19 / 66
第二章 前世其ノ壱
第三幕 社交界デビュー⑷
しおりを挟む
「いやぁ!なんて美しいんだ!!流石我が娘アイリーン。やはりお前は私達の自慢の娘だよ。」
お仕事を終えられ邸に帰って来られたお父様は、自室で本を読みながら待っていた私の姿をご覧になり、このようなお言葉を発しながら私に抱きついて来たのでした。
「お父様!折角ローラ達が綺麗にしてくれた髪が解けてしまいます。それにドレスにも皺が出来てしまうので、お止め下さい!」
と、少しきつい口調で咎めると、
「お、おお…そうだったな。申し訳ない。アイリーンが可愛いかったからつい……な。」
と少ししょげた風にお話になるお父様に、お母様は苦笑いをされ、侍女のローラは肩を揺すって笑っていました。
そのあと私の部屋に入ってこられたお兄様は、
「アイリーンによく似合うドレスと髪型になったね。ところでアイリーン?お父様お母様と、ローラ達にお礼は言ったの?」
と笑顔で仰いました。
「あ!そうよ!ごめんなさい………忘れていました。」
私はお兄様の言葉にハッとなり、慌てて彼等に向き合い、そして、
「お父様、お母様。素敵なドレスや髪飾りをありがとう存じます。
ローラ、スカーレット。私を綺麗にしてくれてありがとう。
そしてお兄様、教えて頂きありがとう存じます。」
私は丁寧にカーテシーをしてにっこり笑ったのでした。
お仕事を終えられ邸に帰って来られたお父様は、自室で本を読みながら待っていた私の姿をご覧になり、このようなお言葉を発しながら私に抱きついて来たのでした。
「お父様!折角ローラ達が綺麗にしてくれた髪が解けてしまいます。それにドレスにも皺が出来てしまうので、お止め下さい!」
と、少しきつい口調で咎めると、
「お、おお…そうだったな。申し訳ない。アイリーンが可愛いかったからつい……な。」
と少ししょげた風にお話になるお父様に、お母様は苦笑いをされ、侍女のローラは肩を揺すって笑っていました。
そのあと私の部屋に入ってこられたお兄様は、
「アイリーンによく似合うドレスと髪型になったね。ところでアイリーン?お父様お母様と、ローラ達にお礼は言ったの?」
と笑顔で仰いました。
「あ!そうよ!ごめんなさい………忘れていました。」
私はお兄様の言葉にハッとなり、慌てて彼等に向き合い、そして、
「お父様、お母様。素敵なドレスや髪飾りをありがとう存じます。
ローラ、スカーレット。私を綺麗にしてくれてありがとう。
そしてお兄様、教えて頂きありがとう存じます。」
私は丁寧にカーテシーをしてにっこり笑ったのでした。
0
お気に入りに追加
283
あなたにおすすめの小説
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
私のことを愛していなかった貴方へ
矢野りと
恋愛
婚約者の心には愛する女性がいた。
でも貴族の婚姻とは家と家を繋ぐのが目的だからそれも仕方がないことだと承知して婚姻を結んだ。私だって彼を愛して婚姻を結んだ訳ではないのだから。
でも穏やかな結婚生活が私と彼の間に愛を芽生えさせ、いつしか永遠の愛を誓うようになる。
だがそんな幸せな生活は突然終わりを告げてしまう。
夫のかつての想い人が現れてから私は彼の本心を知ってしまい…。
*設定はゆるいです。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる