51 / 85
第4章 マコこそが真の聖女
愛し子の本気とざまぁ〜蛙の子は蛙編~
しおりを挟む
王の前まで連れて来られヴェールまでかけた私と、騎士の正装姿で私の隣に並ぶリックに賞賛の声が聞こえる。
ただし、リックに向けられたご令嬢からの視線はきっとギラついてるだろうな。
隣にいる私の背中には
「アンタ邪魔なのよ。」
「ちょっと退きなさいよ。リューベック様の隣に立つのは私よ。」
と言っているかの様な視線が突き刺さる。
貴族の事はよくわかんないけど、多分、伯爵とかの貴族位を貰った事で、ただの騎士爵位の男じゃなくなるってなった訳だから、ご令嬢達から狙われるんだろう。
心配だなぁ。金に物言わせてくる連中とか絶対いるよね。はぁ……面倒臭い。
そんな私の重くなる気持ちをぶっ飛ばす言葉がこの後に発せられ、私はおろか隣のリックも、いや会場内にいる全員が固まった。
それは……
「皆に大事な発表がある。私は此度の封印の偉業を成し遂げた聖女であるマコを側妃として迎え入れようと思っている。」
「はぁ~~~~~~~~~?」
ちょっとこのオッサン何言っちゃってんのさ。
思わず叫んでしまったのは許して欲しい。
だって、開いた口が塞がらないとはこの事よ?王子も、王様の隣に座るお妃様も、寝耳に水だというように、口をあんぐり開けて固まっちゃったじゃん。
「聖女マコよ。我が側妃となり、この王国を全ての災いから守って欲しい。」
ん?守って欲しい?これってプロポーズなわけ?てか、アンタ王妃様にちゃんと断って無いでしょ?夫婦とはいえ、報連相大事よ?
あ~あ。王妃様頭抱えちゃったじゃん。
何も言わない私に王様は更に言い募る。
「我が側妃となれば、今よりもっと良い生活が出来る。そなたにとっても悪い話ではなかろ「ちょっとお待ち下さい、父上!!」」
え?ちょっとカイル王子?いくら自分の親だとしても、王様が話している所に被せての発言はヤバくね?不敬とかじゃなくね?大丈夫なの?これ
私が些か心配そうな顔をしていると……
「父上!一体何を仰っているのですか!父上がいきなりそんな事を言い出すから。ご覧下さい!マコが驚いているではありませんか!」
(いやいやカイルさん?アンタに呼び捨てされる云われはないですがね。)
「カイル!私が話している最中に言葉を発するとは。不敬であるぞ。発言を慎め!」
「いいえ父上。私には父上の言葉を止める権利がございます。」
「権利だと?どんな権利か申してみよ!!」
「マコは、異世界から召喚された聖女です。そして古の昔より、異世界からの聖女は、その時の王太子の妃となってきました。故にマコは私、王太子カイルの妃となるべきなのです。」
「カイルよ。そなたにはチカがおるではないか?まぁそのチカは聖女ではないがな。」
「なッ!チカは聖女です。」
「そうだな。召喚された時、確かに光魔法が使えると水晶には示された。だがその後、封印の儀式を出来ない聖女にしたのは誰だ?」
「…………」
「何も返せぬであろうカイルよ。そうだ。お前がチカを汚した。封印をする聖女は清らかでらなくてはならない。お前はそれを知っていたであろう。だが、お前はその禁忌を破り、チカの純潔を奪い聖女としての封印の仕事をさせられなくしたのだ。まだ聖女としての能力さえ身についてもおらなかったチカをな。」
あらあら。親子喧嘩ならぬ暴露大会始めちゃった訳ね?
しかも見てよ?
チカちゃんが封印したって思ってた人達が、違うって分かった途端キレそうになってるじゃない。
あ~あ~。チカちゃん泣いちゃったし…。
もう処女じゃなくなったとか、一番恥ずくてバラされたくない事を、こんなに大勢の前で言われたら、これくらいの年の子は引きこもるか自殺しちゃうかも。
しかもしかもよ?聖女じゃないって烙印まで押されたら逃げたくなるじゃないね?
