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第一章 今世其ノ壱
第二幕 裏切り⑵
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その日の夜
私は、いつもの様にスマホを立ち上げ、竜二さんにLINEをする。
『竜二さん お疲れさまです♡
ちょっと体調が悪いので、
今週はお弁当作れません( ´•̥ ·̭ •̥` )
ごめんなさい(❁ᴗ͈ˬᴗ͈))』
その30分後
『そうなんだ
無理しなくていいから
のんびりしなよ
おやすみ』
とさっぱりした返事が返ってきた。
この文からだと、いつも通り過ぎて何の変化も無いのだけど…
ふと気付いてしまった事がある。
LINEも通話も、いつも私からだという事に。
それに、私は絵文字や顔文字 スタンプを沢山使うのに、竜二さんは♡さえ付けて来ない事も。
そして何より1番気付きたくなかった事。それは……
私は一度も竜二さんの車に乗せて貰った事が無い事だ。
待ち合わせはいつも駅近のカフェで、帰りもいつも早いので、改札口まで見送ってくれ、竜二さんは電車に乗って帰っているようだった。
だから私は、竜二さんが車を持っている事さえ知らなかった。
でも、もしかしたら電車で帰る振りをして、私が見えなくなったら改札を出て車で帰っていたのかもしれない。
そしてあの綺麗な女性に会いに行ってたのかもしれない。
そして何より……
私は一度も竜二さんから『好きだ』と言われていない。
私はいつもいつも、それこそ『好き』の大安売りの様に竜二さんに気持ちを伝えてる。
でも竜二さんは……「ありがとう」とは言ってはくれるものの、私に「好き」とは言ってくれたことはなかった……。
この事実は、私の気持ちを一気に下げていった。
深く深く…まるで底なし沼の様な、暗い闇の中に沈んでいく様な、そんな感覚に襲われた私は、その日からまともな食事が摂れなくなっていった。
私は、いつもの様にスマホを立ち上げ、竜二さんにLINEをする。
『竜二さん お疲れさまです♡
ちょっと体調が悪いので、
今週はお弁当作れません( ´•̥ ·̭ •̥` )
ごめんなさい(❁ᴗ͈ˬᴗ͈))』
その30分後
『そうなんだ
無理しなくていいから
のんびりしなよ
おやすみ』
とさっぱりした返事が返ってきた。
この文からだと、いつも通り過ぎて何の変化も無いのだけど…
ふと気付いてしまった事がある。
LINEも通話も、いつも私からだという事に。
それに、私は絵文字や顔文字 スタンプを沢山使うのに、竜二さんは♡さえ付けて来ない事も。
そして何より1番気付きたくなかった事。それは……
私は一度も竜二さんの車に乗せて貰った事が無い事だ。
待ち合わせはいつも駅近のカフェで、帰りもいつも早いので、改札口まで見送ってくれ、竜二さんは電車に乗って帰っているようだった。
だから私は、竜二さんが車を持っている事さえ知らなかった。
でも、もしかしたら電車で帰る振りをして、私が見えなくなったら改札を出て車で帰っていたのかもしれない。
そしてあの綺麗な女性に会いに行ってたのかもしれない。
そして何より……
私は一度も竜二さんから『好きだ』と言われていない。
私はいつもいつも、それこそ『好き』の大安売りの様に竜二さんに気持ちを伝えてる。
でも竜二さんは……「ありがとう」とは言ってはくれるものの、私に「好き」とは言ってくれたことはなかった……。
この事実は、私の気持ちを一気に下げていった。
深く深く…まるで底なし沼の様な、暗い闇の中に沈んでいく様な、そんな感覚に襲われた私は、その日からまともな食事が摂れなくなっていった。
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