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第4章 マコこそが真の聖女
愛し子の本気とざまぁ~女神イズールの降臨編〜
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「女神イズール様。私の声にお応え下さりありがとうございます。」
『良いのです。マコは私の愛し子なのですから。して、何の用なのですか?』
「私と同じ時に召喚されたチカさんの事なのですが…。チカさんもイズール様の愛し子なのでしょうか?」
『いいえ。それは違うわ。愛し子は貴女だけよ?マコ。』
「では、チカさんは一体誰が召喚を?」
『チカを召喚したのは私ではありません。チカを召喚したのはカリーヌという名の女神です。カリーヌは、マコ、貴女の十数代前の聖女であり、チカの遠い祖先でもあります。』
女神様の言葉に、過去の文献から知識を得てるぽい大司教様が頷いてるから、どうやらホントらしいな。
「つまり、可愛い子孫の為に、昔自分が守ったこの国にチカさんを召喚なさったと?」
『そうです。そしてカリーヌは、私にその事を報告しませんでした。』
「そうだったのですね。では、何故女神カリーヌ様は、チカさんに聖女の禁忌を教えなかったのですか?」
『それは……カリーヌも、私に召喚されて直ぐ、当時の国王により純潔を散らされてしまった。だからその事を知らなかったのです。』
「歴史は繰り返すですか……とても残念な事ですね。」
『ええ。私としても、とても残念でした。』
イズール様と私のちょっと芝居がかったやり取りを、シーンと静まりかえって聞いてる貴族もいるのに、何?この親子。まだ文句言ってんの?
んーんー うーうー 五月蝿なぁもう。
仕方がないから魔法を解除してやると、突然話せる様になった2人は
「「あーーーーーーー」」
と合唱なうだった。歌歌ってたの?この人達。呑気だな。
「お、俺…いや、私は……あの日、女神イズール様が召喚なされたマコを追い出したのか?」
あ~。まともに話してたのね?ンコ王子。
『えぇ。そうですよ?カイル王子。あの日貴方は、こう言っていたわね?「コイツは伝説の聖女には程遠い。髪も黒髪ではないし、およそ少女と言える年には見えない!」と。違いましたか?』
ぐうの音も出ない王子に王様が傷口に塩を塗り込んだ。
「そうだ。イズール様が仰るとおり、お前は確かにマコ様のお力を確かめる必要は無い。と言い切った。実に愚かしい。」
『王よ。そなたも同罪です。息子であるカイル王子がどう言ったとしても、親であり国王であるのなら、マコの鑑定を進める権利があったはずです。でも貴方はそれをしなかった。』
「そっ、それは……」
『それに、貴方がマコを謁見の間から出した後、貴方が司祭に何を言ったのかを忘れたとは言わせませんよ?これをここにいる物達に見てもらい、己が犯した私と愛し子のマコへの侮辱罪を思い知りなさい!』
は?え?ちょっと待って下さい?
「イズール様?私そんなの聞いてないよ?」
『私からの婚約祝いよ?マコ。』
「え?な、なんで知って?」
『貴女は私の愛し子。いつだって貴女を見ているわ。』
ニコリと微笑んだ女神様。
いや目は笑ってなかったな。
うん。怖いわ。
『さぁ!断罪劇を始めましょう』
うっわ~女神自ら断罪とか……ヤバくね?この状況。
私はリックを見る。リックは優しく微笑んだ。
「ここはイズール様にお任せしよう。俺は、優しいお前がこれ以上傷つくのを見ていたくない。それはきっとイズール様とて同じ事。」
私が震えながらも去勢を張っていた事に気づいていてくれたリックが、そっと私を抱き寄せてくれた。
もたれかかった私のヴェールに、そっとキスをしてくれるリック。
「ありがとう。」
私は誰にも聞こえない位小さく呟いた。
『良いのです。マコは私の愛し子なのですから。して、何の用なのですか?』
「私と同じ時に召喚されたチカさんの事なのですが…。チカさんもイズール様の愛し子なのでしょうか?」
『いいえ。それは違うわ。愛し子は貴女だけよ?マコ。』
「では、チカさんは一体誰が召喚を?」
『チカを召喚したのは私ではありません。チカを召喚したのはカリーヌという名の女神です。カリーヌは、マコ、貴女の十数代前の聖女であり、チカの遠い祖先でもあります。』
女神様の言葉に、過去の文献から知識を得てるぽい大司教様が頷いてるから、どうやらホントらしいな。
「つまり、可愛い子孫の為に、昔自分が守ったこの国にチカさんを召喚なさったと?」
『そうです。そしてカリーヌは、私にその事を報告しませんでした。』
「そうだったのですね。では、何故女神カリーヌ様は、チカさんに聖女の禁忌を教えなかったのですか?」
『それは……カリーヌも、私に召喚されて直ぐ、当時の国王により純潔を散らされてしまった。だからその事を知らなかったのです。』
「歴史は繰り返すですか……とても残念な事ですね。」
『ええ。私としても、とても残念でした。』
イズール様と私のちょっと芝居がかったやり取りを、シーンと静まりかえって聞いてる貴族もいるのに、何?この親子。まだ文句言ってんの?
んーんー うーうー 五月蝿なぁもう。
仕方がないから魔法を解除してやると、突然話せる様になった2人は
「「あーーーーーーー」」
と合唱なうだった。歌歌ってたの?この人達。呑気だな。
「お、俺…いや、私は……あの日、女神イズール様が召喚なされたマコを追い出したのか?」
あ~。まともに話してたのね?ンコ王子。
『えぇ。そうですよ?カイル王子。あの日貴方は、こう言っていたわね?「コイツは伝説の聖女には程遠い。髪も黒髪ではないし、およそ少女と言える年には見えない!」と。違いましたか?』
ぐうの音も出ない王子に王様が傷口に塩を塗り込んだ。
「そうだ。イズール様が仰るとおり、お前は確かにマコ様のお力を確かめる必要は無い。と言い切った。実に愚かしい。」
『王よ。そなたも同罪です。息子であるカイル王子がどう言ったとしても、親であり国王であるのなら、マコの鑑定を進める権利があったはずです。でも貴方はそれをしなかった。』
「そっ、それは……」
『それに、貴方がマコを謁見の間から出した後、貴方が司祭に何を言ったのかを忘れたとは言わせませんよ?これをここにいる物達に見てもらい、己が犯した私と愛し子のマコへの侮辱罪を思い知りなさい!』
は?え?ちょっと待って下さい?
「イズール様?私そんなの聞いてないよ?」
『私からの婚約祝いよ?マコ。』
「え?な、なんで知って?」
『貴女は私の愛し子。いつだって貴女を見ているわ。』
ニコリと微笑んだ女神様。
いや目は笑ってなかったな。
うん。怖いわ。
『さぁ!断罪劇を始めましょう』
うっわ~女神自ら断罪とか……ヤバくね?この状況。
私はリックを見る。リックは優しく微笑んだ。
「ここはイズール様にお任せしよう。俺は、優しいお前がこれ以上傷つくのを見ていたくない。それはきっとイズール様とて同じ事。」
私が震えながらも去勢を張っていた事に気づいていてくれたリックが、そっと私を抱き寄せてくれた。
もたれかかった私のヴェールに、そっとキスをしてくれるリック。
「ありがとう。」
私は誰にも聞こえない位小さく呟いた。
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※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
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