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第一章 理不尽
第3話 発覚
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「はぁ……やっと終わったわ。もう7時じゃない。あとは、データをUSBに入れて……ロックかけてっと……。」
ここまでやり終えた途端お腹の虫がなきだした。
スマホとUSBをバッグに入れ、他の私物がちゃんと入っているか?を確認すると、
「帰ろ。疲れちゃって何にも作る気にはなれないわね。スーパーでお惣菜でも買おう。」
そう言ってデスクの電気を消した。
そして、秘書室に鍵をかけセキュリティをONにし、エレベーターで1階まで下りた。
チーン
エレベーターのドアが開き、足を1歩踏み出した時、男女の話し声が聞こえてきた。
私は咄嗟に観葉植物の後ろに隠れ、様子を伺う事にした。
男は女と正面から向かい合った状態で女の腰を抱き寄せている。
「ねぇ…彼女いるんでしょ?私とこんな事してて良いの?」
「良いのいいの。あいつは何にも言わないからさ。准子のジュンは従順のジュンの間違いじゃないか?ってくらい、俺に従順なんだからな。」
「もぅ~。そんな事言って~。」
「大丈夫大丈夫。それより早く行こうぜ!」
「う、うん……でも…彼女に見つかって怒られても知らないからね。」
「大丈夫だって。そうだ!今から行くイタリアンが入ってるホテルだけどさ。スイート取ったから、朝までずっと一緒だぞ。」
「え?スイート?ホント?未奈一回スイートルームに泊まってみたかったんだ~。」
「だろ?明日の朝はルームサービス頼もうぜ。さぁ行こう、未奈ちゃん。」
「うん!行こっか翔太君。」
肩を寄せ合い社屋を出ていく2人を見送る私。
翔太君と呼ばれた男は、営業課のホープと呼ばれる沢木 翔太(28歳)。翔太は私の彼氏だ。
そして未奈ちゃんはというと、今年入社一年目で、翔太のサポートをしている新村未奈(22歳)の事だろう。
たしか新村未奈は、エロ狸の遠い親戚の子で、縁故入社をしたと聞いている。
翔太はよく、ドジな未奈の愚痴を私にこぼしていたのだが、私が知らない内にそんな関係になっていたとは……。
辛かった。
秘書課での嫌がらせに耐える毎日の中で、頑張る気力を支えてくれていたのは翔太の存在だったのに……。
「泣くな!泣いたら負けだよ?准子。」
私は重い足を引きずって、何処へも寄らず一人暮らしのマンションへと帰った。
そして、そのままベッドへと倒れ込み、悔しさと虚しさから枕に顔を埋めた状態で、声を上げて泣いた。
ここまでやり終えた途端お腹の虫がなきだした。
スマホとUSBをバッグに入れ、他の私物がちゃんと入っているか?を確認すると、
「帰ろ。疲れちゃって何にも作る気にはなれないわね。スーパーでお惣菜でも買おう。」
そう言ってデスクの電気を消した。
そして、秘書室に鍵をかけセキュリティをONにし、エレベーターで1階まで下りた。
チーン
エレベーターのドアが開き、足を1歩踏み出した時、男女の話し声が聞こえてきた。
私は咄嗟に観葉植物の後ろに隠れ、様子を伺う事にした。
男は女と正面から向かい合った状態で女の腰を抱き寄せている。
「ねぇ…彼女いるんでしょ?私とこんな事してて良いの?」
「良いのいいの。あいつは何にも言わないからさ。准子のジュンは従順のジュンの間違いじゃないか?ってくらい、俺に従順なんだからな。」
「もぅ~。そんな事言って~。」
「大丈夫大丈夫。それより早く行こうぜ!」
「う、うん……でも…彼女に見つかって怒られても知らないからね。」
「大丈夫だって。そうだ!今から行くイタリアンが入ってるホテルだけどさ。スイート取ったから、朝までずっと一緒だぞ。」
「え?スイート?ホント?未奈一回スイートルームに泊まってみたかったんだ~。」
「だろ?明日の朝はルームサービス頼もうぜ。さぁ行こう、未奈ちゃん。」
「うん!行こっか翔太君。」
肩を寄せ合い社屋を出ていく2人を見送る私。
翔太君と呼ばれた男は、営業課のホープと呼ばれる沢木 翔太(28歳)。翔太は私の彼氏だ。
そして未奈ちゃんはというと、今年入社一年目で、翔太のサポートをしている新村未奈(22歳)の事だろう。
たしか新村未奈は、エロ狸の遠い親戚の子で、縁故入社をしたと聞いている。
翔太はよく、ドジな未奈の愚痴を私にこぼしていたのだが、私が知らない内にそんな関係になっていたとは……。
辛かった。
秘書課での嫌がらせに耐える毎日の中で、頑張る気力を支えてくれていたのは翔太の存在だったのに……。
「泣くな!泣いたら負けだよ?准子。」
私は重い足を引きずって、何処へも寄らず一人暮らしのマンションへと帰った。
そして、そのままベッドへと倒れ込み、悔しさと虚しさから枕に顔を埋めた状態で、声を上げて泣いた。
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