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第三章 前世其ノ弐
第三幕 揺らぐ⑷
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華やかなファンファーレと共に国王陛下と王妃様が大広間に入ってこられました。
その後に続いて、金色の髪を綺麗に撫で付け、王家の正装をその身に纏ったリュークアッセンドラ王太子殿下が入場なさいました。
その殿下はどなたかをエスコートしておられるようで、周りの貴族達は一斉にざわめきだしました。
「いよいよ発表するのか。」
隣にいらっしゃるロイド様のお顔は優しい笑みを浮かべておられます。
私はわけが分からずきょとんとしておりました。
玉座の前に立たれ陛下は仰いました。
「今宵は我が王国主催の大舞踏会によくぞ来てくれた。大いに楽しんでいって欲しい!」
陛下のお言葉は続きます。
「皆にひとつ伝える事がある。それは、ここにおる第1王子が、此度ハイデバード公爵家が長女サラティーニ嬢と正式に婚約する事と相成った。サラティーニ嬢、前へ。」
「はい、陛下。」
リュークアッセンドラ殿下の横に立ち並ばれたサラティーニ様は、先日のロイド様の生誕祭で殿下と一緒にロイド様のもとに来らた時のドレスより、遥かに上質でオーソドックスなデザインの中、金糸銀糸を使い技巧を凝らした刺繍が施されていました。
「王太子よ。そなたの婚約者を皆の前で紹介するのだ。」
陛下の威厳に満ちた仰せに、
「はい、陛下。仰せのままに。」
と、殿下はご婚約者のサラティーニ様をエスコートされ壇上に昇られました。
「私の隣にいらっしゃる女性は、たった今陛下が仰った私の婚約者サラティーニ•ド•ハイデバード様です。サラティーニ様は私の幼馴染みであり、幼少の頃から王女教育を頑張りながらも私の執務をも支えてくれ、また自らも見聞をし、この国の未来を共に語り合った同士でもあります。なにより、私の心にいつも寄り添ってくれた唯一無二の存在なのです。今宵皆様の前で、我が婚約者サラティーニ様をご紹介出来ましたことを大変喜ばしく思っております。これからもより一層この国に尽くして参ります故、宜しくお願い致します。」
と殿下が礼をなさると、サラティーニ様もそれに倣いとてもお美しいカーテシーをなさいました。
お顔を上げられたサラティーニ様は、まるで華が咲くかのように微笑まれ、そこにいらっしゃるだけで周りの空気さえも浄化するかのようでした。
凛々しくそれでいてサラティーニ様を見つめる優しい表情のリュークアッセンドラ王太子殿下と、それを笑顔でお受けになっているサラティーニ様のその清らかなお姿に、貴族達はただただうっとりしておりました。
ですが、私にとって殿下のご婚約発表はショックが大き過ぎました。「誠なのですか?」と確かめる様に私はロイド様を見上げますが、ロイド様はそんな私の気持ちに気付くことなく、
「リューク達やってくれたな。」
と楽しそうに仰っただけでした。
その後に続いて、金色の髪を綺麗に撫で付け、王家の正装をその身に纏ったリュークアッセンドラ王太子殿下が入場なさいました。
その殿下はどなたかをエスコートしておられるようで、周りの貴族達は一斉にざわめきだしました。
「いよいよ発表するのか。」
隣にいらっしゃるロイド様のお顔は優しい笑みを浮かべておられます。
私はわけが分からずきょとんとしておりました。
玉座の前に立たれ陛下は仰いました。
「今宵は我が王国主催の大舞踏会によくぞ来てくれた。大いに楽しんでいって欲しい!」
陛下のお言葉は続きます。
「皆にひとつ伝える事がある。それは、ここにおる第1王子が、此度ハイデバード公爵家が長女サラティーニ嬢と正式に婚約する事と相成った。サラティーニ嬢、前へ。」
「はい、陛下。」
リュークアッセンドラ殿下の横に立ち並ばれたサラティーニ様は、先日のロイド様の生誕祭で殿下と一緒にロイド様のもとに来らた時のドレスより、遥かに上質でオーソドックスなデザインの中、金糸銀糸を使い技巧を凝らした刺繍が施されていました。
「王太子よ。そなたの婚約者を皆の前で紹介するのだ。」
陛下の威厳に満ちた仰せに、
「はい、陛下。仰せのままに。」
と、殿下はご婚約者のサラティーニ様をエスコートされ壇上に昇られました。
「私の隣にいらっしゃる女性は、たった今陛下が仰った私の婚約者サラティーニ•ド•ハイデバード様です。サラティーニ様は私の幼馴染みであり、幼少の頃から王女教育を頑張りながらも私の執務をも支えてくれ、また自らも見聞をし、この国の未来を共に語り合った同士でもあります。なにより、私の心にいつも寄り添ってくれた唯一無二の存在なのです。今宵皆様の前で、我が婚約者サラティーニ様をご紹介出来ましたことを大変喜ばしく思っております。これからもより一層この国に尽くして参ります故、宜しくお願い致します。」
と殿下が礼をなさると、サラティーニ様もそれに倣いとてもお美しいカーテシーをなさいました。
お顔を上げられたサラティーニ様は、まるで華が咲くかのように微笑まれ、そこにいらっしゃるだけで周りの空気さえも浄化するかのようでした。
凛々しくそれでいてサラティーニ様を見つめる優しい表情のリュークアッセンドラ王太子殿下と、それを笑顔でお受けになっているサラティーニ様のその清らかなお姿に、貴族達はただただうっとりしておりました。
ですが、私にとって殿下のご婚約発表はショックが大き過ぎました。「誠なのですか?」と確かめる様に私はロイド様を見上げますが、ロイド様はそんな私の気持ちに気付くことなく、
「リューク達やってくれたな。」
と楽しそうに仰っただけでした。
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