84 / 85
第8章 番外編(ルミエール王国奪還 〜潜入捜査編〜)
潜入捜査大作戦1
しおりを挟む
「じゃ、パパ鳥さん。準備と覚悟、それからミッションの理解はいいかしら?」
『某の任務にかける心意気は満ち足りておるぞ聖女殿。』
ここはカルディール伯爵領内にある、屋敷の庭。
私は、パパ鳥がルミエール王国に潜入捜査の為、奥さんと子供達から離れてしまう事で、今回のように、ママ鳥さんだけじゃ雛鳥達を守れないかもしれないと考え、キラメイ家族をカルディール領に一時的に避難させ安全を確保したうえで、パパ鳥にルミエール王国の潜入捜査をしてもらう事を提案したの。
初めは、住まいが移ることに抵抗を示した(様に見えた)ママ鳥も、パパ鳥の説得と、何より青龍の事を気に入った雛鳥の訴え(どうやら青龍は、私がママ鳥の怪我を治してやってた時、雛鳥達と遊んであげていたらしい)に絆され、カルディールに来る事を承諾してくれたんだ。
大きな鳥の家族が来て、最初に喜んだのはナターシャだった。
シアは自分より大きな雛鳥のお姉ちゃんになるのだと言って、雛鳥達の毛繕いをしてやったり、林檎やオレンジ(キラメイは草食なんだって)等の果物を毎日せっせと運んでやっている。
そんなシアの様子に、ママ鳥もシアを受け入れている様だった。
そんな自分の家族達の様子に安心したのか?パパ鳥は、そろそろ私からの依頼を実行すると言い出してくれたんだ。
で冒頭に戻るわけなんだけど
パパ鳥さんには、見たもの全て、録音録画可能な球を、ミサンガに取り付けた状態で、パパの首の羽毛の中に上手に隠れる様に括りつけて貰っている。
そして、ルミエール王国に潜入したら先ず最初に、ユニコーンの仲間の木菟に会ってユニコーンの無事と、ユニコーンが加護を与えていたという長(まぁ多分、ルミエール王国国王の事だと思うけど…)の娘がどうなっているのか?を教えて貰う。
もし仮に娘(長が国王なら、娘は王女よね)が何処かに捕らえられていたのなら、その場所と周りの状況の調査を。その他の場合は、現状の調査をして貰うというのが、パパ鳥にやってもらう任務だ。
「いい?兎に角、パパ鳥さんの行動が魔族に不審がられない様に気をつけてね?危ないと思ったら直ぐに戻ってきて。分かった?」
と言うと、
『案ずるでないぞ聖女殿。某のこの見た目(パパ鳥の見た目は、体毛に覆われたプテラノドンの様な怪鳥なの。)であれば、怪しまれる事もあるまいて。』
とのほほんと答えるパパ鳥に、一抹の不安を覚えるけど、
『大舟に乗ったつもりで、某からの連絡を待たれよ。』
と胸を張るパパにお任せすることにした。
その時
すっかり元気になっていたユニコーンが、息子 マーミリアンを乗せやってきた。
そんなユニコーンに、キラメイパパ鳥は、片脚を折って頭を下げたの。その姿はまるで、武士が主君の前で見せるそれだった。
『ユニコーン様におかれましては、此度の事、真にお辛いことかと存じ候。某が、必ずや姫君のご無事を確認致す故、聖女殿の元でお力を蓄えておいてくだされ。』
『頭を上げてくれ、キラメイよ。こちらこそ、我の都合で、そなたには迷惑をかけてしまう。本当に申し訳ない。』
『勿体のうお言葉にございまする、ユニコーン様。』
『聖女殿も申していたとは思うが、無理だと思ったら直ぐに撤退して欲しい。そなたには大事な家族がいるのだから。』
『畏まってございまする、ユニコーン様。では某、そろそろ参ります故、御前を失礼つかまつりまする。』
と言ってキラメイパパはその大きな翼を広げ、ルミエール王国へと飛び立って言った。
「無理しないようにね、パパ鳥さ~ん!」
私はそう言ってパパ鳥に手を振ったんだ。
『某の任務にかける心意気は満ち足りておるぞ聖女殿。』
ここはカルディール伯爵領内にある、屋敷の庭。
私は、パパ鳥がルミエール王国に潜入捜査の為、奥さんと子供達から離れてしまう事で、今回のように、ママ鳥さんだけじゃ雛鳥達を守れないかもしれないと考え、キラメイ家族をカルディール領に一時的に避難させ安全を確保したうえで、パパ鳥にルミエール王国の潜入捜査をしてもらう事を提案したの。
初めは、住まいが移ることに抵抗を示した(様に見えた)ママ鳥も、パパ鳥の説得と、何より青龍の事を気に入った雛鳥の訴え(どうやら青龍は、私がママ鳥の怪我を治してやってた時、雛鳥達と遊んであげていたらしい)に絆され、カルディールに来る事を承諾してくれたんだ。
大きな鳥の家族が来て、最初に喜んだのはナターシャだった。
シアは自分より大きな雛鳥のお姉ちゃんになるのだと言って、雛鳥達の毛繕いをしてやったり、林檎やオレンジ(キラメイは草食なんだって)等の果物を毎日せっせと運んでやっている。
そんなシアの様子に、ママ鳥もシアを受け入れている様だった。
そんな自分の家族達の様子に安心したのか?パパ鳥は、そろそろ私からの依頼を実行すると言い出してくれたんだ。
で冒頭に戻るわけなんだけど
パパ鳥さんには、見たもの全て、録音録画可能な球を、ミサンガに取り付けた状態で、パパの首の羽毛の中に上手に隠れる様に括りつけて貰っている。
そして、ルミエール王国に潜入したら先ず最初に、ユニコーンの仲間の木菟に会ってユニコーンの無事と、ユニコーンが加護を与えていたという長(まぁ多分、ルミエール王国国王の事だと思うけど…)の娘がどうなっているのか?を教えて貰う。
もし仮に娘(長が国王なら、娘は王女よね)が何処かに捕らえられていたのなら、その場所と周りの状況の調査を。その他の場合は、現状の調査をして貰うというのが、パパ鳥にやってもらう任務だ。
「いい?兎に角、パパ鳥さんの行動が魔族に不審がられない様に気をつけてね?危ないと思ったら直ぐに戻ってきて。分かった?」
と言うと、
『案ずるでないぞ聖女殿。某のこの見た目(パパ鳥の見た目は、体毛に覆われたプテラノドンの様な怪鳥なの。)であれば、怪しまれる事もあるまいて。』
とのほほんと答えるパパ鳥に、一抹の不安を覚えるけど、
『大舟に乗ったつもりで、某からの連絡を待たれよ。』
と胸を張るパパにお任せすることにした。
その時
すっかり元気になっていたユニコーンが、息子 マーミリアンを乗せやってきた。
そんなユニコーンに、キラメイパパ鳥は、片脚を折って頭を下げたの。その姿はまるで、武士が主君の前で見せるそれだった。
『ユニコーン様におかれましては、此度の事、真にお辛いことかと存じ候。某が、必ずや姫君のご無事を確認致す故、聖女殿の元でお力を蓄えておいてくだされ。』
『頭を上げてくれ、キラメイよ。こちらこそ、我の都合で、そなたには迷惑をかけてしまう。本当に申し訳ない。』
『勿体のうお言葉にございまする、ユニコーン様。』
『聖女殿も申していたとは思うが、無理だと思ったら直ぐに撤退して欲しい。そなたには大事な家族がいるのだから。』
『畏まってございまする、ユニコーン様。では某、そろそろ参ります故、御前を失礼つかまつりまする。』
と言ってキラメイパパはその大きな翼を広げ、ルミエール王国へと飛び立って言った。
「無理しないようにね、パパ鳥さ~ん!」
私はそう言ってパパ鳥に手を振ったんだ。
0
お気に入りに追加
2,553
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されて勝利宣言する令嬢の話
Ryo-k
ファンタジー
「セレスティーナ・ルーベンブルク! 貴様との婚約を破棄する!!」
「よっしゃー!! ありがとうございます!!」
婚約破棄されたセレスティーナは国王との賭けに勝利した。
果たして国王との賭けの内容とは――
婚約破棄された令嬢のささやかな幸福
香木陽灯(旧:香木あかり)
恋愛
田舎の伯爵令嬢アリシア・ローデンには婚約者がいた。
しかし婚約者とアリシアの妹が不貞を働き、子を身ごもったのだという。
「結婚は家同士の繋がり。二人が結ばれるなら私は身を引きましょう。どうぞお幸せに」
婚約破棄されたアリシアは潔く身を引くことにした。
婚約破棄という烙印が押された以上、もう結婚は出来ない。
ならば一人で生きていくだけ。
アリシアは王都の外れにある小さな家を買い、そこで暮らし始める。
「あぁ、最高……ここなら一人で自由に暮らせるわ!」
初めての一人暮らしを満喫するアリシア。
趣味だった刺繍で生計が立てられるようになった頃……。
「アリシア、頼むから戻って来てくれ! 俺と結婚してくれ……!」
何故か元婚約者がやってきて頭を下げたのだ。
しかし丁重にお断りした翌日、
「お姉様、お願いだから戻ってきてください! あいつの相手はお姉様じゃなきゃ無理です……!」
妹までもがやってくる始末。
しかしアリシアは微笑んで首を横に振るばかり。
「私はもう結婚する気も家に戻る気もありませんの。どうぞお幸せに」
家族や婚約者は知らないことだったが、実はアリシアは幸せな生活を送っていたのだった。
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………
naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話………
でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ?
まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら?
少女はパタンッと本を閉じる。
そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて──
アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな!
くははははっ!!!
静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
元聖女だった少女は我が道を往く
春の小径
ファンタジー
突然入ってきた王子や取り巻きたちに聖室を荒らされた。
彼らは先代聖女様の棺を蹴り倒し、聖石まで蹴り倒した。
「聖女は必要がない」と言われた新たな聖女になるはずだったわたし。
その言葉は取り返しのつかない事態を招く。
でも、もうわたしには関係ない。
だって神に見捨てられたこの世界に聖女は二度と現れない。
わたしが聖女となることもない。
─── それは誓約だったから
☆これは聖女物ではありません
☆他社でも公開はじめました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる