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第二章 決断と静養
第2話 ストーカーの恐怖(新たな手口)
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私が考えた、生活の行動パターンを変える作戦の結果は上々だった。
私の一日のルーティンは、朝起きてご飯を食べ、洗濯機を回しておくと図書館が開く時刻丁度に着くように家を出る。
勿論加藤さんに声をかけてから。偶に彼が管理人室にいない時は、彼のスマホに『出かけて来ます。いつもの時刻には戻ります。』とメッセージを送ってから出るようにしている。
図書館では、本を読んだりDVDを見たりして有意義な時間を過ごし、商店街が賑わい始めるお昼時に到着し、必要の物だけ買い物をしてからマンションに帰る。
マンションに帰ると、ネットで買ったハンガーラックで洗い終わった洗濯物を干し、布団乾燥機で布団をふかふかにする。(別に布団は毎日乾燥機にかけなくてもいいんだけど、アノふかふかを1回体験したらくせになっちゃったのよね。)
それからもう1つ。
カーテンを締め切って生活するのを止めた。
私の部屋は7階建てマンションの5階で、東南の角部屋だ。角部屋だから寝室にしてある部屋の東面には出窓があるのだが、私が住むマンションの東隣に5階建てのマンションがある。そのマンションの西側は壁になっている為、外から覗かれる事はない。という理由で、風通しの為に昼間はその窓を開けて過ごし、夜は部屋の明かり漏れ防止でぶ厚い遮光カーテンを閉めスタンドライトだけ点けるようにしているのだ。
また、南面のベランダに出ることが出来る掃き出し窓は、リビングの方も また寝室の方も、昼間は遮光カーテンを開け、レースのカーテンの下半分だけ(ベランダで隠れる部分だけ)開けて太陽光を取り込むが窓は開けない。夜は全てのカーテンを閉め、リビングの電気は点けずダイニングテーブルをキッチンの電気が届くところへと移動してあり、日が暮れてからの殆どはそこで過ごしている。
そんな感じで休みを満喫していたある日、ルーティンの図書館へ行こうとエントランスに出る前に、郵便ポストをチェックをすると、宛名がコンピュータで印字されており、差出人名が書かれていない白い封筒を見つけた。
誰からだろう?と封を切って中身を広げたその途端。目に飛び込んで来た封筒と同じパソコンで書かれたであろう文字に、私はその場でよろめいた。
激しい震えが起き、目の前が真っ暗になるあの感覚が襲ってきた。
「倒れる!」
そう思ったその時、私の様子に気付いた加藤さんが走ってくるのが横目で見えた。
私はそこで意識を失った。
*☼*―――――*☼*―――――*☼*
目が覚めるとそこは管理人室だった。
「気が付きましたか?」
寝ている私に、優しい声色で話しかけてくれる加藤さん。
「あの……私は……。」
「何処か痛いところはありませんか?倒れる前に受け止めたので大丈夫かと思いましたが。」
痛いところ……倒れる……。そうだ!!
私、また倒れたんだ。
「山下さんが意識を失った原因はコレですね?申し訳ありませんが、中身、読ませて頂きました。」
と封筒を見せてくれた加藤さんの顔が歪んでいる。
「どうやらあの奴さん。山下さんをつけ回せなくなったから、新たな手口で来たんでしょうね。」
「新たな手口……。」
私が生活パターンを変えた事で、ストーキング出来なくなったからだろうか。
手紙を送り付けて来る様にしたのかもしれない。
『山下准子様
貴女の姿を商店街で見られなくなって、僕はとても寂しいです。
それに、毎晩マンションの貴女の部屋の明かりが点くのをずっと待っているのに、なかなか部屋の明かりが点かないから、僕はとても心配しています。
大丈夫ですか?病気で倒れて何処かで入院されているとかですか?
