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第3章 聖女の力と幸せな時間
貴女の為に祈ります
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カルディール侯爵閣下に案内され、長い廊下を進んだ奥、重厚な扉を開いたその部屋の豪華な天蓋つきの大きなベッドの上にその方はいらした。
熱が高いらしく顔を真っ赤にした、30代半ば位の女性が苦しそうな呼吸をしていた。それに、時折咳き込むのだが、1度咳が出るとなかなか止まらない様子だった。
(こりゃ重症だね。)
「ナーデリアよ。大丈夫か?今、聖女様が来て下さったぞ。きっと直ぐに良くなるから、もう少し頑張りなさい。」
「侯爵夫人。私はマコと申します。お辛いご様子ですので、お話は結構です。早速診せて頂きますね。」
私はそう言って夫人の胸に手を翳す。
すると、この病気の病巣は肺だと分かった。
こりゃ重度の肺炎じゃね?ちょっと酷いけど…ん~なんとか…いけるかな。
そう思いながら、治癒魔法をかけていくと…ん?これは何?治癒魔法じゃ治せないぽいのあるじゃん!
私は、病巣とは関係ない物を取る事を止め、肺炎を治す治癒魔法だけおこなった。
見た目体調が良くなった夫人は、やっとにっこり微笑んだ。
うん。美人だね。
「ナーデリア!!もう良いのか?」
「はい。嘘のように身体が軽くなりました。これも聖女様のお陰です。本当にありがとうございました。」
「あ~聖女じゃないですが、上手く治せて良かったです。」
「え?聖女様ではありせんの?」
夫人は不思議そうなお顔で閣下をご覧になると、
「マコ様は奥ゆかしい聖女様なのだ。だから、民をたすけ、ナーデリアを治しててもまだ、聖女では無いと言い張っておられるが、聖女以外の何者でもないと、私は信じておるのだ。」
「そうでしたの。マコ様?本当にありがとうございました。」
「あ~いえいえ。兎に角お大事になさってください。」
私はぺこりとお辞儀をすると、急いで教会へ逃げ帰った。
昨日は寝ちゃったから結界強化の祈りやってないんだよね。
今日もまだやってないから、やばくなってんじゃね?
教会に着くと私は、逸る気持ちを押さえ、女神様の像の前に膝立ちをして手を組んだ。
「女神様。(ご存知のこの街に結界を張りました。これで暫くなんとかなるんじゃないかと思うんだけど、如何んせんまだへなちょこだから、綻びとか出来るのはヤバいからさ。だから毎日ここでお祈りすっからね。私の言葉聞こえるよね?)いつも御加護をありがとう存じます。これからも女神イズール様の御加護がありますよう。」
私はお祈りの後、司祭様に本日カルディール侯爵家で見た事をお話する事にした。
熱が高いらしく顔を真っ赤にした、30代半ば位の女性が苦しそうな呼吸をしていた。それに、時折咳き込むのだが、1度咳が出るとなかなか止まらない様子だった。
(こりゃ重症だね。)
「ナーデリアよ。大丈夫か?今、聖女様が来て下さったぞ。きっと直ぐに良くなるから、もう少し頑張りなさい。」
「侯爵夫人。私はマコと申します。お辛いご様子ですので、お話は結構です。早速診せて頂きますね。」
私はそう言って夫人の胸に手を翳す。
すると、この病気の病巣は肺だと分かった。
こりゃ重度の肺炎じゃね?ちょっと酷いけど…ん~なんとか…いけるかな。
そう思いながら、治癒魔法をかけていくと…ん?これは何?治癒魔法じゃ治せないぽいのあるじゃん!
私は、病巣とは関係ない物を取る事を止め、肺炎を治す治癒魔法だけおこなった。
見た目体調が良くなった夫人は、やっとにっこり微笑んだ。
うん。美人だね。
「ナーデリア!!もう良いのか?」
「はい。嘘のように身体が軽くなりました。これも聖女様のお陰です。本当にありがとうございました。」
「あ~聖女じゃないですが、上手く治せて良かったです。」
「え?聖女様ではありせんの?」
夫人は不思議そうなお顔で閣下をご覧になると、
「マコ様は奥ゆかしい聖女様なのだ。だから、民をたすけ、ナーデリアを治しててもまだ、聖女では無いと言い張っておられるが、聖女以外の何者でもないと、私は信じておるのだ。」
「そうでしたの。マコ様?本当にありがとうございました。」
「あ~いえいえ。兎に角お大事になさってください。」
私はぺこりとお辞儀をすると、急いで教会へ逃げ帰った。
昨日は寝ちゃったから結界強化の祈りやってないんだよね。
今日もまだやってないから、やばくなってんじゃね?
教会に着くと私は、逸る気持ちを押さえ、女神様の像の前に膝立ちをして手を組んだ。
「女神様。(ご存知のこの街に結界を張りました。これで暫くなんとかなるんじゃないかと思うんだけど、如何んせんまだへなちょこだから、綻びとか出来るのはヤバいからさ。だから毎日ここでお祈りすっからね。私の言葉聞こえるよね?)いつも御加護をありがとう存じます。これからも女神イズール様の御加護がありますよう。」
私はお祈りの後、司祭様に本日カルディール侯爵家で見た事をお話する事にした。
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