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第3章 聖女の力と幸せな時間
閑話 カイルとチカ
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マコがリューベックと共に魔獣討伐修行に励んでいた頃、王都ではカイル王子が一世一代の大舞台に立っていた。
カイル王子は城の自室にチカを呼び出し、
「聖女チカ。私と結婚して欲しい。」
そう言って、チカの前に膝まづきながら、ソファに座るチカの指に輝く宝石を設えた指輪を嵌める。
「カイル様。チカは嬉しいです。私を、お姫様にして下さい。」
前世から王子推しだったチカは、王子様と結婚したいと願っていた。
だからチカは、王子からプロポーズされ大喜びだ。
カイルに抱きつくチカ。
チカを抱き締めるカイル。
見つめ合ったまま、カイルはチカを抱き上げ、そのままベッドになだれ込む。
14歳のチカは、前世では入退院を繰り返していた為、彼氏がいた事は無い。
一方17歳のカイルは、婚約者と呼べる相手は居なかったが、王家の人間として、年頃になると経験豊富な侍女に筆下ろしを受けて貰っていた。
「大丈夫だよ。私がリードするからね。チカは何も考えず、私に愛されていればいいよ。」
その言葉の意味が分かったチカは夜の帳が降り、月明かりが射し込むだけの部屋の中であってもはっきり分かる程頬を赤く染め、カイルの目をみて頷いた。
チカは逞しいカイルの腕の中で、その夜大人の女性になったのだ。
だがその瞬間、チカは聖女では無くなった事を、まだ若い2人は知らなかった。
そう。聖女は生娘でいなければ魔女の封印が出来ない。
この世界に転生してきたチカがソレを知らないのは仕方ないが、この国の王子であるカイルがそれを知らないのは大問題だ。愚か者と罵られてもいたしかたない。
しかもチカは聖女の勉強中であった為、治癒魔法も回復魔法も修得出来ていなければ、結界さえも張れないでいる。
そんな2人を見ていたチカを連れてきた女神は、最大級の後悔をしていた。
何故チカにしっかり話をしなかったのだろうと。
この世界にチカを召喚した女神カリーヌは、女神イズールの許可を得ずにチカを連れてきてしまった手前、イズールに顔向けが出来ないでいる。
勿論カリーヌが勝手に行なった事をイズールは承知しながらも放置していた。
(どうせこの程度の子に、私の世界を救うことは出来ないわ。私の愛し子はマコのみ。カリーヌには勝手をした事への尻拭いと処罰をしっかり受けてもらわなければね。)
女神カロリーヌがため息をついているのを、離れた場所で見ている女神イズール。
王城の一室では、尚も愛し合う若い2人がいる。
カロリーヌと王子と聖女を見て、これからの事を想像すると黒い笑顔が浮かんでしまう女神イズールだった。
カイル王子は城の自室にチカを呼び出し、
「聖女チカ。私と結婚して欲しい。」
そう言って、チカの前に膝まづきながら、ソファに座るチカの指に輝く宝石を設えた指輪を嵌める。
「カイル様。チカは嬉しいです。私を、お姫様にして下さい。」
前世から王子推しだったチカは、王子様と結婚したいと願っていた。
だからチカは、王子からプロポーズされ大喜びだ。
カイルに抱きつくチカ。
チカを抱き締めるカイル。
見つめ合ったまま、カイルはチカを抱き上げ、そのままベッドになだれ込む。
14歳のチカは、前世では入退院を繰り返していた為、彼氏がいた事は無い。
一方17歳のカイルは、婚約者と呼べる相手は居なかったが、王家の人間として、年頃になると経験豊富な侍女に筆下ろしを受けて貰っていた。
「大丈夫だよ。私がリードするからね。チカは何も考えず、私に愛されていればいいよ。」
その言葉の意味が分かったチカは夜の帳が降り、月明かりが射し込むだけの部屋の中であってもはっきり分かる程頬を赤く染め、カイルの目をみて頷いた。
チカは逞しいカイルの腕の中で、その夜大人の女性になったのだ。
だがその瞬間、チカは聖女では無くなった事を、まだ若い2人は知らなかった。
そう。聖女は生娘でいなければ魔女の封印が出来ない。
この世界に転生してきたチカがソレを知らないのは仕方ないが、この国の王子であるカイルがそれを知らないのは大問題だ。愚か者と罵られてもいたしかたない。
しかもチカは聖女の勉強中であった為、治癒魔法も回復魔法も修得出来ていなければ、結界さえも張れないでいる。
そんな2人を見ていたチカを連れてきた女神は、最大級の後悔をしていた。
何故チカにしっかり話をしなかったのだろうと。
この世界にチカを召喚した女神カリーヌは、女神イズールの許可を得ずにチカを連れてきてしまった手前、イズールに顔向けが出来ないでいる。
勿論カリーヌが勝手に行なった事をイズールは承知しながらも放置していた。
(どうせこの程度の子に、私の世界を救うことは出来ないわ。私の愛し子はマコのみ。カリーヌには勝手をした事への尻拭いと処罰をしっかり受けてもらわなければね。)
女神カロリーヌがため息をついているのを、離れた場所で見ている女神イズール。
王城の一室では、尚も愛し合う若い2人がいる。
カロリーヌと王子と聖女を見て、これからの事を想像すると黒い笑顔が浮かんでしまう女神イズールだった。
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追記(2021/10/7)
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更に追記(2022/3/9)
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