54 / 85
第4章 マコこそが真の聖女
愛し子の本気とざまぁ~イズールの暴露編〜
しおりを挟む
イズール様が霧のスクリーンに映し出したそれは貴族達が眉を顰め、耳を塞ぎたくなる様な王の言葉だった。
「陛下。あの…良かったのでしょうか?」
「良かったとは?」
「チカ殿の光魔法は微弱でした。が、マコ殿はもっと強かったかもしれないのですぞ?」
「司祭も分かっておろう?あの娘、チカとかいったな。あの娘は、おそらくカイルが直ぐに手篭めにする筈だ。あれはずっと聖女と結婚する事だけを望んでおったからな。」
「そ、それでは、事に及ぶ前に聖女の禁忌を殿下に……。」
「いや、その必要は無い。」
「陛下!それでは取り返しがつかなくなって「あの娘も、聖女として召喚されたのなら、禁忌くらい女神から知らされているであろう。カイルもこの国の王子。我が国の事は十分わかっているはずだからな。」」
「では、陛下はこのまま黙っておられると…。」
「その言い方には語弊があるぞ?司教メディサールよ。このまま〖見守る〗のが正解だ。カイルが禁忌を覚えておって、チカに手を出さず清い身体のままでいさせられたのなら、その時はチカに封印をさせればよい。もしそうで無くなったのなら、またイズール様に頼み、別の聖女を召喚して貰えばよいだけの事。違うか?メディサール。」
「は、はぁ……」
あらあら~。司教様困っちゃってんじゃん。王子はまさかの親の言葉に泣きそうだし?
まぁ当たってたっちゃ当たってたけどね。実際手出しちゃったんだもんね。
「では、陛下。もう1人の娘は如何なさるおつもりで?」
「その娘の方は、1度修道院に送り、万が一の時の為に生かしておけ。役に立つ日が来るやもしれん。それに……」
「それに?」
「あの身体付きをメディサールも見たであろう。」
「…………」
「チカが聖女として封印が出来た後に、もう1人娘を王都に呼び戻し、私の愛妾にしてやる。カイルが与えた屈辱を、親の私が寵愛してやれば、あの娘も泣いて喜ぶに違いない。」
うっわぁ、引くわぁ。てか、寵愛とかないわぁ。
ほら、見てよ。貴族の皆さんドン引きしてるじゃない。国のトップがこんなエロ親父とかヤバいよねぇ。
あ~あ。王妃様の額に青筋入っちゃったし。
私知ぃらないっと。
『サルベージ国王よ。そなたは私の愛し子を自身の愛妾にしようと思っていたのですね?』
女神様に問われた王様の顔。青を通り越して白くなっちゃった。
大丈夫かな?治癒魔法と回復魔法かけてあげないとじゃない?チカさん?
あ~あ。王妃様出てっちゃった。
って思ってたら、物凄い音がして、そっちを向いたら王様が泡吹いて倒れてるじゃん。
「へ、陛下!!」
「父上!」
駆け寄る宰相と王子様。
王様は意識を失ったまま動かないし、呼びかけにも無反応。
「チカ!父上を助けてくれ!!」
カイル王子が叫んでるけど、チカさんは震えながら首を振るだけで動かない。
え?あの子まさか、聖魔法使えないの?
「陛下。あの…良かったのでしょうか?」
「良かったとは?」
「チカ殿の光魔法は微弱でした。が、マコ殿はもっと強かったかもしれないのですぞ?」
「司祭も分かっておろう?あの娘、チカとかいったな。あの娘は、おそらくカイルが直ぐに手篭めにする筈だ。あれはずっと聖女と結婚する事だけを望んでおったからな。」
「そ、それでは、事に及ぶ前に聖女の禁忌を殿下に……。」
「いや、その必要は無い。」
「陛下!それでは取り返しがつかなくなって「あの娘も、聖女として召喚されたのなら、禁忌くらい女神から知らされているであろう。カイルもこの国の王子。我が国の事は十分わかっているはずだからな。」」
「では、陛下はこのまま黙っておられると…。」
「その言い方には語弊があるぞ?司教メディサールよ。このまま〖見守る〗のが正解だ。カイルが禁忌を覚えておって、チカに手を出さず清い身体のままでいさせられたのなら、その時はチカに封印をさせればよい。もしそうで無くなったのなら、またイズール様に頼み、別の聖女を召喚して貰えばよいだけの事。違うか?メディサール。」
「は、はぁ……」
あらあら~。司教様困っちゃってんじゃん。王子はまさかの親の言葉に泣きそうだし?
まぁ当たってたっちゃ当たってたけどね。実際手出しちゃったんだもんね。
「では、陛下。もう1人の娘は如何なさるおつもりで?」
「その娘の方は、1度修道院に送り、万が一の時の為に生かしておけ。役に立つ日が来るやもしれん。それに……」
「それに?」
「あの身体付きをメディサールも見たであろう。」
「…………」
「チカが聖女として封印が出来た後に、もう1人娘を王都に呼び戻し、私の愛妾にしてやる。カイルが与えた屈辱を、親の私が寵愛してやれば、あの娘も泣いて喜ぶに違いない。」
うっわぁ、引くわぁ。てか、寵愛とかないわぁ。
ほら、見てよ。貴族の皆さんドン引きしてるじゃない。国のトップがこんなエロ親父とかヤバいよねぇ。
あ~あ。王妃様の額に青筋入っちゃったし。
私知ぃらないっと。
『サルベージ国王よ。そなたは私の愛し子を自身の愛妾にしようと思っていたのですね?』
女神様に問われた王様の顔。青を通り越して白くなっちゃった。
大丈夫かな?治癒魔法と回復魔法かけてあげないとじゃない?チカさん?
あ~あ。王妃様出てっちゃった。
って思ってたら、物凄い音がして、そっちを向いたら王様が泡吹いて倒れてるじゃん。
「へ、陛下!!」
「父上!」
駆け寄る宰相と王子様。
王様は意識を失ったまま動かないし、呼びかけにも無反応。
「チカ!父上を助けてくれ!!」
カイル王子が叫んでるけど、チカさんは震えながら首を振るだけで動かない。
え?あの子まさか、聖魔法使えないの?
6
お気に入りに追加
2,553
あなたにおすすめの小説


側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる