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第一章 理不尽
第15話 自分勝手な人々 4(広澤凛子の場合 1)
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「こんな資料を渡しおって!会議で恥をかいてしまったでは無いか!!」
SPA商事の専務室から今日も怒声が響いてくる。
わたくし 広澤凛子は今、唾を飛ばしながらお怒りになっている鈴木専務の前で頭を下げている真っ最中ですわ。
「申し訳ごさいません、専務。ですが、山下さんが…「ん?山下君のせいなのか?」は、はい!彼女が……」
「ばっかもーん!!」
「ヒィ!」
「山下君はずっと休んでおるだろうが!!」
「ハィ~!!」
投げ付けられた書類を拾うと、専務室をあとにしたわたくしは、秘書室へ戻ったの。
「もぉ!何なのよ!!」
専務から投げ付けられた書類をデスクに叩きつけて怒りを顕にすると、他の秘書達から次々と目を逸らされてしまったわ。
ドカッと椅子に座って
「山下さん!珈琲入れてきて頂戴!」
と出来損ないの彼女に指示を出してから気がついたわ。
そうだったわ。彼女はいないのよね。
わたくしは秘書室の面々が座る方に顔を向けると、
「ねぇ。誰か珈琲入れてきて頂戴。」
とそこにいる秘書達に言ってみるも、
「すみません、此方の書類を常務に届けないとなので。」
とか、
「私は次の会議の準備が。」
「あ!私も手伝います。」
「私も行きます!」
とか言って、全員そそくさと秘書室から出ていったの。
はぁ?先輩のわたくしが頼んだのに何?全く!使えない子達だわね。
てゆーか大体何なのよ!この書類の何処が悪いっていうわけ?専務が寄越したデータと指示が悪かっただけで、わたくしの書類は少しも悪くないわ。それなのに専務ってば。ご自分のことは棚に上げて、あんなに怒る事ないじゃないのよ!!
そもそも山下さんが悪いのよ。アレくらいの事で会社を休むとか。
「全く!近頃の若い子は根性が無いわね!」
仕方なくロビーの自販機で珈琲を買ってこようと思って、お財布をバッグから取り出したところで、わたくしのデスクにある電話のディスプレイに、副社長室の内線番号が表示されたの。
わたくしは急いで呼吸を整えて、
「はい!秘書室広澤でございます。」
と上品に電話に出たわ。
案の定電話の主は、副社長付きの第1秘書の手塚課長だったわ。
「課長?わたくしに何か御用でしょうか?」
とお聞きしたら、
「専務がこれから伺う会社への手土産がまだ届かないと仰ってます。至急お持ち下さい。では。」
と一方的に電話を切ってしまわれたの。
「え?手土産?そういえば、14:00から江藤商事に行くって……。ふん!手土産なんてそんなの下のコンビニで適当に買っちゃえば良いわよね。ついでに珈琲も買ってこよ~っと。流石わたくしね。」
そう言って、ルンルン気分でコンビニへ入ったわたくしは、コンビニにあった贈答用のクッキーと自分の珈琲とお気に入りのスイーツも一緒に買い領収書を切って貰うと、専務室に急いで向かったの。
SPA商事の専務室から今日も怒声が響いてくる。
わたくし 広澤凛子は今、唾を飛ばしながらお怒りになっている鈴木専務の前で頭を下げている真っ最中ですわ。
「申し訳ごさいません、専務。ですが、山下さんが…「ん?山下君のせいなのか?」は、はい!彼女が……」
「ばっかもーん!!」
「ヒィ!」
「山下君はずっと休んでおるだろうが!!」
「ハィ~!!」
投げ付けられた書類を拾うと、専務室をあとにしたわたくしは、秘書室へ戻ったの。
「もぉ!何なのよ!!」
専務から投げ付けられた書類をデスクに叩きつけて怒りを顕にすると、他の秘書達から次々と目を逸らされてしまったわ。
ドカッと椅子に座って
「山下さん!珈琲入れてきて頂戴!」
と出来損ないの彼女に指示を出してから気がついたわ。
そうだったわ。彼女はいないのよね。
わたくしは秘書室の面々が座る方に顔を向けると、
「ねぇ。誰か珈琲入れてきて頂戴。」
とそこにいる秘書達に言ってみるも、
「すみません、此方の書類を常務に届けないとなので。」
とか、
「私は次の会議の準備が。」
「あ!私も手伝います。」
「私も行きます!」
とか言って、全員そそくさと秘書室から出ていったの。
はぁ?先輩のわたくしが頼んだのに何?全く!使えない子達だわね。
てゆーか大体何なのよ!この書類の何処が悪いっていうわけ?専務が寄越したデータと指示が悪かっただけで、わたくしの書類は少しも悪くないわ。それなのに専務ってば。ご自分のことは棚に上げて、あんなに怒る事ないじゃないのよ!!
そもそも山下さんが悪いのよ。アレくらいの事で会社を休むとか。
「全く!近頃の若い子は根性が無いわね!」
仕方なくロビーの自販機で珈琲を買ってこようと思って、お財布をバッグから取り出したところで、わたくしのデスクにある電話のディスプレイに、副社長室の内線番号が表示されたの。
わたくしは急いで呼吸を整えて、
「はい!秘書室広澤でございます。」
と上品に電話に出たわ。
案の定電話の主は、副社長付きの第1秘書の手塚課長だったわ。
「課長?わたくしに何か御用でしょうか?」
とお聞きしたら、
「専務がこれから伺う会社への手土産がまだ届かないと仰ってます。至急お持ち下さい。では。」
と一方的に電話を切ってしまわれたの。
「え?手土産?そういえば、14:00から江藤商事に行くって……。ふん!手土産なんてそんなの下のコンビニで適当に買っちゃえば良いわよね。ついでに珈琲も買ってこよ~っと。流石わたくしね。」
そう言って、ルンルン気分でコンビニへ入ったわたくしは、コンビニにあった贈答用のクッキーと自分の珈琲とお気に入りのスイーツも一緒に買い領収書を切って貰うと、専務室に急いで向かったの。
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