海より深い隠れ御曹司の溺愛

Saeko

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第一章 理不尽

第1話 嫌がらせ

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「なんだ?その目は!仕事も出来ない出来損ないのくせに!」
と、私 山下 准子やました じゅんこ(26歳)に向かい唾を飛ばして罵る目の前の男は、第2秘書をしている私の上司でもあり、会社-SPA商事株式会社-専務の鈴木 孝広すずき たかひろ(55歳)通称エロ狸だ。

何故今、私がエロ狸に絡まれているのかというと、私が作った書類に不備があったせいだ。
だが、不備があった事を知ったのはたった今。

先輩秘書に頼まれたとおりに作成したと思っていたが、元々足りないままの資料を渡されたのか?プリントアウトした時に、抜き取られたのか?
まぁ後者はない。何故ならプリントアウトされた時、ちゃんと枚数を数えたから。
恐らくだが、最初からページを脱落させた状態で渡してきたと思われる。

こんな嫌がらせを受けるのは、実は今回が初めてでは無い。
シュレッダーのゴミを片付けようとしていると、態とそれを蹴倒してゴミを散乱させたり、常務お気に入りの珈琲の銘柄が入った瓶の中身を入れ替えてあったり、大会議室の準備をたった1人でやらされた事もある。

何故私が嫌がらせを受けているのか?と言うと、私は、この会社の副社長安東 竜也あんどう りゅうやさん(29歳)の大学時代の後輩で、私は竜也先輩に声をかけられて入社したからだ。

竜也先輩は、184cmもある高身長。中学の頃から続けていると言っていたテニスサークルに所属していた為、脱いだら凄いんです(多分)の細マッチョで、顔は某携帯会社の鬼ちゃん役をさている俳優さん似のイケメンなので、とても人気があるのだ。
そんな竜也副社長に可愛がられている私を気に入らない秘書課の先輩からの嫌がらせは後が絶たないのだ。

くどくどとお説教をされていると、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「お話中失礼致します、専務。広澤ひろさわです。」
「おぉ、広澤君か。入りたまえ。」
「失礼致します。」

一礼をして入って来られたのは、先輩秘書の広澤凜子りんこ先輩(34歳)。
広澤先輩の服装は、いつもミニスカートで大きなお胸を強調するかの様なタイトなデザインのスーツを着ている。
化粧もネイルもバッチリで、その爪でどうやったらタイピング出来るのか不思議に思うくらい長い付け爪をしている。
緩くパーマをかけた長い髪の毛をかきあげながら鞭でも持たせたら、その世界の『女王様』になれるだろう。

「専務。山下さんが申し訳ございませんでしたわ。わたくしの教育が足りないばっかりに……。此方がわたくしが作成致しました完璧・・な書類ですわ。」
そう言ってエロ狸が座る机の隣り迄進むと、少しだけ腰を折って書類を渡す広澤先輩。

そうすると専務の目の前には、先輩の大きなお胸がバーンと入るのだ。まさに計算されたその行動に半ば呆れてしまう。

エロ狸はそんな広澤先輩の胸に視線をロックオンしたままデレ~っと鼻の下を伸ばしながら、
「おぉ!流石は広澤君だな。資料も完璧だ。それに比べ山下君ときたら…。一体何年勤めたら書類を作れる様になるんだね?もっと広澤君を見習って精進すべきだろう。」
「申し訳ございません。」
怒りたくなる気持ちをグッと堪え、只管ひたすら頭を下げる私に、
「もういいから下がりなさい!」
とエロ狸の声が頭上から降ってきた。
「申し訳ございませんでした。失礼致します。」
とだけ言葉を発すると、私は専務室を後にしたんだ。


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