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第7章 番外編(ルミエール王国奪還 〜準備編)
ルミエール王国
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その夜私は、夫であるリックからルミエール王国についての話を寝室のソファに座って聞いた。
【ルミエール王国】
人口約…26万人
土地面積…331k㎡
特徴…国土の約半分が山林,農業・酪農・林業が盛ん,(聖獣ユニコーンの加護を受けていた)
人柄…おおらかで純粋(純朴),人懐っこい,信仰心が厚い
ざっくり言うとこんな感じね
そうかぁ…
信仰心が厚いせいで、ユニコーンが不在の間に乗っ取られちゃったってわけね。
って事は…魔族は心理戦が上手い?
そう言えば元の世界で、母方のおばあちゃんがよく言ってたわね
『鰯の頭も信心から』って
この世界もきっと信仰心は自由なんだと思うのよね。
この国は女神イズールが信じられてるけど、他所の国はまた違う神様(お隣のルミエール王国は神様じゃなかったけど)とかがいて、それを信じてるんでしょうし。
「ね?リック。」
「どうしたマコ」
「ルミエール王国を支配してる魔族ってどんな感じなの?」
私が、リックから聞いたルミエール王国についてあれこれ考えていた間に、リックは本を読んでいたの。それも『地下に封印されし一族』ってタイトルの本を。
リックはその本のとあるページを指し示して、
「本によると、魔族は5000年程前に、隣国ルミエール王国の更に向こうにあるハンドラー帝国に現れた勇者バンザによって地底深くに追いやられた。そしてバンザは地底と地上を繋ぐその入り口には祠を建て、結界を張り魔族を封印したとある。ハンドラー帝国は魔族からの侵攻に長年苦しめられていたが、突然どこからともなく現れた勇者バンザが、帝国の聖なる御神木に刺さっていた、誰も抜く事が出来なかったとされる聖なる剣を軽々と抜いてみせると、ハンドラー帝国に侵攻してきた魔族をたちどころに追い詰め、封印に至ったとされている。」
「ふぅん……。聖なる剣で魔族を封印した勇者様がいたわけね。」
「そうみたいだな」
「でも……なんでその封印された筈の魔族が出てきちゃったんだろ?」
「ハンドラー帝国は、今から3000年程前に消滅したそうだぞ。どうやら戦に負けたらしい。」
「そうなんだ…敗戦国なわけか」
「当時ハンドラー帝国があった所は今は荒野になっているらしい。だから、祠を守る結界を張り続ける者がいなくなり、封印が解けてしまったんだろう。」
「そうなんだね。でもなんで魔族はルミエール王国を?」
「あぁそれについては歴史書にこんな事が書かれていたぞ。」
そう言ってリックはソファから立ち上がり、ベッドの横に置いてあるサイドチェストの1番上の引き出しから1枚の紙を取り出すと、再び私の横に座り、それを私に見せてくれた。
その紙には、リックの字でこう書かれていたの。
『ハンドラー帝国を魔族から救った勇者バンザは、当時帝国を治めていた皇帝の娘と結婚し、後に皇帝となってハンドラー帝国を治めた。
ハンドラー帝国が戦で負けて滅亡してしまったが、どうやら帝国民の1部と、それに紛れて勇者の子孫(皇帝継承権は無い可能性有り)も一緒にルミエール王国に入り、一国民として生活していた。』
「毎日忙しいのに、色々調べてくれてありがとう、リック」
とお礼を言えば、
「俺はマコの夫だからな」
と私のこめかみに、チュッと軽いキスを落とすリック。
結婚してまあまあな年月を経たのに、いつまでも私の旦那様は甘々だ。だって、このハンドラー帝国の事だって魔族の事だって、自身が治める伯爵領とお義父様が治められている隣りの侯爵領の2つの領地の騎士団長をしながら調べてくれたのだから。
お礼を込めて私からもリックの頬にキスをすると、それが引き金となったのか?リックがソファに座る私の膝裏と背中に腕を入れ軽々と私を持ち上げた。
ソファからベッドへ移動している間、(魔族がルミエール王国を自分達の物にしようとしているのは、その"勇者様の子孫”に復讐したいからなのかもね。)と考えていたら、
「今はこっちだ」
とリックに甘く囁かれてしまい、考えを強制終了させられたの。
その後どうなったのか?はご想像にお任せするわね。
【ルミエール王国】
人口約…26万人
土地面積…331k㎡
特徴…国土の約半分が山林,農業・酪農・林業が盛ん,(聖獣ユニコーンの加護を受けていた)
人柄…おおらかで純粋(純朴),人懐っこい,信仰心が厚い
ざっくり言うとこんな感じね
そうかぁ…
信仰心が厚いせいで、ユニコーンが不在の間に乗っ取られちゃったってわけね。
って事は…魔族は心理戦が上手い?