もしそうなら、早く退院してまた元気で可愛い姿を見せて下さい。
貴女を愛する男より』
「手紙の内容から察すると、山下さんの部屋番号を知っていて、毎晩マンションを見張っている様ですね。僕も一応毎日時間を決めてマンション周辺を見回っていますが、怪しい男を見てはいないので、もしかしたら違うところから見ているのかもしれません。これからこの様に差出人不明の手紙が届いた時は、先ず僕に見せて下さい。決して封を開けてはいけませんよ。」
加藤さんはそう私に言い聞かせる様に言うと、「封筒は僕が保管します。」と言って、奥のプライベートルームへとはいっていった
私の一日のルーティンは、朝起きてご飯を食べ、洗濯機を回しておくと図書館が開く時刻丁度に着くように家を出る。
勿論加藤さんに声をかけてから。偶に彼が管理人室にいない時は、彼のスマホに『出かけて来ます。いつもの時刻には戻ります。』とメッセージを送ってから出るようにしている。
図書館では、本を読んだりDVDを見たりして有意義な時間を過ごし、商店街が賑わい始めるお昼時に到着し、必要の物だけ買い物をしてからマンションに帰る。
マンションに帰ると、ネットで買ったハンガーラックで洗い終わった洗濯物を干し、布団乾燥機で布団をふかふかにする。(別に布団は毎日乾燥機にかけなくてもいいんだけど、アノふかふかを1回体験したらくせになっちゃったのよね。)
それからもう1つ。
カーテンを締め切って生活するのを止めた。
私の部屋は7階建てマンションの5階で、東南の角部屋だ。角部屋だから寝室にしてある部屋の東面には出窓があるのだが、私が住むマンションの東隣に5階建てのマンションがある。そのマンションの西側は壁になっている為、外から覗かれる事はない。という理由で、風通しの為に昼間はその窓を開けて過ごし、夜は部屋の明かり漏れ防止でぶ厚い遮光カーテンを閉めスタンドライトだけ点けるようにしているのだ。
また、南面のベランダに出ることが出来る掃き出し窓は、リビングの方も また寝室の方も、昼間は遮光カーテンを開け、レースのカーテンの下半分だけ(ベランダで隠れる部分だけ)開けて太陽光を取り込むが窓は開けない。夜は全てのカーテンを閉め、リビングの電気は点けずダイニングテーブルをキッチンの電気が届くところへと移動してあり、日が暮れてからの殆どはそこで過ごしている。
そんな感じで休みを満喫していたある日、ルーティンの図書館へ行こうとエントランスに出る前に、郵便ポストをチェックをすると、宛名がコンピュータで印字されており、差出人名が書かれていない白い封筒を見つけた。
誰からだろう?と封を切って中身を広げたその途端。目に飛び込んで来た封筒と同じパソコンで書かれたであろう文字に、私はその場でよろめいた。
激しい震えが起き、目の前が真っ暗になるあの感覚が襲ってきた。
「倒れる!」
そう思ったその時、私の様子に気付いた加藤さんが走ってくるのが横目で見えた。
私はそこで意識を失った。
*☼*―――――*☼*―――――*☼*
目が覚めるとそこは管理人室だった。
「気が付きましたか?」
寝ている私に、優しい声色で話しかけてくれる加藤さん。
「あの……私は……。」
「何処か痛いところはありませんか?倒れる前に受け止めたので大丈夫かと思いましたが。」
痛いところ……倒れる……。そうだ!!
私、また倒れたんだ。
「山下さんが意識を失った原因はコレですね?申し訳ありませんが、中身、読ませて頂きました。」
と封筒を見せてくれた加藤さんの顔が歪んでいる。
「どうやらあの奴さん。山下さんをつけ回せなくなったから、新たな手口で来たんでしょうね。」
「新たな手口……。」
私が生活パターンを変えた事で、ストーキング出来なくなったからだろうか。
手紙を送り付けて来る様にしたのかもしれない。
『山下准子様
貴女の姿を商店街で見られなくなって、僕はとても寂しいです。
それに、毎晩マンションの貴女の部屋の明かりが点くのをずっと待っているのに、なかなか部屋の明かりが点かないから、僕はとても心配しています。
大丈夫ですか?病気で倒れて何処かで入院されているとかですか?
もしそうなら、早く退院してまた元気で可愛い姿を見せて下さい。
貴女を愛する男より』
「手紙の内容から察すると、山下さんの部屋番号を知っていて、毎晩マンションを見張っている様ですね。僕も一応毎日時間を決めてマンション周辺を見回っていますが、怪しい男を見てはいないので、もしかしたら違うところから見ているのかもしれません。これからこの様に差出人不明の手紙が届いた時は、先ず僕に見せて下さい。決して封を開けてはいけませんよ。」
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