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第二章 逆行~幼少期〜
第八話 未来を変える出逢い 3(子供同士)
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支度を終えた二人は、少し時間があるからと、ホテルの庭を歩く事にした。
ハイビスカスやブーゲンビリア等、一年を通して咲いている綺麗な花々が姫菜子の目を楽しませてくれた。
約束の時刻まであと10分となり、二人は予約していたレストランへ足を運んだ。
すると、そこには既に白鷺一家が待っていた。
「いやぁ~。遅くなってごめん。」
「いえ。私共が早く来すぎただけですから。」
白鷺孝介はそう言って、慎也は悪くないのだと伝えた。
「紹介します。妻のキャスリーンと息子の旭陽です。」
「ハジメマシテ。ワタシ オクサン ノ キャスリーン デス。ヨロシクオネガイシマス。」
とても気さくで人懐っこい人柄のキャスリーンは、ふくよかな体を揺らしながら片言の日本語で挨拶をし、慎也達に握手を求めてきた。
「My name is Asahi Richard Shiragi. I'm 9 years old. Please call me Ritchie. 」
一方、流暢な英語でクールに自己紹介をするのは息子の旭陽。
「こら、旭陽。お前はいつもいつも…。ちゃんと日本語で挨拶しなさい。」
「いつも俺に、『グローバルな人間になれ』って言ってんの、ダディだろ?「Nice to meet you, Ritchie. My name is Hinako Kasumi. I'm 9,too. Please call me Hina.」て、お?なんだお前。俺の言葉理解出来たのか?」
「あれくらいならなんとか分かります。でも……それ以上は無理です。それと、私はお前ではありません。」
「アハハ!そうだな。ごめん、ごめん。Hinaだよな。」
「はい。宜しくお願い致します、Ritchie。」
「では行こうか、姫菜子。」
慎也が手を繋ごうと左手を出すが、旭陽の方が先に姫菜子の左手を取り、
「Let's go together!Come on!」
とレストラン内へ連れて行ってしまった。
これには孝介が驚き旭陽を止めようとしたが、慎也がそれを止めた。
「子供は子供が一番なんだ。だから止めなくても大丈夫だ。」
「良いのですか?副社長。」
「Kho。Vice presidentサン ノ イウトオリね。children ナカヨク。」
「キャスリーンさんもそう言ってるだろ?」
「えぇ。」
「Let us go too!」
明るいキャスリーンに半ば引っ張られる様に孝介がレストランの中に入って行く。
その後ろ姿を見ながら、慎也は笑っていた。
そして、心の中でつぶやいた。
(姫菜子をハワイに連れて来て正解だった様だよ、菜摘美。姫菜子の事件のトラウマは直ぐに治る事はないだろうけど、ハワイの自然が、少しでも彼女を癒してくれる事を祈るよ。あ~。それから、姫菜子を僕の元に返してくれてありがとう。キミだろ?姫菜が譫言で、「待って、母様!」と言ってたからな。無事保護されたにも関わらず、姫菜はずっと眠っていたから、目が覚めた時は本当に嬉しかったんだ。もう二度と姫菜子を傷つけさせないから。誓うよ、キミに。)
ハイビスカスやブーゲンビリア等、一年を通して咲いている綺麗な花々が姫菜子の目を楽しませてくれた。
約束の時刻まであと10分となり、二人は予約していたレストランへ足を運んだ。
すると、そこには既に白鷺一家が待っていた。
「いやぁ~。遅くなってごめん。」
「いえ。私共が早く来すぎただけですから。」
白鷺孝介はそう言って、慎也は悪くないのだと伝えた。
「紹介します。妻のキャスリーンと息子の旭陽です。」
「ハジメマシテ。ワタシ オクサン ノ キャスリーン デス。ヨロシクオネガイシマス。」
とても気さくで人懐っこい人柄のキャスリーンは、ふくよかな体を揺らしながら片言の日本語で挨拶をし、慎也達に握手を求めてきた。
「My name is Asahi Richard Shiragi. I'm 9 years old. Please call me Ritchie. 」
一方、流暢な英語でクールに自己紹介をするのは息子の旭陽。
「こら、旭陽。お前はいつもいつも…。ちゃんと日本語で挨拶しなさい。」
「いつも俺に、『グローバルな人間になれ』って言ってんの、ダディだろ?「Nice to meet you, Ritchie. My name is Hinako Kasumi. I'm 9,too. Please call me Hina.」て、お?なんだお前。俺の言葉理解出来たのか?」
「あれくらいならなんとか分かります。でも……それ以上は無理です。それと、私はお前ではありません。」
「アハハ!そうだな。ごめん、ごめん。Hinaだよな。」
「はい。宜しくお願い致します、Ritchie。」
「では行こうか、姫菜子。」
慎也が手を繋ごうと左手を出すが、旭陽の方が先に姫菜子の左手を取り、
「Let's go together!Come on!」
とレストラン内へ連れて行ってしまった。
これには孝介が驚き旭陽を止めようとしたが、慎也がそれを止めた。
「子供は子供が一番なんだ。だから止めなくても大丈夫だ。」
「良いのですか?副社長。」
「Kho。Vice presidentサン ノ イウトオリね。children ナカヨク。」
「キャスリーンさんもそう言ってるだろ?」
「えぇ。」
「Let us go too!」
明るいキャスリーンに半ば引っ張られる様に孝介がレストランの中に入って行く。
その後ろ姿を見ながら、慎也は笑っていた。
そして、心の中でつぶやいた。
(姫菜子をハワイに連れて来て正解だった様だよ、菜摘美。姫菜子の事件のトラウマは直ぐに治る事はないだろうけど、ハワイの自然が、少しでも彼女を癒してくれる事を祈るよ。あ~。それから、姫菜子を僕の元に返してくれてありがとう。キミだろ?姫菜が譫言で、「待って、母様!」と言ってたからな。無事保護されたにも関わらず、姫菜はずっと眠っていたから、目が覚めた時は本当に嬉しかったんだ。もう二度と姫菜子を傷つけさせないから。誓うよ、キミに。)
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