20 / 56
第三章 逆行~中学 高校~
第四話 順調な経過
しおりを挟む
あれから何度か祥太郎は初等部へ押しかけて来たらしいが、姫菜子は祥太郎に見つかる事無く下校に成功していた為、理由を追求される事は無かった。
また祥太郎は、香住家にも訪ねてきたが、その度に執事の三枝がお引取りを願った為、姫菜子に会うことが出来なかった。
祥太郎は、仕方なく姫菜子にメールをしてみる事にした。
だが、いつも姫菜子から送られてくるものに返事を送るだけで、初めて自分から送るという事実に気付いた祥太郎は、何をどう切り出したらいいのか分からず、文字を打っては消し打っては消している為、なかなか送信する事が出来ない。
(何してんだ?俺は。たかがメールじゃないか。要件を書いて送るだけだろ。何を躊躇してるんだ?)
そう思いパパパッと文字を打ち込むと、メールを送信した。が、直ぐに宛先不明で戻ってきてしまったのだ。
「はぁ?何だって?宛先不明?」
祥太郎は愕然とした。
まさか自身が姫菜子から拒否られているとは思いもしなかった。
「巫山戯るな!」
スマホをクッションに投げ付けると、祥太郎はベッドにひっくり返った。
このままでは、姫菜子と何も話せない内に姫菜子は学園から去って行く。
これでは自身が計画した事が叶わなくなってしまう。
だが、いくら考えをめぐらしても、いい方法が見つからない。
「くっそ~!!」
祥太郎は、ガバッと起き上がると、投げ付けたスマホを取り、PTSDについて調べてみる事にした。
いつか時間が姫菜子の症状を緩和してくれるのでは?という一縷の望みに縋る様に。
゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚
一方姫菜子はというと、ハワイで友人達とチャット中だった。
あと数日で学園を卒業出来る事。
何日にはそっちに着く事。
そしたら何をしようか?何処に行こうか?等と楽しげだ。
チャットは勿論英語だ。随分上手になった姫菜子の英語を皆が褒めてくれ、姫菜子は嬉しくてたまらない。
このまま順調に行けば、前の生とは違う人生を歩めると思うと、目の前が薔薇色に染まって見えた。
だが、同時に気を引き締めていかなくてはとも思う。
第一目標であった【学園で友達は作らない。】
第二目標の【祥太郎とも疎遠になる。】
はほぼ完了と言えるだろう。
だが、一番やらなくてはならない事がまだ手付かずの状態だからだ、
(ハワイから帰ってきたら、父様に頼んでこの忍者屋敷の様な構造を活かした隠し部屋を作って頂かなくてはね。どんな方法で父様を納得させたらいいかしら?ハワイに行ったら、旭陽の母に相談してみましょう。きっと良い案を頂けるわよね。)
姫菜子はチャットをしながら、そんな事を考えていた。
また祥太郎は、香住家にも訪ねてきたが、その度に執事の三枝がお引取りを願った為、姫菜子に会うことが出来なかった。
祥太郎は、仕方なく姫菜子にメールをしてみる事にした。
だが、いつも姫菜子から送られてくるものに返事を送るだけで、初めて自分から送るという事実に気付いた祥太郎は、何をどう切り出したらいいのか分からず、文字を打っては消し打っては消している為、なかなか送信する事が出来ない。
(何してんだ?俺は。たかがメールじゃないか。要件を書いて送るだけだろ。何を躊躇してるんだ?)
そう思いパパパッと文字を打ち込むと、メールを送信した。が、直ぐに宛先不明で戻ってきてしまったのだ。
「はぁ?何だって?宛先不明?」
祥太郎は愕然とした。
まさか自身が姫菜子から拒否られているとは思いもしなかった。
「巫山戯るな!」
スマホをクッションに投げ付けると、祥太郎はベッドにひっくり返った。
このままでは、姫菜子と何も話せない内に姫菜子は学園から去って行く。
これでは自身が計画した事が叶わなくなってしまう。
だが、いくら考えをめぐらしても、いい方法が見つからない。
「くっそ~!!」
祥太郎は、ガバッと起き上がると、投げ付けたスマホを取り、PTSDについて調べてみる事にした。
いつか時間が姫菜子の症状を緩和してくれるのでは?という一縷の望みに縋る様に。
゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚
一方姫菜子はというと、ハワイで友人達とチャット中だった。
あと数日で学園を卒業出来る事。
何日にはそっちに着く事。
そしたら何をしようか?何処に行こうか?等と楽しげだ。
チャットは勿論英語だ。随分上手になった姫菜子の英語を皆が褒めてくれ、姫菜子は嬉しくてたまらない。
このまま順調に行けば、前の生とは違う人生を歩めると思うと、目の前が薔薇色に染まって見えた。
だが、同時に気を引き締めていかなくてはとも思う。
第一目標であった【学園で友達は作らない。】
第二目標の【祥太郎とも疎遠になる。】
はほぼ完了と言えるだろう。
だが、一番やらなくてはならない事がまだ手付かずの状態だからだ、
(ハワイから帰ってきたら、父様に頼んでこの忍者屋敷の様な構造を活かした隠し部屋を作って頂かなくてはね。どんな方法で父様を納得させたらいいかしら?ハワイに行ったら、旭陽の母に相談してみましょう。きっと良い案を頂けるわよね。)
姫菜子はチャットをしながら、そんな事を考えていた。
1
お気に入りに追加
652
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
王太子から婚約破棄……さぁ始まりました! 制限時間は1時間 皆様……今までの恨みを晴らす時です!
Ryo-k
恋愛
王太子が婚約破棄したので、1時間限定でボコボコにできるわ♪
……今までの鬱憤、晴らして差し上げましょう!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
学園にいる間に一人も彼氏ができなかったことを散々バカにされましたが、今ではこの国の王子と溺愛結婚しました。
朱之ユク
恋愛
ネイビー王立学園に入学して三年間の青春を勉強に捧げたスカーレットは学園にいる間に一人も彼氏ができなかった。
そして、そのことを異様にバカにしている相手と同窓会で再開してしまったスカーレットはまたもやさんざん彼氏ができなかったことをいじられてしまう。
だけど、他の生徒は知らないのだ。
スカーレットが次期国王のネイビー皇太子からの寵愛を受けており、とんでもなく溺愛されているという事実に。
真実に気づいて今更謝ってきてももう遅い。スカーレットは美しい王子様と一緒に幸せな人生を送ります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢は反省しない!
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢リディス・アマリア・フォンテーヌは18歳の時に婚約者である王太子に婚約破棄を告げられる。その後馬車が事故に遭い、気づいたら神様を名乗る少年に16歳まで時を戻されていた。
性格を変えてまで王太子に気に入られようとは思わない。同じことを繰り返すのも馬鹿らしい。それならいっそ魔界で頂点に君臨し全ての国を支配下に置くというのが、良いかもしれない。リディスは決意する。魔界の皇子を私の美貌で虜にしてやろうと。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる