は?勝手に召喚しといてそれですか?

Saeko

文字の大きさ
上 下
14 / 85
第2章 マコ巫女になる

巫女さんのお仕事

しおりを挟む
早速私は巫女としての初仕事。ていうか、「お世話になります~。」的な挨拶をしておこうか?くらいの軽い気持ちで、私はイズール様を模したという像の前ひざまづいた。

「女神イズール様の御加護があります様に。(頑張るからね?女神様。)」

と祈りをささげると、私の下に魔法陣が展開され、私はまばゆい光に包まれた。

「おお!女神イズール様じゃ。」


サウジ様は女神様の加護を目の当たりにした事で、女神像の前で祈り始めた。

「イズール様、マコをこの地に寄越して下さり有難うございます。これでこのカルディール侯爵領も安泰でございましょう。不詳このサウジ、マコを聖女として共に領民の助けになります故、これからも御加護を……。」

(う~ん。お祈りって言うより……まぁいいか……。)

女神様の像の方を向いて、いまだにブツブツ言ってる司祭様を無視し、私は礼拝堂の掃除を始めた。
実は私、掃除洗濯が大好きなのだ。綺麗好きとまでは言わないが、家事の中では炊事より掃除洗濯の方が好き。
今朝も孤児院の子供達の服や下着、シーツに毛布を生活魔法を使って全部洗って干した後、部屋という部屋を全て掃除してきた。
勿論子供達もそれを積極的に手伝ってくれたから、楽しかったけどね。
早く畑に綿花を植えて、出来た綿でお布団打ち直ししてあげないとな~なんて考えていたら、サウジ様を訪ねて、教会に1人のご婦人が現れた。

「サウジ様。」

「おお。バーバラ。どうしたのじゃ?」

いつの間にかお祈りを終えていた司祭様は、彼女 バーバラさんの方へ歩み寄っていた。

「サウジ様。娘のリーズが昨日の夜から具合が悪くて…また、薬湯を分けて貰えませんか?」

お?これは初仕事じゃね?と思った私は、サウジ様の前にずいっと出てこう言った。

「初めまして、バーバラさん。私、今日からこの教会でお世話になる巫女のマコと言います。娘さん、リーズさんのこと、私に診せて貰ってもいいですか?」

「はぁ~…巫女さんですか。」

バーバラさんは怪訝けげんそうに私を見る。

「私、ちょっとだけですが、治癒魔法が使えるんです。だから、娘さんを治せるかもしれません。」

私の隣でサウジ様もうんうんと頷いてくれている。
その行為に信ぴょう性を得たのか、バーバラさんは

「それが本当なら有難いわ。だったら、今から来て貰えるかしら?」

「はい。あ、司祭様?念の為薬も頂戴ちょうだいな。」

私は司祭様から薬を預かり、バーバラさんの家へ急いだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

婚約者の様子がおかしいので尾行したら、隠し妻と子供がいました

Kouei
恋愛
婚約者の様子がおかしい… ご両親が事故で亡くなったばかりだと分かっているけれど…何かがおかしいわ。 忌明けを過ぎて…もう2か月近く会っていないし。 だから私は婚約者を尾行した。 するとそこで目にしたのは、婚約者そっくりの小さな男の子と美しい女性と一緒にいる彼の姿だった。 まさかっ 隠し妻と子供がいたなんて!!! ※誤字脱字報告ありがとうございます。 ※この作品は、他サイトにも投稿しています。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します

けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」  五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。  他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。 だが、彼らは知らなかった――。 ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。 そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。 「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」 逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。 「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」 ブチギレるお兄様。 貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!? 「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!? 果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか? 「私の未来は、私が決めます!」 皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

処理中です...