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第7章 番外編(ルミエール王国奪還 〜準備編)
身から出た錆?!
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私の再生魔法で伸びた蔦に体の自由を奪われた男性は、私の
「洗いざらい吐いて貰いましょうか!」
の言葉にとても怯えた表情を浮かべていた。
もう!失礼しちゃうわ
そんなに怯えなくたっていいじゃない
『我が主よ。あの様な言い方では、誰でも怯えるぞ?』
と、首に巻き付く青龍が揶揄ってくる。
私はちょっとだけイラッとしつつも、
「私はマコ=カルディール。リューベック=カルディール伯爵の妻で、異世界から召喚された女神イズール様の愛し子よ。貴方の名前は?」
と男性に名乗るよう促したのに、彼は俯き口を閉ざした。
ちょっとだけイラつきが増した私は、
「あら?名乗れないの?なら良いわ。自白魔法で強制的に名乗らせるから。先に言っとくけど、自白魔法をかけられると体に相当なダメージがあるから覚悟しといてね?(って、そんな魔法はないんだけど)」
と言って、目をつぶって何やらそれっぽい呪文を唱えようと手を胸の前で組んだ。
すると、
「お、俺…わ、私はマイルス、です。平民なので家名はございません。」
片目を開けてやっと名前を言ったマイルスさんを見つつ、
「そう。マイルスさんね?で、貴方は冒険者なのかしら?見たところそうは見えないんだけど。」
と、座り込むマイルスさんを今度は両目でじっくり観察しながらそう言った。が、
「私は、ぼ、冒険者です!」
と明らかに嘘と分かる言葉を言ったから、
「そう?冒険者なら当然ギルドを通して依頼を受けたのよね?依頼書見せなさい?」
と脅してみた。
「え?依頼書?……い、依頼書はあの鳥が持ってる鞄の「中にあるって?」は、はい!」
「嘘おっしゃい!」
「え?なッ!?」
「あのね。冒険者は依頼書は紙で持ってるわけじゃないの!ギルドから発行されてるギルドのプレートに記録してあるの!そんな事も知らないなんて貴方、絶対冒険者じゃないわよね?」
「…………」
「どうせギルドを通してなんか無いんでしょ?通せるわけないわよね?だって違法の匂いしかしないもの。で?依頼者は誰?」
「…………」
「依頼者が誰か?って聞いてんのよッ!」
『主よ。落ち着け』
「いいわ。言わないのなら~」
と青龍の言葉をスルーし、私はまたさっきのなんちゃって詠唱を唱えるポーズをした。
すると
「い、言います言います!」
とマイルスさんはその場に四角く座り、ことの経緯を話始めたの。
「俺は、ジンバル男爵家の庭師の弟子です。勿論、冒険者なんかじゃありません。今此処に俺が居るのは…実は奥様のせいなんです。師匠の話だと、そこの奥様が突然、永遠の美貌を手に入れたい。キラメイの雛鳥の血を飲むと良いと噂を聞いた事がある。キラメイの雛鳥を取って来て欲しいと旦那様にそう仰ったそうで、旦那様は俺に白羽の矢を立てたんだそうです。」
「何故庭師の弟子の貴方に?」
「俺の見た目のせいだと思います。」
そう言われて失礼を承知でジロジロとマイルスさんを見てみた。
(なるほどね~。ガタイもいいし、強面だし?一見すると魔獣とも渡り合えそうな感じよね。ま、本当はただのド素人だけどね。)
「確かにそのようね。でもね、雇い主からの命令とはいえ、勝手に魔獣を狩るのは違反行為なのよ。」
『主もギルドを通してないが、主は違うのか?』
と思念でそう伝えてくる青龍に「全然違うし」と思念で返し、
「でも…このまま何も持たずにお屋敷に帰ったら、貴方の身が危なくなっちゃうわよね。う~ん……あ!そうだ」