ホント蛙の子は蛙。親が親なら子も子よね。
仕方がない。お姉さんが一肌脱ぎますか。はぁ……面倒。
ただし、リックに向けられたご令嬢からの視線はきっとギラついてるだろうな。
隣にいる私の背中には
「アンタ邪魔なのよ。」
「ちょっと退きなさいよ。リューベック様の隣に立つのは私よ。」
と言っているかの様な視線が突き刺さる。
貴族の事はよくわかんないけど、多分、伯爵とかの貴族位を貰った事で、ただの騎士爵位の男じゃなくなるってなった訳だから、ご令嬢達から狙われるんだろう。
心配だなぁ。金に物言わせてくる連中とか絶対いるよね。はぁ……面倒臭い。
そんな私の重くなる気持ちをぶっ飛ばす言葉がこの後に発せられ、私はおろか隣のリックも、いや会場内にいる全員が固まった。
それは……
「皆に大事な発表がある。私は此度の封印の偉業を成し遂げた聖女であるマコを側妃として迎え入れようと思っている。」
「はぁ~~~~~~~~~?」
ちょっとこのオッサン何言っちゃってんのさ。
思わず叫んでしまったのは許して欲しい。
だって、開いた口が塞がらないとはこの事よ?王子も、王様の隣に座るお妃様も、寝耳に水だというように、口をあんぐり開けて固まっちゃったじゃん。
「聖女マコよ。我が側妃となり、この王国を全ての災いから守って欲しい。」
ん?守って欲しい?これってプロポーズなわけ?てか、アンタ王妃様にちゃんと断って無いでしょ?夫婦とはいえ、報連相大事よ?
あ~あ。王妃様頭抱えちゃったじゃん。
何も言わない私に王様は更に言い募る。
「我が側妃となれば、今よりもっと良い生活が出来る。そなたにとっても悪い話ではなかろ「ちょっとお待ち下さい、父上!!」」
え?ちょっとカイル王子?いくら自分の親だとしても、王様が話している所に被せての発言はヤバくね?不敬とかじゃなくね?大丈夫なの?これ
私が些か心配そうな顔をしていると……
「父上!一体何を仰っているのですか!父上がいきなりそんな事を言い出すから。ご覧下さい!マコが驚いているではありませんか!」
(いやいやカイルさん?アンタに呼び捨てされる云われはないですがね。)
「カイル!私が話している最中に言葉を発するとは。不敬であるぞ。発言を慎め!」
「いいえ父上。私には父上の言葉を止める権利がございます。」
「権利だと?どんな権利か申してみよ!!」
「マコは、異世界から召喚された聖女です。そして古の昔より、異世界からの聖女は、その時の王太子の妃となってきました。故にマコは私、王太子カイルの妃となるべきなのです。」
「カイルよ。そなたにはチカがおるではないか?まぁそのチカは聖女ではないがな。」
「なッ!チカは聖女です。」
「そうだな。召喚された時、確かに光魔法が使えると水晶には示された。だがその後、封印の儀式を出来ない聖女にしたのは誰だ?」
「…………」
「何も返せぬであろうカイルよ。そうだ。お前がチカを汚した。封印をする聖女は清らかでらなくてはならない。お前はそれを知っていたであろう。だが、お前はその禁忌を破り、チカの純潔を奪い聖女としての封印の仕事をさせられなくしたのだ。まだ聖女としての能力さえ身についてもおらなかったチカをな。」
あらあら。親子喧嘩ならぬ暴露大会始めちゃった訳ね?
しかも見てよ?
チカちゃんが封印したって思ってた人達が、違うって分かった途端キレそうになってるじゃない。
あ~あ~。チカちゃん泣いちゃったし…。
もう処女じゃなくなったとか、一番恥ずくてバラされたくない事を、こんなに大勢の前で言われたら、これくらいの年の子は引きこもるか自殺しちゃうかも。
しかもしかもよ?聖女じゃないって烙印まで押されたら逃げたくなるじゃないね?
ホント蛙の子は蛙。親が親なら子も子よね。
仕方がない。お姉さんが一肌脱ぎますか。はぁ……面倒。
7
お気に入りに追加
2,554
あなたにおすすめの小説

婚約者の様子がおかしいので尾行したら、隠し妻と子供がいました
Kouei
恋愛
婚約者の様子がおかしい…
ご両親が事故で亡くなったばかりだと分かっているけれど…何かがおかしいわ。
忌明けを過ぎて…もう2か月近く会っていないし。
だから私は婚約者を尾行した。
するとそこで目にしたのは、婚約者そっくりの小さな男の子と美しい女性と一緒にいる彼の姿だった。
まさかっ 隠し妻と子供がいたなんて!!!
※誤字脱字報告ありがとうございます。
※この作品は、他サイトにも投稿しています。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる