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第4章 マコこそが真の聖女
それぞれの聖女
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私の目の前で倒れた王様。
カイル様に助けてくれと言われたけど、私は本物の聖女じゃない。
私をこの世界に連れて来てくれたのは、本当の女神様じゃなかったから。
捨てられる……嫌だ!カイル様と別れたくない!
でも……。その場に立ちすくむ私の手を強引に引っ張って、マコ様は王様を助けなさいって言うの。
私には出来ないのに、マコ様はやりなさいって……
そんな意地悪言わなくたっていいじゃない!マコ様がやればいいのに……って思った。
でもマコ様の強い口調と瞳が、私の逃げを許さなかった。
「両手を王様の心臓の上で重ねて翳して、治って欲しい!て気持ちを込めるの!」
マコ様に言われたとおりに王様の心臓がある場所に手を翳し、【治癒】と唱えた。その瞬間、私は光の中にいて、その光は王様をも包んだ。
私の手から王様の中に光の球みたいなのが入っていく感じがした。
これが聖魔法。
叶わない……こんなの…私には無理……。
お医者様には感謝されたけど、私の力なんかじゃない。
力の差をまざまざと見せつけられ、更に落ち込んでいたら、カイル様がマコ様を呼んでお礼をしている声が聞こえた。
そうだよね。王様助けたのは私じゃない。マコ様だもん。
そして、聖女様と結婚したいと言っていたカイル様は、マコ様と結婚するんだろうな。
2人の話をボーッとしながら聞いていた。
マコ様は、王様を助けたのは私だと言ってくれる。信じられなかったけど、私にはちゃんと魔力があって聖魔法が使えるんだって言ってくれた。
大司教様もそう言ってくれた。
泣きそうだった。
「これからも聖女になれるよう頑張りましょう。」
って言ってくれた大司教様。
こくこくと頷く私に、マコ様も笑ってくれた。
マコ様がリューベック様と結婚するって話はビックリだったけど、お似合いだなって思う。カイル様には可哀想だったけど、私が聖女になるから諦めてね?
本当にありがとう、マコ様。私頑張る。いつか必ず真の聖女様になって、マコ様に報告するんだ。
私はそう決心した。
~チカside~終
*☼*―――*☼*―――*☼*―――*☼*
チカさんの強い意志を持った目を見た。
「彼女はもう大丈夫よね?リック。」
「あぁ。大司教様もついているし大丈夫だ。」
「うん、そうだね。」
「マコ。」
「ん?」
「王妃様と話たいんだろ?」
「分かっちゃった?」
「まぁな。俺はお前の婚約者だからな。」
「そうだね。」
私達は笑い合い、そして、マミエル公爵様にお願いして、王宮のサロンと呼ばれる王妃様のプライベートな部屋に通された。
私は王妃様に、王様と王子様の醜態を暴露した事を謝罪した。
逆に王妃様は、自分の旦那さんと息子が、貴女に酷い事をしたと言って謝ってくれた。
素晴らしい女性だと思った。
私は王様や王子様には内緒で、王妃様に
魔導石と組紐を差し上げた。
組紐の効果は言わずもがなだけど、お渡しした魔導石の効果…それは、テレビ電話みたいな効果を付けておいたもの。
使い方は簡単。
王妃様が魔導石に手を乗せ念じると、私とダイレクトに顔を見ながら話が出来るんだ。
この石のいい所は、持ち主以外が触っても反応しない事と、破壊防止魔法をかけてあるから、余程の事がなき限り壊れることは無いの。
私は、王妃様に何かあれば直ぐに転移魔法で飛んでくると約束をし、王妃様にお別れを言った。
その後私私達はお城を出て、リックのお父様が持つ王都のお屋敷に、リックの愛馬 マークと一緒に向かった。
~マコside~終
カイル様に助けてくれと言われたけど、私は本物の聖女じゃない。
私をこの世界に連れて来てくれたのは、本当の女神様じゃなかったから。
捨てられる……嫌だ!カイル様と別れたくない!
でも……。その場に立ちすくむ私の手を強引に引っ張って、マコ様は王様を助けなさいって言うの。
私には出来ないのに、マコ様はやりなさいって……
そんな意地悪言わなくたっていいじゃない!マコ様がやればいいのに……って思った。
でもマコ様の強い口調と瞳が、私の逃げを許さなかった。
「両手を王様の心臓の上で重ねて翳して、治って欲しい!て気持ちを込めるの!」
マコ様に言われたとおりに王様の心臓がある場所に手を翳し、【治癒】と唱えた。その瞬間、私は光の中にいて、その光は王様をも包んだ。
私の手から王様の中に光の球みたいなのが入っていく感じがした。
これが聖魔法。
叶わない……こんなの…私には無理……。
お医者様には感謝されたけど、私の力なんかじゃない。
力の差をまざまざと見せつけられ、更に落ち込んでいたら、カイル様がマコ様を呼んでお礼をしている声が聞こえた。
そうだよね。王様助けたのは私じゃない。マコ様だもん。
そして、聖女様と結婚したいと言っていたカイル様は、マコ様と結婚するんだろうな。
2人の話をボーッとしながら聞いていた。
マコ様は、王様を助けたのは私だと言ってくれる。信じられなかったけど、私にはちゃんと魔力があって聖魔法が使えるんだって言ってくれた。
大司教様もそう言ってくれた。
泣きそうだった。
「これからも聖女になれるよう頑張りましょう。」
って言ってくれた大司教様。
こくこくと頷く私に、マコ様も笑ってくれた。
マコ様がリューベック様と結婚するって話はビックリだったけど、お似合いだなって思う。カイル様には可哀想だったけど、私が聖女になるから諦めてね?
本当にありがとう、マコ様。私頑張る。いつか必ず真の聖女様になって、マコ様に報告するんだ。
私はそう決心した。
~チカside~終
*☼*―――*☼*―――*☼*―――*☼*
チカさんの強い意志を持った目を見た。
「彼女はもう大丈夫よね?リック。」
「あぁ。大司教様もついているし大丈夫だ。」
「うん、そうだね。」
「マコ。」
「ん?」
「王妃様と話たいんだろ?」
「分かっちゃった?」
「まぁな。俺はお前の婚約者だからな。」
「そうだね。」
私達は笑い合い、そして、マミエル公爵様にお願いして、王宮のサロンと呼ばれる王妃様のプライベートな部屋に通された。
私は王妃様に、王様と王子様の醜態を暴露した事を謝罪した。
逆に王妃様は、自分の旦那さんと息子が、貴女に酷い事をしたと言って謝ってくれた。
素晴らしい女性だと思った。
私は王様や王子様には内緒で、王妃様に
魔導石と組紐を差し上げた。
組紐の効果は言わずもがなだけど、お渡しした魔導石の効果…それは、テレビ電話みたいな効果を付けておいたもの。
使い方は簡単。
王妃様が魔導石に手を乗せ念じると、私とダイレクトに顔を見ながら話が出来るんだ。
この石のいい所は、持ち主以外が触っても反応しない事と、破壊防止魔法をかけてあるから、余程の事がなき限り壊れることは無いの。
私は、王妃様に何かあれば直ぐに転移魔法で飛んでくると約束をし、王妃様にお別れを言った。
その後私私達はお城を出て、リックのお父様が持つ王都のお屋敷に、リックの愛馬 マークと一緒に向かった。
~マコside~終
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