私は異空間鞄の中をゴソゴソと漁り、
「はい!これあげる」
とマイルスさんに瓶を5本程差し出したの。
「洗いざらい吐いて貰いましょうか!」
の言葉にとても怯えた表情を浮かべていた。
もう!失礼しちゃうわ
そんなに怯えなくたっていいじゃない
『我が主よ。あの様な言い方では、誰でも怯えるぞ?』
と、首に巻き付く青龍が揶揄ってくる。
私はちょっとだけイラッとしつつも、
「私はマコ=カルディール。リューベック=カルディール伯爵の妻で、異世界から召喚された女神イズール様の愛し子よ。貴方の名前は?」
と男性に名乗るよう促したのに、彼は俯き口を閉ざした。
ちょっとだけイラつきが増した私は、
「あら?名乗れないの?なら良いわ。自白魔法で強制的に名乗らせるから。先に言っとくけど、自白魔法をかけられると体に相当なダメージがあるから覚悟しといてね?(って、そんな魔法はないんだけど)」
と言って、目をつぶって何やらそれっぽい呪文を唱えようと手を胸の前で組んだ。
すると、
「お、俺…わ、私はマイルス、です。平民なので家名はございません。」
片目を開けてやっと名前を言ったマイルスさんを見つつ、
「そう。マイルスさんね?で、貴方は冒険者なのかしら?見たところそうは見えないんだけど。」
と、座り込むマイルスさんを今度は両目でじっくり観察しながらそう言った。が、
「私は、ぼ、冒険者です!」
と明らかに嘘と分かる言葉を言ったから、
「そう?冒険者なら当然ギルドを通して依頼を受けたのよね?依頼書見せなさい?」
と脅してみた。
「え?依頼書?……い、依頼書はあの鳥が持ってる鞄の「中にあるって?」は、はい!」
「嘘おっしゃい!」
「え?なッ!?」
「あのね。冒険者は依頼書は紙で持ってるわけじゃないの!ギルドから発行されてるギルドのプレートに記録してあるの!そんな事も知らないなんて貴方、絶対冒険者じゃないわよね?」
「…………」
「どうせギルドを通してなんか無いんでしょ?通せるわけないわよね?だって違法の匂いしかしないもの。で?依頼者は誰?」
「…………」
「依頼者が誰か?って聞いてんのよッ!」
『主よ。落ち着け』
「いいわ。言わないのなら~」
と青龍の言葉をスルーし、私はまたさっきのなんちゃって詠唱を唱えるポーズをした。
すると
「い、言います言います!」
とマイルスさんはその場に四角く座り、ことの経緯を話始めたの。
「俺は、ジンバル男爵家の庭師の弟子です。勿論、冒険者なんかじゃありません。今此処に俺が居るのは…実は奥様のせいなんです。師匠の話だと、そこの奥様が突然、永遠の美貌を手に入れたい。キラメイの雛鳥の血を飲むと良いと噂を聞いた事がある。キラメイの雛鳥を取って来て欲しいと旦那様にそう仰ったそうで、旦那様は俺に白羽の矢を立てたんだそうです。」
「何故庭師の弟子の貴方に?」
「俺の見た目のせいだと思います。」
そう言われて失礼を承知でジロジロとマイルスさんを見てみた。
(なるほどね~。ガタイもいいし、強面だし?一見すると魔獣とも渡り合えそうな感じよね。ま、本当はただのド素人だけどね。)
「確かにそのようね。でもね、雇い主からの命令とはいえ、勝手に魔獣を狩るのは違反行為なのよ。」
『主もギルドを通してないが、主は違うのか?』
と思念でそう伝えてくる青龍に「全然違うし」と思念で返し、
「でも…このまま何も持たずにお屋敷に帰ったら、貴方の身が危なくなっちゃうわよね。う~ん……あ!そうだ」
私は異空間鞄の中をゴソゴソと漁り、
「はい!これあげる」
とマイルスさんに瓶を5本程差し出したの。
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