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第三章 前世其ノ弐
第四幕 疑惑⑸
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その後、御三方が楽しく談笑なさっておられるのを、私は黙って聞いておりました。
すると突然、サラティーニ様が激しく噎せかえり、口の中の物を吐き出されました。
「サーラ?どうした、サーラ!」
サラティーニ様の吐き気は止まる様子がありません。
お顔は真っ青で、ぐったりとしてなさってしまわれました。
リュークアッセンドラ殿下は、近くに控えていた侍女に宮廷医師を呼ぶよう指示を出し、サラティーニ様を抱き上げました。
「サーラを部屋に連れていく。ロイは、アイリーン様を伯爵家へ送ってやってくれ。」
しかしロイド様は、何も仰いません。
「ロイ?どうした?」
「毒…」
「え?」
「アイリーン!まさかお前。サラの菓子に毒を!!」
「そ、そんな事!私がそんな事する訳が「お前は、リュークが好きなんだもんな。」」
「え?どうしてそれを…。」
「初めから知ってたさ。お前がリュークを見てたことくらい。それでもいつか俺を見てくれる日が来ると信じてたが…まさかこんな酷い事を…。」
「私…私はそんな事してはおりません!!断じて毒なんて。」
何も仰らない殿下を見上げ、
「殿下!信じて下さい。私は、毒なんて盛っておりません。」
と懇願致しました。が、殿下は疑いを持たれた様な憐れむ様な目をして私をご覧になりました。
「アイリーン嬢。今はサーラが心配だから、言い訳は後にしてくれるかな?ロイ、あとは頼む。」
そう仰った殿下は、サラティーニ様を抱かれ奥へと入っていかれました。
すると突然、サラティーニ様が激しく噎せかえり、口の中の物を吐き出されました。
「サーラ?どうした、サーラ!」
サラティーニ様の吐き気は止まる様子がありません。
お顔は真っ青で、ぐったりとしてなさってしまわれました。
リュークアッセンドラ殿下は、近くに控えていた侍女に宮廷医師を呼ぶよう指示を出し、サラティーニ様を抱き上げました。
「サーラを部屋に連れていく。ロイは、アイリーン様を伯爵家へ送ってやってくれ。」
しかしロイド様は、何も仰いません。
「ロイ?どうした?」
「毒…」
「え?」
「アイリーン!まさかお前。サラの菓子に毒を!!」
「そ、そんな事!私がそんな事する訳が「お前は、リュークが好きなんだもんな。」」
「え?どうしてそれを…。」
「初めから知ってたさ。お前がリュークを見てたことくらい。それでもいつか俺を見てくれる日が来ると信じてたが…まさかこんな酷い事を…。」
「私…私はそんな事してはおりません!!断じて毒なんて。」
何も仰らない殿下を見上げ、
「殿下!信じて下さい。私は、毒なんて盛っておりません。」
と懇願致しました。が、殿下は疑いを持たれた様な憐れむ様な目をして私をご覧になりました。
「アイリーン嬢。今はサーラが心配だから、言い訳は後にしてくれるかな?ロイ、あとは頼む。」
そう仰った殿下は、サラティーニ様を抱かれ奥へと入っていかれました。
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