鳴らない電話を抱き締めて

Saeko

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第一章

決別〜友達side1~

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里緒菜の友達 ~絵梨side

ある日の朝

「おい!ちょっといいか?」

教室に入ろうとしている私に、不機嫌そうに声をかけて来たのは、幼馴染みの修哉だ。

「何?もうSHR始まるんだけど?」

修哉は、私の大切な親友 里緒菜のである聡の友達でもあり親友でもあるっぽい。が、此奴こいつら ┄ ま、聡が元凶なんだけど ┄ がクズなせいで、里緒菜はずっと苦しんでた。だから、此奴となんて口もきいてやりたくなかったのがマジな気持ちだ。

そんな思いがある私は、汚い物でも見るような目で修哉を見上げた。

「おい!そんな軽蔑する様な目で俺を見んなって!」

は?何言ってんの?
そんなの当たり前じゃない。
だってアンタの事、軽蔑してんだもん!
アンタの友達の聡は、ずっと里緒菜を苦しめてたの!なのに気づかないなんて、絶対!絶対!あり得ないんだから‼︎

という気持ちを心の中で叫びながら、
「ふん!分かってんなら、早く話をしてよ!」
「…ったく。…朝から機嫌悪りぃな、お前は…。」
と溜息をつく修哉
はぁ?機嫌を損ねる原因は、アンタと聡でしょ!と、またもや心の中で毒付きながらも、今度はわざと
「コホン。では、南修哉さん?お話とはなんですか?お早くお話頂けないというのなら、後程にして頂けませんこと?」
と、目が笑ってない笑顔を貼り付け、超が付くくらい丁寧な言葉を吐いてやった。

一瞬だけ仰け反る修哉を一瞥し、尚も笑顔で修哉を見つめてやる。

実は修哉は、じぃーと目を見つめられると弱いのだ。
見つめられると直ぐに顔を赤くして目を逸らすんだ。

ったく!幼稚園の頃から一緒の修哉の弱点など、お見通しだっちゅーの。
思ったとおり、修哉は顔を赤くして、そっぽを向いた。

その途端、SHRが始まる鐘が鳴った。

私はニヤッと笑って、
「あら残念。お時間が来てしまったようですわね。では、御機嫌よう。」
私は踵を返して、教室の中に入ってやった。
後ろで修哉の クソっ! という声が聞こえたが、ガン無視してやった。


自分の席に着いて考える。

どうせ修哉の言いたい事は、里緒菜と聡の事だろう。

里緒菜は聡の裏切りに深く傷つき、聡本人には何も告げず決別した。

私達は、聡が少しも彼氏らしくしない事で、里緒菜がいつも悩んで苦しんでいた姿をずっと側で見ていた。
だから、里緒菜が聡と決別すると決めた事に、私達は安堵したものだ。
私達の大切で可愛い里緒菜が、二度とくだらない男の事で悩む事が無くなり、本当に嬉しかった。
だから、修哉が何をどう言ったとしても、私には揺るがない自信がある。

里緒菜を聡には返さない。絶対に!

私はそっと机の中でスマホを操作して、メッセージアプリのグループトークに文を打った

勿論、里緒菜以外にた。

私の気持ちに賛同してくれる通知が次々にきた。

私は修哉と戦う決意を固くした。
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