王子様に恋をした【完結】

Saeko

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第二章 前世其ノ壱

第三幕 社交界デビュー⑷

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「いやぁ!なんて美しいんだ!!流石我が娘アイリーン。やはりお前は私達の自慢の娘だよ。」

お仕事を終えられ邸に帰って来られたお父様は、自室で本を読みながら待っていた私の姿をご覧になり、このようなお言葉を発しながら私に抱きついて来たのでした。

「お父様!折角ローラ達が綺麗にしてくれた髪が解けてしまいます。それにドレスにも皺が出来てしまうので、お止め下さい!」

と、少しきつい口調で咎めると、

「お、おお…そうだったな。申し訳ない。アイリーンが可愛いかったからつい……な。」

と少ししょげた風にお話になるお父様に、お母様は苦笑いをされ、侍女のローラは肩を揺すって笑っていました。

そのあと私の部屋に入ってこられたお兄様は、

「アイリーンによく似合うドレスと髪型になったね。ところでアイリーン?お父様お母様と、ローラ達にお礼は言ったの?」

と笑顔で仰いました。

「あ!そうよ!ごめんなさい………忘れていました。」

私はお兄様の言葉にハッとなり、慌てて彼等に向き合い、そして、

「お父様、お母様。素敵なドレスや髪飾りをありがとう存じます。
ローラ、スカーレット。私を綺麗にしてくれてありがとう。
そしてお兄様、教えて頂きありがとう存じます。」

私は丁寧にカーテシーをしてにっこり笑ったのでした。
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