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第4章 マコこそが真の聖女
壊された日常
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私とリック(リューベックの愛称)の豊穣祭の夜から始まったお付き合いは、のんびり穏やかなものだった。
2人が同い年だという事が分かり、リック本人の希望もあって、私は日本でいう『タメ語』で話すようになった。
リックが非番の日は、孤児院で子供達に剣術を教えてくれたり、畑仕事を手伝ったりしてくれ、子供達と一緒にご飯を食べる事もあった。
だが。そんな穏やかな日々は、王都からの早馬により伝令で突然崩される。
【魔獣の森にて、大氾濫発生の為応援要請
領地に聖女や魔法が使える者がいる場合は、その者も参上するように】
「マコ。俺は…「行くんでしょ?森へ。」あぁ。陛下の伝令だからな」
「私も行く!」
「ダメだ!!大氾濫は危険すぎる!」
「イヤよ。此処で貴方の無事を祈っているだけなんて耐えられない!!それに聖女も連れて来い。って書いてあるじゃない!」
私は、リックの手を握り強い瞳で訴える。
「いや…しかし。」
「私は後方支援に回るわ。後方支援なら、危険な事は無いでしょう?」
「(いや……これは…この伝令は、ただの大氾濫制圧の伝令ではないだろう。おそらくマコを王都に呼びつける為の罠だな。)」
「リック」
「……マコ……」
すると、何かを言いかけたリックが言葉を続ける事を拒否するかの様に、私の身体が光に包まれた。
『リューベック=カルディールよ。マコを連れてお行きなさい。』
「貴女は?」
『私はイズールです。』
「イズール様?どうして貴女様のお声が…」
『マコが貴方の手を握っているでしょう。そのせいなのです。』
「そうだったのですか。それにしてもイズール様。何故マコを連れて行けと?マコは貴女様の愛し子なのでは?それに王都には聖女が…『王都の聖女では扉の封印は出来ません。』それはどういう事なのでしょう?」
「は?女神様、何言ってんの?あのチカって子が出来ないわけ『マコ。よくお聞きなさい。彼女に扉の封印は出来ないの。何故なら彼女は、封印の資格を無くしたから。』……。」
女神様の言葉に私もリックも言葉を失った。
は?資格って何?無くなるものなの?
『彼女を、王都に聖女として残された少女を召喚したのは、私ではありません。』
女神様は静かに話始めた。
『彼女、王都の聖女と呼ばれるチカを召喚したのは、女神カリーヌ。カリーヌはチカをずっと見守っていた彼女の祖先なのです。チカは、前世で『もしも生まれ変わったら王子様と結婚したい』と望みました。カリーヌは幼くして病で人生を終える事になってしまったそのチカの願いを叶えさせる為、私には内緒でチカをこの世界に召喚したのです。チカは望みどおり聖女として選ばれ、カイル王子に見初められました。聖女として魔法や呪文を習得しようと王都の教会で、大司教の元 学びに励んでいた彼女の姿に心打たれたカイル王子は、聖女としての力がつく前に、彼女の純血を奪ってしまったのです。』
「聖女は、封印を終えるまで、純血でいなければ封印が出来ない!まさか、カイル王子はその事を忘れていたと?」
『そうです。カリーヌもまた、子孫可愛さにそれを伝えなかった。』
「では、この国に聖女は……」
『マコ…のみです。』
女神様から聞いた衝撃的な事実は、その後マハディ=カルディール侯爵閣下と司祭サウジ様に伝わり、私達は封印をする為、魔獣の森に行くことになった。
あんのンコ王子!!
そんな大事な事忘れるとか。
封印が成功したら1発ぶん殴ってやる!
「マコ。頼むから不敬罪に問われる行為は止めてくれ。」
とリックに窘められる程、その時の私は怒りのオーラを纏っていた。
2人が同い年だという事が分かり、リック本人の希望もあって、私は日本でいう『タメ語』で話すようになった。
リックが非番の日は、孤児院で子供達に剣術を教えてくれたり、畑仕事を手伝ったりしてくれ、子供達と一緒にご飯を食べる事もあった。
だが。そんな穏やかな日々は、王都からの早馬により伝令で突然崩される。
【魔獣の森にて、大氾濫発生の為応援要請
領地に聖女や魔法が使える者がいる場合は、その者も参上するように】
「マコ。俺は…「行くんでしょ?森へ。」あぁ。陛下の伝令だからな」
「私も行く!」
「ダメだ!!大氾濫は危険すぎる!」
「イヤよ。此処で貴方の無事を祈っているだけなんて耐えられない!!それに聖女も連れて来い。って書いてあるじゃない!」
私は、リックの手を握り強い瞳で訴える。
「いや…しかし。」
「私は後方支援に回るわ。後方支援なら、危険な事は無いでしょう?」
「(いや……これは…この伝令は、ただの大氾濫制圧の伝令ではないだろう。おそらくマコを王都に呼びつける為の罠だな。)」
「リック」
「……マコ……」
すると、何かを言いかけたリックが言葉を続ける事を拒否するかの様に、私の身体が光に包まれた。
『リューベック=カルディールよ。マコを連れてお行きなさい。』
「貴女は?」
『私はイズールです。』
「イズール様?どうして貴女様のお声が…」
『マコが貴方の手を握っているでしょう。そのせいなのです。』
「そうだったのですか。それにしてもイズール様。何故マコを連れて行けと?マコは貴女様の愛し子なのでは?それに王都には聖女が…『王都の聖女では扉の封印は出来ません。』それはどういう事なのでしょう?」
「は?女神様、何言ってんの?あのチカって子が出来ないわけ『マコ。よくお聞きなさい。彼女に扉の封印は出来ないの。何故なら彼女は、封印の資格を無くしたから。』……。」
女神様の言葉に私もリックも言葉を失った。
は?資格って何?無くなるものなの?
『彼女を、王都に聖女として残された少女を召喚したのは、私ではありません。』
女神様は静かに話始めた。
『彼女、王都の聖女と呼ばれるチカを召喚したのは、女神カリーヌ。カリーヌはチカをずっと見守っていた彼女の祖先なのです。チカは、前世で『もしも生まれ変わったら王子様と結婚したい』と望みました。カリーヌは幼くして病で人生を終える事になってしまったそのチカの願いを叶えさせる為、私には内緒でチカをこの世界に召喚したのです。チカは望みどおり聖女として選ばれ、カイル王子に見初められました。聖女として魔法や呪文を習得しようと王都の教会で、大司教の元 学びに励んでいた彼女の姿に心打たれたカイル王子は、聖女としての力がつく前に、彼女の純血を奪ってしまったのです。』
「聖女は、封印を終えるまで、純血でいなければ封印が出来ない!まさか、カイル王子はその事を忘れていたと?」
『そうです。カリーヌもまた、子孫可愛さにそれを伝えなかった。』
「では、この国に聖女は……」
『マコ…のみです。』
女神様から聞いた衝撃的な事実は、その後マハディ=カルディール侯爵閣下と司祭サウジ様に伝わり、私達は封印をする為、魔獣の森に行くことになった。
あんのンコ王子!!
そんな大事な事忘れるとか。
封印が成功したら1発ぶん殴ってやる!
「マコ。頼むから不敬罪に問われる行為は止めてくれ。」
とリックに窘められる程、その時の私は怒りのオーラを纏っていた。
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追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
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