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第二章 前世其ノ壱
第二幕 お茶会⑵
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お茶会当日
私はお兄様のアンソニーにエスコートされ、王宮へと足を踏み入れました。
お城の従者に連れられサロンへ入室すると、あまりの煌びやかさに目を奪われてしまい、すっかり淑女を忘れてキョロキョロしてしまいました。
お兄様は私をエスコートして陛下の前に連れてきて下さったのですが、私は雰囲気に飲まれてしまい、何をすべきなのかを忘れてしまいそうになりました。
「アイリーン、淑女はどうしたの?陛下の御前だよ?」
とお兄様に言われ、慌ててスカートを摘み陛下にご挨拶致しました。
「シェヴェルディア伯爵令嬢アイリーンでございます。本日はお招きいただき光栄に存じます。」
「これはこれはアイリーン嬢。ようこそおいで下さった。楽しい時間を過ごしてくれるかな?」
「陛下、お招きありがとう存じます。」
私の目線まで腰を折りお話下さる国王陛下は、とても優しい面立ちで、ふんわりと笑いかけて下さいました。
その後お兄様と連れ立って、私は空いている席に腰をかけると、すぐさま給仕の方が側にいらして、
「お飲み物は何をご所望ですか?」
と聞いてこられました。
私は、
「りんごの果実水をお願いします。」
と注文し、テーブルの上のお皿に並べられた、とても美味しそうなお菓子に手を伸ばしてみました。
「これ美味しいわ~。頬が落ちそうよ~。う~ん…どうやって作ってあるのかしら?」
あれもこれもと手を伸ばし、美味しいお菓子を堪能していた私は、王太子様がサロンにお越しになっているのに全く気がついておりませんでした。
隣りに座るお兄様の周りには、綺麗に着飾った令嬢達が次から次へと挨拶に来られ、お兄様は、
「ありがとう。」
と笑顔であしらっていらっしゃいました。が、
「アンソニー様。そちらの方は?」
と聞かれる度に、
「妹のアイリーンと申します。」
と慌ててお菓子を飲み込んで挨拶をしている私に、お兄様はずっと苦笑いをされおられました。
私はお兄様のアンソニーにエスコートされ、王宮へと足を踏み入れました。
お城の従者に連れられサロンへ入室すると、あまりの煌びやかさに目を奪われてしまい、すっかり淑女を忘れてキョロキョロしてしまいました。
お兄様は私をエスコートして陛下の前に連れてきて下さったのですが、私は雰囲気に飲まれてしまい、何をすべきなのかを忘れてしまいそうになりました。
「アイリーン、淑女はどうしたの?陛下の御前だよ?」
とお兄様に言われ、慌ててスカートを摘み陛下にご挨拶致しました。
「シェヴェルディア伯爵令嬢アイリーンでございます。本日はお招きいただき光栄に存じます。」
「これはこれはアイリーン嬢。ようこそおいで下さった。楽しい時間を過ごしてくれるかな?」
「陛下、お招きありがとう存じます。」
私の目線まで腰を折りお話下さる国王陛下は、とても優しい面立ちで、ふんわりと笑いかけて下さいました。
その後お兄様と連れ立って、私は空いている席に腰をかけると、すぐさま給仕の方が側にいらして、
「お飲み物は何をご所望ですか?」
と聞いてこられました。
私は、
「りんごの果実水をお願いします。」
と注文し、テーブルの上のお皿に並べられた、とても美味しそうなお菓子に手を伸ばしてみました。
「これ美味しいわ~。頬が落ちそうよ~。う~ん…どうやって作ってあるのかしら?」
あれもこれもと手を伸ばし、美味しいお菓子を堪能していた私は、王太子様がサロンにお越しになっているのに全く気がついておりませんでした。
隣りに座るお兄様の周りには、綺麗に着飾った令嬢達が次から次へと挨拶に来られ、お兄様は、
「ありがとう。」
と笑顔であしらっていらっしゃいました。が、
「アンソニー様。そちらの方は?」
と聞かれる度に、
「妹のアイリーンと申します。」
と慌ててお菓子を飲み込んで挨拶をしている私に、お兄様はずっと苦笑いをされおられました。
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