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第3章 聖女の力と幸せな時間

聖女じゃないけどご挨拶

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結局私は騎士様に連れられ、領主カルディール様のお屋敷に来てしまった。ほぼほぼ強引だったけど、一介いっかいの平民が、「いや、行きたくないんですが。」と言って、貴族に逆らうとか土台無理なわけで…。

はぁ……めんどい。
と心の中で盛大に溜息をつく。
何しろ今目の前にいるのは、騎士様のお父様で領主のマハディ=カルディール侯爵閣下。

一応お貴族様だからね。頭は下げますよ?江戸時代で言ったら、藩主はんしゅとか大名とか殿様とのさまとかて事じゃん。
ワタクシ大人ですもの。その辺はちゃんとしとかないと、後々私の活動に支障ししょうをきたすとかなるのは嫌だからね。

「マコとやら。顔を上げよ。」

ははぁーと時代劇さながらの声を心の中であげながら、私は領主様を仰ぎ見る。

領主のカルディール侯爵閣下は、騎士様に似て…あ!騎士様が似てるのか。まぁいいや。騎士様と同じ瞳の色、同じ口元をしている。
まごうことなき血族ね。

まぁ、騎士様の年は知らないけど、この人3人の子持ちなわけだから、侯爵閣下はそこそこの年齢だよね~。
息子3人が全部同じ奥さんの子だったとして、騎士様の見た目から20歳と推定すいてい、次男と長男の年齢差をそれぞれ2歳差にすると長男は24歳位で。長男誕生が閣下が20歳位て想定すると、現在閣下は44・45歳位かな?
うん。イケメンでダンディよね。

「マコよ。そなたは聖女であろう?」

「違います。」

「確かに王都で聖女認定をなされなかったと聞くが、そなたがこの領地に来た頃から、民の体調はすこぶる良くなり、農作物はおろか、他国からの商人が多くなったお陰で、物資の流通が盛んになった。民は口をそろえ、「マコ様に怪我を治して貰った。」だの、「マコ様に触れてもらうだけで、病が治る。」だのと言っておる事、領主である私が知らぬわけが無かろう。」

「はぁ…左様さようですか。で?私が仮に聖女とやらだったとして、私にどうしろとおっしゃりたいのです?」

「先ずは我が妻に会ってはくれぬか?」

閣下の声のトーンがいきなり変わった事に驚いた私は、

「え?奥様に?」

と普通に聞いてしまった。

「左様。我妻ナーデリアは、医師さえもさじを投げる様な難病に苦しんでおるのだ。」

「それは本当ですか?」

「そうだ。3日前「分かりました。直ぐに奥様に会わせて下さい。」よ、良かろう。ついてまいれ。」

病人と聞いて私はいてもたってもいられず、領主様の言葉に被せて話をした。
一刻をあらそう事態かもなのに、悠長ゆうちょうに話なんて聞いてらんない。不敬だろうがなんだろうが、そんな事知ったこっちゃない。

私は、カルディール侯爵閣下を急かすように奥様が寝ているであろう部屋へ急いだ。

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