ」
可愛らしい掛け声とともに指先をシキに向ける。すると、そよ風がシキのほほを触れて横髪を揺らした。
「…………は、はは。正気か?」
と言ってもお掃除やお洗濯ぐらいにしか使いませんけどね。とミコはフォローを入れたが、さらに落ち込み動揺するシキの耳には、ほんの僅かも届いていないようであった。
「サラ……、記憶を……頼む」
「その事なんだけど……」
ひねり出すような声でシキは懇願したが、それとは裏腹に彼女の表情は曇っていた。
「シキ。君はどうして、魔力が無いんだ……?」
恐ろしいものを見たかのように、それまでマイペースだったサラの顔がこわばった。
「魔力が無い、とは?」
「うーん……何というか、エーテルの形跡は感じるんだけど、どこを探してもその流れが見つからないんだよ」
サラとミコは不思議なものと遭遇した時のように、シキの顔を見つめる。
「そんな事って、あるのですか……?」
「何か問題があるのか?」
「問題も問題、大問題だよ。人は、いいや全ての生き物は、何かしらエーテルが流れているものなんだ。けど……君からはその流れが感じられない」
「流れが無いとどうなる……?」
「血液と一緒さ。血液の供給がない生き物は身体を動かす事が出来ないだろ? それはエーテルだって同じ。人の記憶はエーテルとして蓄積され、人の身体や心はエーテルによって整えられているんだよ」
サラは難しい顔で説明を続ける。
「エーテルの循環が無いって事は、知識や思考が全身へ届かなくなり、身体中の機能が動かなくなる。なのにシキ、君はエーテルが流れていないのにこうして私達と会話している。正直、私には何が起こっているのかさっぱりだ」
エーテルが流れていないという事。それはつまり死と同じであるとサラは言う。
しかしシキは現にここへ存在し、その言葉を聞いている。
シキは何と答えたらいいか分からず、言葉を失ってしまう。
宿屋の一室は、四人いるとは思えない静寂に包まれていた。
だがしばらくして、ミコはある事を思い出し、静まり返った空間へ声を発する。
「あの……エーテルの流れが分からないという事は、つまり治療は出来ないという事でしょうか?」
「ああ。外傷の方は既に塞がっているみたいだし……、私に出来る事はもう何もないね」
今さらそんな事を確認をして何が言いたい。シキはミコの不明瞭な発言を疑問に思った。おかしな奴と改めて言われているようで、いい気分ではなかった。だが、シキは今ここで重要であるはずのある話題をすっかり忘れていた。
「という事は、シキさんの記憶は戻せないのでしょうか……?」
……あ。
シキとサラは声を合わせて思い出す。
エーテルの流れが無い事、そしてそれが無いと生き物の定義に反するという事。
その事に躍起になっていた場の空気が一転する。
そもそも、何故エーテルを調べていたのか。そもそも、どうして治療が必要だったのか。
「……本当にどうにもならないのか」
「…………悪いね」
シキには記憶がない。取り戻す手段も白紙になった。
身体を支えていた力がすっと抜けていく。言葉にならない虚脱感が、じわじわとシキを心を蝕んでいく。
記憶が無ければ、エーテルと呼ばれるものすら持っていない存在。まるでこの世界にいてはならない、雑音のような存在だと世界から否定されている気さえした。
どうしようもない居心地の悪さを覚える。今ここでベッドに座っている事すらやめて、どこかへ逃げ出したくなる。嫌な汗が流れ始め、呼吸を整えるのもそろそろ限界を迎えそうだった。
落ち着きを与えるはずの宿屋の一室には、重い空気が張り詰めていた。その時だ。
「シキさん」
ミコの一言が、再び重苦しい沈黙へと響き渡る。
「落ち着くまで、ここでしばらくゆっくりしてください。宿泊費は取りませんから」
混乱するシキに、救いの手を差し伸べたのはミコだった。
突然の申し出に思わず顔を上げ、ミコの顔をまじまじと見つめる。
「いい……、のか?」
「もちろんです! 困っていたらお互い様ですよっ。そうだ、気分転換に外を歩いてみるのはいかがでしょう? 近くには商店街もありますし、何か思い出すきっかけになるかもしれませんよ」
心を覆うもやのような虚無感が、ゆっくりと引いていく気がした。
どこの誰とも分からない自分を、それでもと気に留め心配してくれる優しさ。そんな感情が、帰る場所も分からないシキに、小さな居場所を与えてくれていた。
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