44 / 85
第4章 マコこそが真の聖女
愛し子の本気とざまぁ~魔獣の森へ編 2〜
しおりを挟む
魔獣の森を出て3時間程西に進むと、私達が以前魔力増加の修行の際、ドロップアウトした物を買ってくれたギルドがある街がある。
その街は、領地から本来なら5日かかる道のりなのだが。私達は2日で到着した。
何故なら私は、マークが途中で飲む水にも食べる餌にも全て回復魔法をかけていたからだ。
その為、マークは疲れる事無く走り続けてくれたからだった。
街に着いた私達はマークから降り、彼を引いて目指すギルドへむかった。
ギルド前に着くと、私は
「マーク、ありがとう。」
と鼻筋を撫でた。すると、
「マーク、ご苦労だった。」
とマークの腹をポンポンと叩いて、リックもマークを労う。
マークは嬉しそうにヒヒンと小さく鳴いた。
ギルドの馬留めにマークを預け、餌箱を借りマークの為に新鮮な草や野菜を異空間から出し餌箱に入れた。勿論水もいっぱい飲ませ、休憩もさせた。
マークに休憩をさせている間に、私達はギルドの門を叩いた。
「おお!誰かと思えば、リューベック様とお嬢さんじゃないか。今日は何用だ?」
と気のいいギルド長が出てきて、そう聞かれた。
「回復ポーションをありったけ頂戴。」
「はぁ?ありったけて、お嬢さん。いったい何をやらか……え?ま、まさか!!」
リックは驚愕するギルド長の肩を叩き、
「ハミルが想像している答えのとおり。俺達は明日、夜明けを待って、魔獣の森へ行く。」
と答えた。
「魔獣の森といったら、今王都の騎士団が入ってると聞いてるぞ。お嬢さんはその応援要員なのか?」
「うん、そんなところよ。」
「そうか…。ん~……よし!俺が扱っている最高級の回復ポーションを持ってきてやる。ちょっと待っててくれ。」
そう言ってギルド長ハミルは、店の奥に入って行ったかと思うと、オレンジ色の液体が入った小瓶を20本持って戻ってきた。
私はお金を払おうと肩にかけたずた袋を降ろそうとした時、
「前にお嬢さんから教わった【貸し寝袋】が冒険者達に当たってな?笑いが止まらなくなるほど稼がせて貰っているから、ポーション代なんていらないぜ。」
と言われ、袋を降ろす手を止めた。
「代わりと言っちゃなんだが…お嬢さん。寝袋に回復魔法をかけてくれると嬉しいんだが。」
と言われ、二つ返事で倉庫にある全ての寝袋に回復魔法を施した。
【貸寝袋】とは、文字通りレンタルの寝袋の事。
以前キャシーさんから渡された寝袋は、中身が藁で寝心地は悪いし寒いしで、お世辞にも良いものとは言えなかった。
だから、畑で綿花を作る為に商人から種を買い付け大量に綿を作り、その綿花で子供達の布団を打ち直しをする為、アマンダさんの所からこれまた大量に生地を買い付けした。
その時閃いた事が、寝袋を作る事だ。
背の高いリックや、恰幅のいい建具屋のハンスさんに協力して貰い、寝袋を作ったんだ。
それをギルドに売りつけたんだけど、それがどうやら冒険者達にウケたらしい。
うん。良かったよかった。
その後私達は、ギルド長ハミルさんの口利きで、この街最高級の宿屋に泊まり、明日から始まる戦いを思い、静かに英気を養うのだった。
その街は、領地から本来なら5日かかる道のりなのだが。私達は2日で到着した。
何故なら私は、マークが途中で飲む水にも食べる餌にも全て回復魔法をかけていたからだ。
その為、マークは疲れる事無く走り続けてくれたからだった。
街に着いた私達はマークから降り、彼を引いて目指すギルドへむかった。
ギルド前に着くと、私は
「マーク、ありがとう。」
と鼻筋を撫でた。すると、
「マーク、ご苦労だった。」
とマークの腹をポンポンと叩いて、リックもマークを労う。
マークは嬉しそうにヒヒンと小さく鳴いた。
ギルドの馬留めにマークを預け、餌箱を借りマークの為に新鮮な草や野菜を異空間から出し餌箱に入れた。勿論水もいっぱい飲ませ、休憩もさせた。
マークに休憩をさせている間に、私達はギルドの門を叩いた。
「おお!誰かと思えば、リューベック様とお嬢さんじゃないか。今日は何用だ?」
と気のいいギルド長が出てきて、そう聞かれた。
「回復ポーションをありったけ頂戴。」
「はぁ?ありったけて、お嬢さん。いったい何をやらか……え?ま、まさか!!」
リックは驚愕するギルド長の肩を叩き、
「ハミルが想像している答えのとおり。俺達は明日、夜明けを待って、魔獣の森へ行く。」
と答えた。
「魔獣の森といったら、今王都の騎士団が入ってると聞いてるぞ。お嬢さんはその応援要員なのか?」
「うん、そんなところよ。」
「そうか…。ん~……よし!俺が扱っている最高級の回復ポーションを持ってきてやる。ちょっと待っててくれ。」
そう言ってギルド長ハミルは、店の奥に入って行ったかと思うと、オレンジ色の液体が入った小瓶を20本持って戻ってきた。
私はお金を払おうと肩にかけたずた袋を降ろそうとした時、
「前にお嬢さんから教わった【貸し寝袋】が冒険者達に当たってな?笑いが止まらなくなるほど稼がせて貰っているから、ポーション代なんていらないぜ。」
と言われ、袋を降ろす手を止めた。
「代わりと言っちゃなんだが…お嬢さん。寝袋に回復魔法をかけてくれると嬉しいんだが。」
と言われ、二つ返事で倉庫にある全ての寝袋に回復魔法を施した。
【貸寝袋】とは、文字通りレンタルの寝袋の事。
以前キャシーさんから渡された寝袋は、中身が藁で寝心地は悪いし寒いしで、お世辞にも良いものとは言えなかった。
だから、畑で綿花を作る為に商人から種を買い付け大量に綿を作り、その綿花で子供達の布団を打ち直しをする為、アマンダさんの所からこれまた大量に生地を買い付けした。
その時閃いた事が、寝袋を作る事だ。
背の高いリックや、恰幅のいい建具屋のハンスさんに協力して貰い、寝袋を作ったんだ。
それをギルドに売りつけたんだけど、それがどうやら冒険者達にウケたらしい。
うん。良かったよかった。
その後私達は、ギルド長ハミルさんの口利きで、この街最高級の宿屋に泊まり、明日から始まる戦いを思い、静かに英気を養うのだった。
10
お気に入りに追加
2,554
あなたにおすすめの小説


婚約者の様子がおかしいので尾行したら、隠し妻と子供がいました
Kouei
恋愛
婚約者の様子がおかしい…
ご両親が事故で亡くなったばかりだと分かっているけれど…何かがおかしいわ。
忌明けを過ぎて…もう2か月近く会っていないし。
だから私は婚約者を尾行した。
するとそこで目にしたのは、婚約者そっくりの小さな男の子と美しい女性と一緒にいる彼の姿だった。
まさかっ 隠し妻と子供がいたなんて!!!
※誤字脱字報告ありがとうございます。
※この作品は、他サイトにも投稿しています。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる