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第二章 決断と静養
第5話 ストーカーの恐怖(兄の推理とカメラの男)
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そして更に兄は言葉を続けた。
「しかもだ。今朝お前がポストから出したという手紙は郵送では無く、直にポストに入れられたんだろう。」
「え?」
「ほら、見てみろ。今日のだけ消印がない!」
そう言いながら、兄は机に置かれた封筒の切手部分をトンと指で叩いて指し示す。
「しかも、手紙の内容が今日のが1番強烈だ。」
その文面を改めて読む。
【准子。嬉しいよ。俺からの手紙がポストに無かったって事は全部読んでくれているんだね。また倒れてるんじゃないかと思って心配していたんだよ。准子に会えない理由が、入院とかじゃなくて良かった。君はこのマンションでちゃんと生きて、生活をしているんだね。安心したよ。
俺は君に会いたい。会って話したい事があるんだ。きっと話せば分かり合えると信じてる。
優しい准子。
この手紙を読んだって証拠を、今夜22時、俺だけに分かる方法で送ってきて欲しいんだ。
実は、准子のスマホにずっと電話をかけているんだ。
でも繋がらないんだ。
だから
070-€#☆*-ξδ❂✾
この番号にショートメールを送ってくれないか?
この番号は准子にしか教えていないんだ。准子は俺にとって特別だから、特別に教えたんだよ。
じゃ、今夜。
メッセージが来るのを楽しみにしてるよ。准子は優しいから、俺の望み、聞き入れてくれるよな。
待ってる。
准子へ Sより】
兄の言うとおり、この人は私の事を知っている。と、私は文面を読み終えて思った。
いつから?何処で?
何故私が倒れた事を知ってるの?
何故私のスマホの番号を知っているの?
特別って何?
恐怖が私の心を襲う。
怖い!
無意識に身体が震えだした。
そんな自分の身体を守る様にギュッと身体を抱き締めた私の肩をそっと抱き寄せてくれる兄。
「怖がらせてごめんな、准子。でも大事な事だから、もう少し耐えてくれるか?」
「う、ん。大丈夫。分かってるから。」
となんとか答える私に申し訳なさそうな顔をしながら、兄は加藤さんに話しかけた。
「加藤さん。消印の無い手紙が直接ポストに入れられた時間帯は分かりますか?」
と聞く兄の言葉を待っていたかのように、
「こちらをご覧下さい。」
と言って、加藤さんは録画されていた防犯カメラの映像を再生し始めた。
夜でも、マンションの入居の為に、人感センサーで明かりが点く電気のおかげで、とても明るいマンションのロビー。そのロビーの天井に付けられている防犯カメラは入口の方に向けられている。
そしてそのカメラに映ったのは、黒いパーカーのフードを被り、黒ズボン、黒マスクらしい物を身に付けた男。
時刻は深夜1:38。
男はカメラを一切気にする事無くマンションの集合ポストの前に立ち、私の部屋番号が書かれているらしい場所のポストを覗き込んでいた。
そして何かを確信したかのように頷き、肩に背負っていたデイパックを降ろし、そこから2通の白い長方形の物を取り出すと、その内の1通をポストに入れ、もう1通はその場でビリビリと破り、デイパックの中に戻していた。
画像を見ていた私は小さく「あ!」と声を出していた。
「しかもだ。今朝お前がポストから出したという手紙は郵送では無く、直にポストに入れられたんだろう。」
「え?」
「ほら、見てみろ。今日のだけ消印がない!」
そう言いながら、兄は机に置かれた封筒の切手部分をトンと指で叩いて指し示す。
「しかも、手紙の内容が今日のが1番強烈だ。」
その文面を改めて読む。
【准子。嬉しいよ。俺からの手紙がポストに無かったって事は全部読んでくれているんだね。また倒れてるんじゃないかと思って心配していたんだよ。准子に会えない理由が、入院とかじゃなくて良かった。君はこのマンションでちゃんと生きて、生活をしているんだね。安心したよ。
俺は君に会いたい。会って話したい事があるんだ。きっと話せば分かり合えると信じてる。
優しい准子。
この手紙を読んだって証拠を、今夜22時、俺だけに分かる方法で送ってきて欲しいんだ。
実は、准子のスマホにずっと電話をかけているんだ。
でも繋がらないんだ。
だから
070-€#☆*-ξδ❂✾
この番号にショートメールを送ってくれないか?
この番号は准子にしか教えていないんだ。准子は俺にとって特別だから、特別に教えたんだよ。
じゃ、今夜。
メッセージが来るのを楽しみにしてるよ。准子は優しいから、俺の望み、聞き入れてくれるよな。
待ってる。
准子へ Sより】
兄の言うとおり、この人は私の事を知っている。と、私は文面を読み終えて思った。
いつから?何処で?
何故私が倒れた事を知ってるの?
何故私のスマホの番号を知っているの?
特別って何?
恐怖が私の心を襲う。
怖い!
無意識に身体が震えだした。
そんな自分の身体を守る様にギュッと身体を抱き締めた私の肩をそっと抱き寄せてくれる兄。
「怖がらせてごめんな、准子。でも大事な事だから、もう少し耐えてくれるか?」
「う、ん。大丈夫。分かってるから。」
となんとか答える私に申し訳なさそうな顔をしながら、兄は加藤さんに話しかけた。
「加藤さん。消印の無い手紙が直接ポストに入れられた時間帯は分かりますか?」
と聞く兄の言葉を待っていたかのように、
「こちらをご覧下さい。」
と言って、加藤さんは録画されていた防犯カメラの映像を再生し始めた。
夜でも、マンションの入居の為に、人感センサーで明かりが点く電気のおかげで、とても明るいマンションのロビー。そのロビーの天井に付けられている防犯カメラは入口の方に向けられている。
そしてそのカメラに映ったのは、黒いパーカーのフードを被り、黒ズボン、黒マスクらしい物を身に付けた男。
時刻は深夜1:38。
男はカメラを一切気にする事無くマンションの集合ポストの前に立ち、私の部屋番号が書かれているらしい場所のポストを覗き込んでいた。
そして何かを確信したかのように頷き、肩に背負っていたデイパックを降ろし、そこから2通の白い長方形の物を取り出すと、その内の1通をポストに入れ、もう1通はその場でビリビリと破り、デイパックの中に戻していた。
画像を見ていた私は小さく「あ!」と声を出していた。
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