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第6章 番外編(聖獣ユニコーンとの出会い)
有翼のユニコーン
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「え?白馬は……ほ…本当に聖獣のユニコーン様……なのですか?」
『今の我の姿を見れば分かるであろう。』
と白馬……いやユニコーン様からそう言われ、彼の身体を再度確認した。
確かに文献等に書かれた、伝説のユニコーンと同じく、額には立派な角がある。が、何故かペガサスと同じ大きく立派な翼があった。
「聖獣ユニコーン様。一つ教えて貰っても良いですか?」
と私はユニコーン様に話しかけた。
『如何した?マーミリアンよ。』
「本来ユニコーンには貴方様に、立派な翼は無いと文献で読んだ事があります。」
『あぁ、そうであるな。だがな、この翼は聖女マコの魔力のせい故、私にも分からんのだ。』
そう言ってユニコーン様は首を振った。
「あら?ユニコーンに、翼って無かったの?」
とあっけらかんと仰る母上に、
『ない』
と告げるユニコーン様。
『有翼のユニコーンが実在するにはする。が、有翼のユニコーンは、邪神と言われる事もあるのだ。そして私には元々翼が生える予定では無かった。』
「あら、そうなの?でもおかしいわね~。あなたの身体を診た時に、確かに翼になる予兆が体内に視えたのに。」
『予兆だと?』
「そうよ?今まさにこの翼が生えてる部分にね、翼になりそうなモノが視えたから、あぁ、将来翼になるんだなぁって。だったら立派なのが良いわよね~ってなって、魔力流しちゃったのよ……。でも…邪神だなんて……。ごめんなさいね。なんか悪い事しゃったわ。」
と悲しげに瞳を揺らす母上。
『気にせずともよい、聖女マコ。確かに有翼のユニコーンは邪神だと云われるが、我はそれを覆してみせる故。それに我の体内に有翼になる予兆があったのであれば、何か理由があるのであろう。我はそれを突き止めたいと思っている。』
と、余計な事をしてしまったと落ち込む母上を慰めておられるユニコーン様。
「聖獣ユニコーン様。母上は、傷付いた貴方様を治す為に回復魔法と治癒魔法をかけながら、同時に何者かから受けたと思われる呪いを解術したと話してくれました。」
『呪いだと?それは真か?』
「えぇそうよ。貴方は何か得体の知れないモノによる呪いの術をかけられてたの。」
私の"呪い”という言葉に、母上にその真偽を問うユニコーン様。
母上から肯定され、動揺を見せるユニコーン様に、
「もしかしたらですが、ユニコーン様の翼とその呪いとは、何か関係があるのかもしれません。」
と、母上からお聞きした呪いについて考えていた事を述べると、
『そうやもしれぬ。何故なら我を痛めつけたのは、魔族に操られた人間達であったのだから。』
と、ユニコーン様は苦しそうに顔を歪められそう答えられたんだ。
『今の我の姿を見れば分かるであろう。』
と白馬……いやユニコーン様からそう言われ、彼の身体を再度確認した。
確かに文献等に書かれた、伝説のユニコーンと同じく、額には立派な角がある。が、何故かペガサスと同じ大きく立派な翼があった。
「聖獣ユニコーン様。一つ教えて貰っても良いですか?」
と私はユニコーン様に話しかけた。
『如何した?マーミリアンよ。』
「本来ユニコーンには貴方様に、立派な翼は無いと文献で読んだ事があります。」
『あぁ、そうであるな。だがな、この翼は聖女マコの魔力のせい故、私にも分からんのだ。』
そう言ってユニコーン様は首を振った。
「あら?ユニコーンに、翼って無かったの?」
とあっけらかんと仰る母上に、
『ない』
と告げるユニコーン様。
『有翼のユニコーンが実在するにはする。が、有翼のユニコーンは、邪神と言われる事もあるのだ。そして私には元々翼が生える予定では無かった。』
「あら、そうなの?でもおかしいわね~。あなたの身体を診た時に、確かに翼になる予兆が体内に視えたのに。」
『予兆だと?』
「そうよ?今まさにこの翼が生えてる部分にね、翼になりそうなモノが視えたから、あぁ、将来翼になるんだなぁって。だったら立派なのが良いわよね~ってなって、魔力流しちゃったのよ……。でも…邪神だなんて……。ごめんなさいね。なんか悪い事しゃったわ。」
と悲しげに瞳を揺らす母上。
『気にせずともよい、聖女マコ。確かに有翼のユニコーンは邪神だと云われるが、我はそれを覆してみせる故。それに我の体内に有翼になる予兆があったのであれば、何か理由があるのであろう。我はそれを突き止めたいと思っている。』
と、余計な事をしてしまったと落ち込む母上を慰めておられるユニコーン様。
「聖獣ユニコーン様。母上は、傷付いた貴方様を治す為に回復魔法と治癒魔法をかけながら、同時に何者かから受けたと思われる呪いを解術したと話してくれました。」
『呪いだと?それは真か?』
「えぇそうよ。貴方は何か得体の知れないモノによる呪いの術をかけられてたの。」
私の"呪い”という言葉に、母上にその真偽を問うユニコーン様。
母上から肯定され、動揺を見せるユニコーン様に、
「もしかしたらですが、ユニコーン様の翼とその呪いとは、何か関係があるのかもしれません。」
と、母上からお聞きした呪いについて考えていた事を述べると、
『そうやもしれぬ。何故なら我を痛めつけたのは、魔族に操られた人間達であったのだから。』
と、ユニコーン様は苦しそうに顔を歪められそう答えられたんだ。
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