46 / 66
第三章 前世其ノ弐
第四幕 疑惑⑴
しおりを挟む
大舞踏会の翌日
私は体調を崩してしまい、結局1週間寝込んでしまいました。
高熱の為3日間熱に浮かされ悪夢に苛まれ、本当に辛かった事だけは覚えておりましたが、見た悪夢がどんな悪夢だったのかは全く覚えてはおりませんでした。
やっと起き上がれる様になった私でしたが、1人では歩くこともままならず、ローラに支えて貰いながら、1週間ぶりの湯浴みを致しました。
「お嬢様。スープをお持ち致しました。ご自分でお召し上がりになりますか?」
と問われ、
「子供じゃないんだから、1人で食べられるわよ。」
と答えたので、ローラはクスリと笑って、ベッドの上の私の元へスープを持ってきてくれました。
スープを飲みながら、ローラから私が寝込んでいた間の出来事を聞きました。
毎日の様にロイド様がお見舞いに来て下さっていた事、王太子殿下とサラティーニ様の連名でお見舞いのお花とお手紙を送ってくださっていたとの事でした。
私は申し訳ない気持ちでいっぱいになりましたが、あの大舞踏会の夜、ある方から言われた言葉がどうしても頭から離れる事がありませんでした。
あの日殿下達を見送り、ロイド様が私から離れたら直ぐ、ローズウェルト様が来られ
「貴女一体どういうおつもりかしら?」
と息巻いておられました。
「一体何の事を仰っておられるのでしょう。」
「とぼけないで頂けます?アイリーン様。」
ローズウェルト様は捲し立てるように言葉を繋がれます。
「リュークアッセンドラ王太子殿下にらは、サラティーニ様がおられるのです。あの方々は、ずっと、そう 幼少のみぎりより婚姻を結ぶお約束をなさっていらしたのよ。貴女如き伯爵令嬢が付け入る隙なぞ何処にもございませんの。それなのに…貴女にはロイド様というご婚約者がおられるにも関わらず……殿下を、殿下に対して恋心を持って見つめられるなんて……なんという恥知らず!!貴女が殿下を見つめていらっしゃる姿を、ロイド様がどんなお顔をされて御覧になっていらしたとお思い?」
(え?そんな……私……)
「お可哀想なロイド様。ご自身の婚約者が、目の前で違う殿方、しかも王太子殿下を恋心を持って見つめられてるのを……。ご自身の婚約者の令嬢のお心がご自身に向けられていないのにも関わらず、婚約関係でいないといけないなんて。私でしたら、私なら!!ロイド様にあんな表情は絶対に……絶対にさせませんわ!!アイリーン様!貴女にロイド様の婚約者は相応しくありませんわ!今すぐ婚約破棄なさいませ!」
私は体調を崩してしまい、結局1週間寝込んでしまいました。
高熱の為3日間熱に浮かされ悪夢に苛まれ、本当に辛かった事だけは覚えておりましたが、見た悪夢がどんな悪夢だったのかは全く覚えてはおりませんでした。
やっと起き上がれる様になった私でしたが、1人では歩くこともままならず、ローラに支えて貰いながら、1週間ぶりの湯浴みを致しました。
「お嬢様。スープをお持ち致しました。ご自分でお召し上がりになりますか?」
と問われ、
「子供じゃないんだから、1人で食べられるわよ。」
と答えたので、ローラはクスリと笑って、ベッドの上の私の元へスープを持ってきてくれました。
スープを飲みながら、ローラから私が寝込んでいた間の出来事を聞きました。
毎日の様にロイド様がお見舞いに来て下さっていた事、王太子殿下とサラティーニ様の連名でお見舞いのお花とお手紙を送ってくださっていたとの事でした。
私は申し訳ない気持ちでいっぱいになりましたが、あの大舞踏会の夜、ある方から言われた言葉がどうしても頭から離れる事がありませんでした。
あの日殿下達を見送り、ロイド様が私から離れたら直ぐ、ローズウェルト様が来られ
「貴女一体どういうおつもりかしら?」
と息巻いておられました。
「一体何の事を仰っておられるのでしょう。」
「とぼけないで頂けます?アイリーン様。」
ローズウェルト様は捲し立てるように言葉を繋がれます。
「リュークアッセンドラ王太子殿下にらは、サラティーニ様がおられるのです。あの方々は、ずっと、そう 幼少のみぎりより婚姻を結ぶお約束をなさっていらしたのよ。貴女如き伯爵令嬢が付け入る隙なぞ何処にもございませんの。それなのに…貴女にはロイド様というご婚約者がおられるにも関わらず……殿下を、殿下に対して恋心を持って見つめられるなんて……なんという恥知らず!!貴女が殿下を見つめていらっしゃる姿を、ロイド様がどんなお顔をされて御覧になっていらしたとお思い?」
(え?そんな……私……)
「お可哀想なロイド様。ご自身の婚約者が、目の前で違う殿方、しかも王太子殿下を恋心を持って見つめられてるのを……。ご自身の婚約者の令嬢のお心がご自身に向けられていないのにも関わらず、婚約関係でいないといけないなんて。私でしたら、私なら!!ロイド様にあんな表情は絶対に……絶対にさせませんわ!!アイリーン様!貴女にロイド様の婚約者は相応しくありませんわ!今すぐ婚約破棄なさいませ!」
0
お気に入りに追加
283
あなたにおすすめの小説
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
愛する義兄に憎まれています
ミカン♬
恋愛
自分と婚約予定の義兄が子爵令嬢の恋人を両親に紹介すると聞いたフィーナは、悲しくて辛くて、やがて心は闇に染まっていった。
義兄はフィーナと結婚して侯爵家を継ぐはずだった、なのにフィーナも両親も裏切って真実の愛を貫くと言う。
許せない!そんなフィーナがとった行動は愛する義兄に憎まれるものだった。
2023/12/27 ミモザと義兄の閑話を投稿しました。
ふわっと設定でサクっと終わります。
他サイトにも投稿。
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····
藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」
……これは一体、どういう事でしょう?
いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。
ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した……
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全6話で完結になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる