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第二章 決断と静養
第19話 悠介の怒りと翔太の処遇 4
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画面を見た俺は、全身から汗が吹き出した。
それは、俺が准子のマンションに直接届けた手紙そのものだったからだ。
「これは明らかに、よく報道等で見る、ストーカーが相手に送る文面そのものだな。それでも君は、ストーカー行為をしていないと言えるのか?」
と言って、部長は俺を睨みつけた。
終わったな
俺の人生、詰んだわ
そう思い、椅子に座ったままガックリと項垂れた俺の耳に、ドアをノックする音が聞こえ、部長が入室を許可する声が聞こえたが、俺は入室してきた人を見る事も、その人が部長と話す声も聞く事が出来なかった。
俺は終わりだ
俺は終わったんだ
こんなことになるなら、手紙なんて書かなければ良かった。
こんなことになるなら、准子を裏切らなければ良かった。
こんなことになるなら、未奈としなければ……
こんなことに…… こんなことに……
後悔の念に押し潰されそうになっていた俺の耳に、部長が俺を呼ぶ声が聞こえた。
「沢木君。これを読んで、署名と捺印をしなさい。」
見ればそれは、【念書】だった。
山下准子は、沢木翔太を許すことは無い。だが、以下の内容が守られるのであれば、ストーカー行為に被害届けは出さない。
1.二度と山下准子には近づかない。視界に入ることも許さない。
2.山下准子の生活圏内に入らない。
3.連絡を取らない(SNS上においても同様とする)。
4.手紙を出さない。
上記事項が守られなかったら即、ストーカー行為の証拠とし防犯カメラの映像と手紙を弁護士に提出し、警察に被害届けを出す事とする。
といった内容が書かれていた。
被害届けを出さないと書かれた文面を読んだ俺は、涙を隠せなかった。
准子
お前はなんて優しいんだ
ありがとう
マジでありがとう!
俺は心の中で准子に礼を言いながら、迷わず書類に署名捺印をし、部長にそれをお返しした。
受け取った部長は、その念書をじっくりとご覧になり、部長の近くに待っていた女性に手渡し乍、
「不備は見当たらないから大丈夫だ。これを山下さんに渡してくれるか?」
と聞いていた。
そのやり取りを聞いた俺は、(あぁ。准子はまだ社内にいて、念書の受け取りを待っているんだな。)と思った。
だから俺は、
「最後に山下さんに会って謝りたいのですが。」
と部長に願い出たが、
「何を馬鹿なことを言いよるんや?今自身で念書にサインしたばかりじゃろう」
と、部長が本当にキレた時に出ると言われている広島弁で怒られてしまった。
彼のその鬼のような剣幕にたじろいだ俺は、ただひたすら「ごめんなさい。ごめんなさい。」と頭を下げ続けた。
女性が、書類を持って部屋を出て行く音をを聞きながら、
そうだ
今俺は、念書にサインしたじゃないか。
でも…最後に准子に謝りたい。
そうだ!手紙を……
ダメだ!その事も念書にあったじゃないか……
准子…… ホントごめんな。マジで
でも准子が被害届け出さないって言ってくれたから、俺は懲戒免職にはならないぽい。
マジで助かった
ありがとう准子
俺は未奈と地元で頑張るから、お前はお前で頑張ってくれ
と心の中で呟いた。
それは、俺が准子のマンションに直接届けた手紙そのものだったからだ。
「これは明らかに、よく報道等で見る、ストーカーが相手に送る文面そのものだな。それでも君は、ストーカー行為をしていないと言えるのか?」
と言って、部長は俺を睨みつけた。
終わったな
俺の人生、詰んだわ
そう思い、椅子に座ったままガックリと項垂れた俺の耳に、ドアをノックする音が聞こえ、部長が入室を許可する声が聞こえたが、俺は入室してきた人を見る事も、その人が部長と話す声も聞く事が出来なかった。
俺は終わりだ
俺は終わったんだ
こんなことになるなら、手紙なんて書かなければ良かった。
こんなことになるなら、准子を裏切らなければ良かった。
こんなことになるなら、未奈としなければ……
こんなことに…… こんなことに……
後悔の念に押し潰されそうになっていた俺の耳に、部長が俺を呼ぶ声が聞こえた。
「沢木君。これを読んで、署名と捺印をしなさい。」
見ればそれは、【念書】だった。
山下准子は、沢木翔太を許すことは無い。だが、以下の内容が守られるのであれば、ストーカー行為に被害届けは出さない。
1.二度と山下准子には近づかない。視界に入ることも許さない。
2.山下准子の生活圏内に入らない。
3.連絡を取らない(SNS上においても同様とする)。
4.手紙を出さない。
上記事項が守られなかったら即、ストーカー行為の証拠とし防犯カメラの映像と手紙を弁護士に提出し、警察に被害届けを出す事とする。
といった内容が書かれていた。
被害届けを出さないと書かれた文面を読んだ俺は、涙を隠せなかった。
准子
お前はなんて優しいんだ
ありがとう
マジでありがとう!
俺は心の中で准子に礼を言いながら、迷わず書類に署名捺印をし、部長にそれをお返しした。
受け取った部長は、その念書をじっくりとご覧になり、部長の近くに待っていた女性に手渡し乍、
「不備は見当たらないから大丈夫だ。これを山下さんに渡してくれるか?」
と聞いていた。
そのやり取りを聞いた俺は、(あぁ。准子はまだ社内にいて、念書の受け取りを待っているんだな。)と思った。
だから俺は、
「最後に山下さんに会って謝りたいのですが。」
と部長に願い出たが、
「何を馬鹿なことを言いよるんや?今自身で念書にサインしたばかりじゃろう」
と、部長が本当にキレた時に出ると言われている広島弁で怒られてしまった。
彼のその鬼のような剣幕にたじろいだ俺は、ただひたすら「ごめんなさい。ごめんなさい。」と頭を下げ続けた。
女性が、書類を持って部屋を出て行く音をを聞きながら、
そうだ
今俺は、念書にサインしたじゃないか。
でも…最後に准子に謝りたい。
そうだ!手紙を……
ダメだ!その事も念書にあったじゃないか……
准子…… ホントごめんな。マジで
でも准子が被害届け出さないって言ってくれたから、俺は懲戒免職にはならないぽい。
マジで助かった
ありがとう准子
俺は未奈と地元で頑張るから、お前はお前で頑張ってくれ
と心の中で呟いた。
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