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第3章 聖女の力と幸せな時間

ひとまず休憩 とはなりませんでした

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私がこの世界に来て約4ヶ月が経過した。

転生したのがここの世界でいうところの秋だった。けど、今は冬(多分そうだと思う。息は白くなる程寒い日もあるから)。

4ヶ月の間、街の人達の怪我や病気を治し、孤児院の経営の立て直しを図り、領地上空に結界を張り、領主であるカルディール侯爵家の奥様ナーデリア様を【ランディルの呪い】から解放する為、魔獣討伐もした。

転生してから本当に忙しく濃密な4ヶ月だったって思うよね。

だから私は、一旦いったん自分的に休暇を取ってのんびりしようと決めたんだ。




「う~ん。」

今日も抜ける様な青空の下、私は思いっきり伸びをした。
上空に張った結界は、天候をも操作してくれる。まぁ女神様が調整してるんだろうけどね。

「マコ先生~。トマトが美味しそうな色になったよ~。」
「先生~。レタスも採っていい?」

孤児院の畑に、子供達の声が響き渡る。

私がやれ結界だ、やれ討伐だ、とバタバタしている間に、畑は腐葉土による土壌改良がなされ作物の宝庫となった(多分そのはずだと思う。まだ季節が一周してないから分からないけどね)。

今は、春野菜用に豆類の種を畑に植え、寒さに弱い野菜をミニ温室で栽培している。

また井戸も完成し、裏山から豊富に流れて来る綺麗な水のおかげで、子供たちは水汲みの時間が無くなり、その分勉強や剣術等に充てる時間が増えた。

子供達全員が、読み書き計算が出来るようになった事で、孤児院を卒業する子供達の勤め先も豊富になった。
ある子は店の雑用兼金庫番に。
またある子は、将来服屋を開きたいとお針子修行に。
またある子は、領地で唯一の図書館司書になった。
街の人達も孤児達を積極的に雇ってくれる。本当に有り難い事だ。

そんな独り立ちした孤児達の為、私はシェアハウスを作る事にした。
いくら孤児院を卒業し職を持ったとしても、後ろ盾もお金も無い孤児達は、住まいを借りる事も出来ないからだ。

勿論、孤児院にずっと居てくれても構わないんだけど、思春期を迎えた子供にとって、小さな子と相部屋じゃストレスもたまるだろうしね。

すっかり元気になられたナーデリア夫人のお見舞いに行った際、カルディール侯爵様にチラッとその事を相談したら、

「それなら王都へ引っ越し、空き家になっていた伯爵家がある。そこに作るのはどうだ?」

と教えてくれた。

物件を見に行くと、すでに何年も人が入った形跡が無いため、ところどころ傷んだり腐ったりもしていた。が、リノベーション……いや、リフォームをしたら住める様になるだろう。

よぉし!!頑張るぞ~お~!!

翌日から、私の独自人脈ルートを駆使くしし、シェアハウス造りが始まった。

とまぁ、結局まともに休んでない事になった。でも子供達の笑顔の為だもん、致し方無いよね。てこればっかりじゃん私。

1人ノリツッコミを心の中でし、がっくりと肩を落とす私の隣で、怪訝けげんそうな顔をしてそれを見ているリューベック様が居た。

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