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第二章 前世其ノ壱
幕間① リュークside
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ロイドの生誕祭にて
俺はガーディランス公爵家の大広間の壁に飾られた絵画をじっと見入る少女を見つけた。
少女の名前は、アイリーン=ド=シェヴェルディア様。私の父上である陛下の宰相として王宮に勤めているシェヴェルディア伯爵の令嬢だ。
以前、陛下主催の茶会で会った時にも思ったが、彼女の印象は、『ふわふわとした可愛らしい少女』だ。
そんな彼女に、私は悪戯に声をかけてみた。
私の声に振り向いたアイリーン様は真っ赤な顔をして、恥ずかしそうに俯いた。
それでも淑女の礼をきちんとした彼女。
そんな彼女を見ても、可愛らしいなとは思えても、私にはそれ以上の感情は持てなかった。
理由は簡単。
私には、まだ公にはなってはいないが、既に婚約者がいる。婚約者の名前はハイデバード公爵家の令嬢サラティーニだ。
サラティーニと俺とは所謂幼馴染みで、生まれた時からの許嫁でもある。
それも、貴族にとって当たり前の政略結婚では無く、私たちは恋愛関係、つまりは恋人同士である。
サラティーニは幼い頃から王妃になる為に王妃教育を受け、俺との婚姻、そして国母となる為に日々王妃である母上からの教育を受けている。
元々頑張り屋な彼女は、どんなに厳しい教育でも決して音を上げる事はない。
そんな彼女だからこそ、私は彼女に相応しい男になりたいと思うし、サラティーニと切磋琢磨していこうと思えもする。
勿論、時間を見つけては、二人で王宮のサロンや温室でお茶をしたり、庭園を歩いたりして将来を語らい、互いの交流を深めている。
普段は頑張り屋でしっかり者の彼女だが、2人の時の彼女は甘えたで感情が直ぐに顔に出てしまう。
そんな彼女を私は溺愛しているし、愛している。
陛下や王妃からは、側室も娶る様に言われてもいるが、そんな事は微塵も考えてはいない。
今宵此処に呼ばれた令嬢の殆どは、私の側室とコイツ(ロイド)の婚約者候補だろう。が、私に側室は要らないのだから、コイツの婚約者を一緒に選んでやろうと思う。
俺はそう思って、アイリーン様と話しながら周りを見渡してもみた。
でも、ロイに向けられる視線は、あわよくば公爵夫人に収まりたいといった下心見え見えの令嬢ばかりでうんざりした。
一方のロイは、アイリーン様を気に入ったのか?ずっと見つめたまま黙り込んでいる。
こんなのでは気持ちは伝わらないよ?ロイ。
仕方ないな。私がきっかけを作ってあげよう。
あぁ…それよりも……
サラティーニのところに早く行きたいな。
私はそう思いながら、ロイをけしかけロイの初めての恋を応援してやろうと思ったんだ。
俺はガーディランス公爵家の大広間の壁に飾られた絵画をじっと見入る少女を見つけた。
少女の名前は、アイリーン=ド=シェヴェルディア様。私の父上である陛下の宰相として王宮に勤めているシェヴェルディア伯爵の令嬢だ。
以前、陛下主催の茶会で会った時にも思ったが、彼女の印象は、『ふわふわとした可愛らしい少女』だ。
そんな彼女に、私は悪戯に声をかけてみた。
私の声に振り向いたアイリーン様は真っ赤な顔をして、恥ずかしそうに俯いた。
それでも淑女の礼をきちんとした彼女。
そんな彼女を見ても、可愛らしいなとは思えても、私にはそれ以上の感情は持てなかった。
理由は簡単。
私には、まだ公にはなってはいないが、既に婚約者がいる。婚約者の名前はハイデバード公爵家の令嬢サラティーニだ。
サラティーニと俺とは所謂幼馴染みで、生まれた時からの許嫁でもある。
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勿論、時間を見つけては、二人で王宮のサロンや温室でお茶をしたり、庭園を歩いたりして将来を語らい、互いの交流を深めている。
普段は頑張り屋でしっかり者の彼女だが、2人の時の彼女は甘えたで感情が直ぐに顔に出てしまう。
そんな彼女を私は溺愛しているし、愛している。
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今宵此処に呼ばれた令嬢の殆どは、私の側室とコイツ(ロイド)の婚約者候補だろう。が、私に側室は要らないのだから、コイツの婚約者を一緒に選んでやろうと思う。
俺はそう思って、アイリーン様と話しながら周りを見渡してもみた。
でも、ロイに向けられる視線は、あわよくば公爵夫人に収まりたいといった下心見え見えの令嬢ばかりでうんざりした。
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こんなのでは気持ちは伝わらないよ?ロイ。
仕方ないな。私がきっかけを作ってあげよう。
あぁ…それよりも……
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