23 / 85
第3章 聖女の力と幸せな時間
聖女じゃないけどご挨拶
しおりを挟む
結局私は騎士様に連れられ、領主カルディール様のお屋敷に来てしまった。ほぼほぼ強引だったけど、一介の平民が、「いや、行きたくないんですが。」と言って、貴族に逆らうとか土台無理なわけで…。
はぁ……めんどい。
と心の中で盛大に溜息をつく。
何しろ今目の前にいるのは、騎士様のお父様で領主のマハディ=カルディール侯爵閣下。
一応お貴族様だからね。頭は下げますよ?江戸時代で言ったら、藩主とか大名とか殿様とかて事じゃん。
私大人ですもの。その辺はちゃんとしとかないと、後々私の活動に支障をきたすとかなるのは嫌だからね。
「マコとやら。顔を上げよ。」
ははぁーと時代劇さながらの声を心の中であげながら、私は領主様を仰ぎ見る。
領主のカルディール侯爵閣下は、騎士様に似て…あ!騎士様が似てるのか。まぁいいや。騎士様と同じ瞳の色、同じ口元をしている。
紛うことなき血族ね。
まぁ、騎士様の年は知らないけど、この人3人の子持ちなわけだから、侯爵閣下はそこそこの年齢だよね~。
息子3人が全部同じ奥さんの子だったとして、騎士様の見た目から20歳と推定、次男と長男の年齢差をそれぞれ2歳差にすると長男は24歳位で。長男誕生が閣下が20歳位て想定すると、現在閣下は44・45歳位かな?
うん。イケメンでダンディよね。
「マコよ。そなたは聖女であろう?」
「違います。」
「確かに王都で聖女認定をなされなかったと聞くが、そなたがこの領地に来た頃から、民の体調は頗る良くなり、農作物は疎か、他国からの商人が多くなったお陰で、物資の流通が盛んになった。民は口を揃え、「マコ様に怪我を治して貰った。」だの、「マコ様に触れてもらうだけで、病が治る。」だのと言っておる事、領主である私が知らぬわけが無かろう。」
「はぁ…左様ですか。で?私が仮に聖女とやらだったとして、私にどうしろと仰りたいのです?」
「先ずは我が妻に会ってはくれぬか?」
閣下の声のトーンがいきなり変わった事に驚いた私は、
「え?奥様に?」
と普通に聞いてしまった。
「左様。我妻ナーデリアは、医師さえも匙を投げる様な難病に苦しんでおるのだ。」
「それは本当ですか?」
「そうだ。3日前「分かりました。直ぐに奥様に会わせて下さい。」よ、良かろう。ついてまいれ。」
病人と聞いて私はいてもたってもいられず、領主様の言葉に被せて話をした。
一刻をあらそう事態かもなのに、悠長に話なんて聞いてらんない。不敬だろうがなんだろうが、そんな事知ったこっちゃない。
私は、カルディール侯爵閣下を急かすように奥様が寝ているであろう部屋へ急いだ。
はぁ……めんどい。
と心の中で盛大に溜息をつく。
何しろ今目の前にいるのは、騎士様のお父様で領主のマハディ=カルディール侯爵閣下。
一応お貴族様だからね。頭は下げますよ?江戸時代で言ったら、藩主とか大名とか殿様とかて事じゃん。
私大人ですもの。その辺はちゃんとしとかないと、後々私の活動に支障をきたすとかなるのは嫌だからね。
「マコとやら。顔を上げよ。」
ははぁーと時代劇さながらの声を心の中であげながら、私は領主様を仰ぎ見る。
領主のカルディール侯爵閣下は、騎士様に似て…あ!騎士様が似てるのか。まぁいいや。騎士様と同じ瞳の色、同じ口元をしている。
紛うことなき血族ね。
まぁ、騎士様の年は知らないけど、この人3人の子持ちなわけだから、侯爵閣下はそこそこの年齢だよね~。
息子3人が全部同じ奥さんの子だったとして、騎士様の見た目から20歳と推定、次男と長男の年齢差をそれぞれ2歳差にすると長男は24歳位で。長男誕生が閣下が20歳位て想定すると、現在閣下は44・45歳位かな?
うん。イケメンでダンディよね。
「マコよ。そなたは聖女であろう?」
「違います。」
「確かに王都で聖女認定をなされなかったと聞くが、そなたがこの領地に来た頃から、民の体調は頗る良くなり、農作物は疎か、他国からの商人が多くなったお陰で、物資の流通が盛んになった。民は口を揃え、「マコ様に怪我を治して貰った。」だの、「マコ様に触れてもらうだけで、病が治る。」だのと言っておる事、領主である私が知らぬわけが無かろう。」
「はぁ…左様ですか。で?私が仮に聖女とやらだったとして、私にどうしろと仰りたいのです?」
「先ずは我が妻に会ってはくれぬか?」
閣下の声のトーンがいきなり変わった事に驚いた私は、
「え?奥様に?」
と普通に聞いてしまった。
「左様。我妻ナーデリアは、医師さえも匙を投げる様な難病に苦しんでおるのだ。」
「それは本当ですか?」
「そうだ。3日前「分かりました。直ぐに奥様に会わせて下さい。」よ、良かろう。ついてまいれ。」
病人と聞いて私はいてもたってもいられず、領主様の言葉に被せて話をした。
一刻をあらそう事態かもなのに、悠長に話なんて聞いてらんない。不敬だろうがなんだろうが、そんな事知ったこっちゃない。
私は、カルディール侯爵閣下を急かすように奥様が寝ているであろう部屋へ急いだ。
8
お気に入りに追加
2,551
あなたにおすすめの小説
父が再婚してから酷い目に遭いましたが、最終的に皆罪人にして差し上げました
四季
恋愛
母親が亡くなり、父親に新しい妻が来てからというもの、私はいじめられ続けた。
だが、ただいじめられただけで終わる私ではない……!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな
みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」
タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる