王子様に恋をした【完結】

第一章 今世其ノ壱

第一幕 恋人⑴

私の名前は澤村 亜衣さわむら あい24歳　ごく普通の会社員だ。部署は総務部総務課。

短大卒の為入社して4年が経つわけだけど、仕事の内容ははっきり言って誰でも出来るような内容だと思う。

ぶっちゃけ私が居なくなっても困らないような仕事なのは事実。

そんな私は、毎日朝6時に起きてお弁当を作り、朝ご飯を食べてメイクをして髪を整えオフィスカジュアル系の服に身を包み、築15年のリノベーション済のアパートから出勤する。

先月末まで付き合っていた(と‪私は思っていた)彼は、同じ会社の先輩だ。名前は大野竜二(おおのりゅうじ)さん。28歳。

竜二さんは180cmの長身でイケメン。
企画部営業1課のＮｏ．1営業マンだ。

そんな竜二さんは、女性社員から絶大な人気を誇り、毎日最低1人から告白されていたらしい。

入社して最初は全く関わる事が無かった私だけど、ある日ちょっとした事で竜二さんと話す事が出来た。

私は、優しく笑顔で接してくれた竜二さんに一目惚れだった。

何度も何度もアタックして告白しても全く相手にもされなかったが、得意の料理で胃袋を掴もうとした私は、竜二さんにお弁当の差し入れをした。

それは毎日続けた。
いつか振り向いて貰えるようにと。