あなたと再びの恋を

Saeko

文字の大きさ
上 下
5 / 27
第一章 婚約者からの冷遇

第四話 私と争って楽しいですか?2

しおりを挟む
背後から声がして振り返ろうとした瞬間、後ろから抱きしめられた。
んんん?? これ、デジャヴ感が半端ないんだけど・・・


――――なんで、僕は銀髪金眼のイケメン美丈夫に抱きしめられてるのかな? ――――


『アオイ?』

「・・・・・・って、誰!? 」

『我はヴァル。アオイに名をもらった神獣だ』

「はい? ヴァル? 本当に?? 」

『うむ。証拠に耳と尻尾はそのままだ』


そういうと指を差し『ほら、犬型の我と同じ手触りであろう?』と、僕の手をとり耳と尻尾に触れさせてくれた。


「・・・ほんとだ・・・。でも、どうして? 」

『森を出て移動するのであれば、獣人として動いた方が何かと面倒が減るのだ』

「どういうこと? 」

『我の大きさのまま森を出て移動してみよ。魔獣として討伐隊が組まれ、総攻撃してくるであろう』

「ヴァルを攻撃してくるってこと!? それは嫌だ!! 」

『まぁ、我が人間ひと如きに負けることはないが アオイを危険な目に合わせるのは本意ではない』

「じゃあ、僕の為に獣人化したってこと? 」

『そうだ。我は、アオイが見ているものも興味がある。もちろん、お主自身のこともな』


ヴァルは僕の見てるものに興味を示してくれてる。それって、すごく嬉しい。
でも、僕の目的は死に場所だ。

確か、契約者が命を落としたら 如何に神獣といえども無事ではいられないはず・・・
そんなことになっても、ヴァルは気にしないのかな。
いつか聞いてみたいな。そんな日が来るか怪しいけど・・・


「ねぇ、ヴァルのステータスってどうなってるの? 」

『我のステータスか。アオイには特別に開示してやろう』

「いいの?」

『構わぬ。が、我が許し認めた相手のみにしか開示はされん』

「僕に見せてくれるのって、ヴァルが僕に興味があるからだよね」

『それだけではないが、今は興味があるとだけ認識しておればよい』

「そっか・・・。うん、わかった」


それからヴァルが開示してくれたステータスは、どれも規格外すぎて正直 僕のキャパを大きく上回り数分は思考が停止した。

僕、こんな凄い神獣ヴァルと一緒に旅して目立たずにって無理だよね・・・
どうやっても目立つ。見た目もそうだけど、中身はもっと凄かった。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

三度目の嘘つき

豆狸
恋愛
「……本当に良かったのかい、エカテリナ。こんな嘘をついて……」 「……いいのよ。私に新しい相手が出来れば、周囲も殿下と男爵令嬢の仲を認めずにはいられなくなるわ」 なろう様でも公開中ですが、少し構成が違います。内容は同じです。

初めから離婚ありきの結婚ですよ

ひとみん
恋愛
シュルファ国の王女でもあった、私ベアトリス・シュルファが、ほぼ脅迫同然でアルンゼン国王に嫁いできたのが、半年前。 嫁いできたは良いが、宰相を筆頭に嫌がらせされるものの、やられっぱなしではないのが、私。 ようやく入手した離縁届を手に、反撃を開始するわよ! ご都合主義のザル設定ですが、どうぞ寛大なお心でお読み下さいマセ。

婚約破棄してくださって結構です

二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。 ※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています

王太子の愚行

よーこ
恋愛
学園に入学してきたばかりの男爵令嬢がいる。 彼女は何人もの高位貴族子息たちを誑かし、手玉にとっているという。 婚約者を男爵令嬢に奪われた伯爵令嬢から相談を受けた公爵令嬢アリアンヌは、このまま放ってはおけないと自分の婚約者である王太子に男爵令嬢のことを相談することにした。 さて、男爵令嬢をどうするか。 王太子の判断は?

[完結]裏切りの学園 〜親友・恋人・教師に葬られた学園マドンナの復讐

青空一夏
恋愛
 高校時代、完璧な優等生であった七瀬凛(ななせ りん)は、親友・恋人・教師による壮絶な裏切りにより、人生を徹底的に破壊された。  彼女の家族は死に追いやられ、彼女自身も冤罪を着せられた挙げ句、刑務所に送られる。 「何もかも失った……」そう思った彼女だったが、獄中である人物の助けを受け、地獄から這い上がる。  数年後、凛は名前も身分も変え、復讐のために社会に舞い戻るのだが…… ※全6話ぐらい。字数は一話あたり4000文字から5000文字です。

すれ違ってしまった恋

秋風 爽籟
恋愛
別れてから何年も経って大切だと気が付いた… それでも、いつか戻れると思っていた… でも現実は厳しく、すれ違ってばかり…

ある王国の王室の物語

朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。 顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。 それから 「承知しました」とだけ言った。 ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。 それからバウンドケーキに手を伸ばした。 カクヨムで公開したものに手を入れたものです。

さようなら、あなたとはもうお別れです

四季
恋愛
十八の誕生日、親から告げられたアセインという青年と婚約した。 幸せになれると思っていた。 そう夢みていたのだ。 しかし、婚約から三ヶ月ほどが経った頃、異変が起こり始める。

処理中です...