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第三章 逆行~中学 高校~
第七章 シェルタールーム
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「この家には、中二階や屋根裏部屋があるのは知っているだろう?」
「勿論です、旦那様。」
「そこを改造して、シェルタールームにしようと思っているんだ。」
「シェルタールーム…でございますか。何故そのようなものを?」
「近年、地震や風水害等で、家屋に甚大な被害が出ているだろ?我が家には、代々伝わる歴史的な所蔵品が多数ある。それ等を災害から守りたいと思ってね。」
今、香住家では慎也と執事の三枝がシェルタールームについて話をしている最中だ。
シェルタールームとは風水害等の自然災害やあってはならないが核ミサイルからも守れる部屋というのが売り文句の部屋の事なのだが、姫菜子が提案したものとは趣向が違うものになりそうな予感がする。
姫菜子としては、将来香住家に押しかけ、姫菜子から何もかも奪い取る陽子対策として、金目のものを隠しておく部屋というか、大きな金庫みたいな物をを作りたいという単純なものだった。が、先日ハワイに行った時、香住家の別荘で、旭陽達と一緒に『パニックルーム』という映画を見た。
その時、これを屋敷に作れば陽子に宝石やドレス等を奪われずに済むのでは?と姫菜子は考えたのだ。
ただ、旧華族の歴史を持つ香住家の屋敷は、歴史的価値のある物が多数残っている為、鹿鳴館を模した外観の建物ではあるが、割とセキュリティがしっかりしている。
何かあれば直ぐに警備会社がすっ飛んでくる様な家だから、それ等を守る為のシェルタールームは正直あまり必要性を感じないのだ。
だから姫菜子は考えた。
どうしたら慎也が納得するか否かを。
考えた結果。
災害に強いセキュリティが万全なシェルタールームを作ろう。
そうすれば、大切な物を全部災害から守ることが出来ますよ。と提案する事にしたのだ。
案の定。先祖代々の所蔵品に並々ならぬ思いを持っている慎也は、二つ返事で快諾した。
で、冒頭に戻るというわけだ。
慎也と三枝の話し合いの結果。
シェルタールームは、2階の屋根裏全面を使用して作られる事になったようで、早速業者を手配し、見積もり金額に納得がいけば、作業に入る事になった。
その日の夕食時。
慎也はニコニコしながら、
「姫菜。とても素敵な提案をありがとう。」
と姫菜子に礼を述べた。
「ね?パパ。ママの宝石とか、私が大きくなったら着てねって言われてるママのドレスとかお着物とかも、そのお部屋に一緒に入れてもいい?私にとっては大事な宝物なの。」
「あぁそうだね。ママの持ち物はとてもいい物だったからね。姫菜にとってもパパにとっても、ママのは全部宝物だ。だから大事にしまっておこうね。」
「うん!ありがと、パパ。」
それから二人は、菜摘美の思い出話に花を咲かせ、それは夕飯が終わって、慎也の寝室のベッドに移動してまでも続いた。
慎也はベッドの上で胡座をかき、そこに姫菜子を座らせ、アルバムを姫菜子に持たせた。
一枚一枚写真を指し示しながら、この時はー この写真はー と姫菜子に話して聞かせた。
軈て話しながらうとうとと船を漕ぎ出した姫菜子が、慎也の胸にもたれて寝てしまうと、慎也はそっとベッドに寝かし優しく布団をかけてやる。
そして慎也も姫菜子の横で一緒に眠った。
数年後、この平和な時間が崩される日が来るとは思いもよらずに。
「勿論です、旦那様。」
「そこを改造して、シェルタールームにしようと思っているんだ。」
「シェルタールーム…でございますか。何故そのようなものを?」
「近年、地震や風水害等で、家屋に甚大な被害が出ているだろ?我が家には、代々伝わる歴史的な所蔵品が多数ある。それ等を災害から守りたいと思ってね。」
今、香住家では慎也と執事の三枝がシェルタールームについて話をしている最中だ。
シェルタールームとは風水害等の自然災害やあってはならないが核ミサイルからも守れる部屋というのが売り文句の部屋の事なのだが、姫菜子が提案したものとは趣向が違うものになりそうな予感がする。
姫菜子としては、将来香住家に押しかけ、姫菜子から何もかも奪い取る陽子対策として、金目のものを隠しておく部屋というか、大きな金庫みたいな物をを作りたいという単純なものだった。が、先日ハワイに行った時、香住家の別荘で、旭陽達と一緒に『パニックルーム』という映画を見た。
その時、これを屋敷に作れば陽子に宝石やドレス等を奪われずに済むのでは?と姫菜子は考えたのだ。
ただ、旧華族の歴史を持つ香住家の屋敷は、歴史的価値のある物が多数残っている為、鹿鳴館を模した外観の建物ではあるが、割とセキュリティがしっかりしている。
何かあれば直ぐに警備会社がすっ飛んでくる様な家だから、それ等を守る為のシェルタールームは正直あまり必要性を感じないのだ。
だから姫菜子は考えた。
どうしたら慎也が納得するか否かを。
考えた結果。
災害に強いセキュリティが万全なシェルタールームを作ろう。
そうすれば、大切な物を全部災害から守ることが出来ますよ。と提案する事にしたのだ。
案の定。先祖代々の所蔵品に並々ならぬ思いを持っている慎也は、二つ返事で快諾した。
で、冒頭に戻るというわけだ。
慎也と三枝の話し合いの結果。
シェルタールームは、2階の屋根裏全面を使用して作られる事になったようで、早速業者を手配し、見積もり金額に納得がいけば、作業に入る事になった。
その日の夕食時。
慎也はニコニコしながら、
「姫菜。とても素敵な提案をありがとう。」
と姫菜子に礼を述べた。
「ね?パパ。ママの宝石とか、私が大きくなったら着てねって言われてるママのドレスとかお着物とかも、そのお部屋に一緒に入れてもいい?私にとっては大事な宝物なの。」
「あぁそうだね。ママの持ち物はとてもいい物だったからね。姫菜にとってもパパにとっても、ママのは全部宝物だ。だから大事にしまっておこうね。」
「うん!ありがと、パパ。」
それから二人は、菜摘美の思い出話に花を咲かせ、それは夕飯が終わって、慎也の寝室のベッドに移動してまでも続いた。
慎也はベッドの上で胡座をかき、そこに姫菜子を座らせ、アルバムを姫菜子に持たせた。
一枚一枚写真を指し示しながら、この時はー この写真はー と姫菜子に話して聞かせた。
軈て話しながらうとうとと船を漕ぎ出した姫菜子が、慎也の胸にもたれて寝てしまうと、慎也はそっとベッドに寝かし優しく布団をかけてやる。
そして慎也も姫菜子の横で一緒に眠った。
数年後、この平和な時間が崩される日が来るとは思いもよらずに。
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