そう言えば元の世界で、母方のおばあちゃんがよく言ってたわね
『鰯の頭も信心から』って
この世界もきっと信仰心は自由なんだと思うのよね。
この国は女神イズールが信じられてるけど、他所の国はまた違う神様(お隣のルミエール王国は神様じゃなかったけど)とかがいて、それを信じてるんでしょうし。
「ね?リック。」
「どうしたマコ」
「ルミエール王国を支配してる魔族ってどんな感じなの?」
私が、リックから聞いたルミエール王国についてあれこれ考えていた間に、リックは本を読んでいたの。それも『地下に封印されし一族』ってタイトルの本を。
リックはその本のとあるページを指し示して、
「本によると、魔族は5000年程前に、隣国ルミエール王国の更に向こうにあるハンドラー帝国に現れた勇者バンザによって地底深くに追いやられた。そしてバンザは地底と地上を繋ぐその入り口には祠を建て、結界を張り魔族を封印したとある。ハンドラー帝国は魔族からの侵攻に長年苦しめられていたが、突然どこからともなく現れた勇者バンザが、帝国の聖なる御神木に刺さっていた、誰も抜く事が出来なかったとされる聖なる剣を軽々と抜いてみせると、ハンドラー帝国に侵攻してきた魔族をたちどころに追い詰め、封印に至ったとされている。」
「ふぅん……。聖なる剣で魔族を封印した勇者様がいたわけね。」
「そうみたいだな」
「でも……なんでその封印された筈の魔族が出てきちゃったんだろ?」
「ハンドラー帝国は、今から3000年程前に消滅したそうだぞ。どうやら戦に負けたらしい。」
「そうなんだ…敗戦国なわけか」
「当時ハンドラー帝国があった所は今は荒野になっているらしい。だから、祠を守る結界を張り続ける者がいなくなり、封印が解けてしまったんだろう。」
「そうなんだね。でもなんで魔族はルミエール王国を?」
「あぁそれについては歴史書にこんな事が書かれていたぞ。」
そう言ってリックはソファから立ち上がり、ベッドの横に置いてあるサイドチェストの1番上の引き出しから1枚の紙を取り出すと、再び私の横に座り、それを私に見せてくれた。
その紙には、リックの字でこう書かれていたの。
『ハンドラー帝国を魔族から救った勇者バンザは、当時帝国を治めていた皇帝の娘と結婚し、後に皇帝となってハンドラー帝国を治めた。
ハンドラー帝国が戦で負けて滅亡してしまったが、どうやら帝国民の1部と、それに紛れて勇者の子孫(皇帝継承権は無い可能性有り)も一緒にルミエール王国に入り、一国民として生活していた。』
「毎日忙しいのに、色々調べてくれてありがとう、リック」
とお礼を言えば、
「俺はマコの夫だからな」
と私のこめかみに、チュッと軽いキスを落とすリック。
結婚してまあまあな年月を経たのに、いつまでも私の旦那様は甘々だ。だって、このハンドラー帝国の事だって魔族の事だって、自身が治める伯爵領とお義父様が治められている隣りの侯爵領の2つの領地の騎士団長をしながら調べてくれたのだから。
お礼を込めて私からもリックの頬にキスをすると、それが引き金となったのか?リックがソファに座る私の膝裏と背中に腕を入れ軽々と私を持ち上げた。
ソファからベッドへ移動している間、(魔族がルミエール王国を自分達の物にしようとしているのは、その"勇者様の子孫”に復讐したいからなのかもね。)と考えていたら、
「今はこっちだ」
とリックに甘く囁かれてしまい、考えを強制終了させられたの。
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