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第1章 召喚
ちょっと聞いてないんですけど?
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「はい、どうぞ。」
私はノックの音に答える形で返事をすると、
「お目覚めでしょうか、聖女様。」
と入ってきた人物はのたもうた。
聖女?は?何言っちゃってんの?この人。
何も答えない私を怪訝そうな顔をして見てくるドレス姿の女性。彼女のドレスはとても古い型で、とてもじゃないが21世紀のデザインとは言えなかった。
(ん?彼女のドレスだけじゃないな。内装も歴史の教科書なんかで見た中世ヨーロッパっぽくない?)
脳内でそんな事を考えていた私に、
「聖女様。お加減は如何ですか?」
と聞かれ、意識を急激に戻された。
「え~と…頭が酷く痛みますね。てか、ここは何処なのですか?」
ドレスの女性は答える。
「ここは王宮にございます。」
「え?お城の中って事?え?どうして私がそんな所にいるわけ?」
と、ドレスの女性に矢継ぎ早に質問したが、
「私は侍女ゆえに、詳しい事は存じ上げません。申し訳ございません、聖女様。では、湯浴みのご用意が出来ましたら再度参りますので、それまで此方をお読みになってお待ちください。」
私の質問への明確な答えを返す事なくそう言って、女性は厚い本を渡してきた。
【サルベージ王国の歴史】
渡された本の表紙を見て驚いた。ちょっと待って?全く読めないはずの言語じゃんこれって。なのに何故に読めちゃうわけ?てか、さっきの人の言葉もちゃんと理解できたとか可笑しくね?
頭の中に疑問符だらけだけど、まぁとりま読んでみようかな。疑問点は後から他の人から色々聞いてみたらいいわけだしね。
私が本を読もうと表紙をめくろうとしたその時、掌が急に暖かくなったかと思うと一気に言葉が頭に流れ込んできた。
【200年前、突如現れた黒髪の少女がこの地に舞い降り、スタンピードを制圧。少女が聖魔法を発する時 目もくらむ程の白き光が辺りを包み、魔物達は浄化され、魔の巣窟は封印された。聖女はその後その天命を全うするまでこの地にて祈りを捧げ、サルベージ王国を護りし女神イズールの言葉を伝える聖なる存在になった。
聖女の封印の力は常に50年であり、その力が弱まる度、女神イズールは聖女を召喚し、再び王国は平和を取り戻したのだ。】
ふぅ。読んだわ~てか、読まされた感あるよね~。しかも勝手にさ。
あんな事に勝手に頭に言葉流す位だったら、いちいち分厚い本にする意味無くね?てくらい簡潔だったのには、目をつぶる事にした。そんな事より情報整理しないとよね~。
えと?女神イズールが聖女として召喚したのは黒髪の少女。少女は聖女として国を護る。て事よね?めっちゃ簡単にしたけどさ。でもこれってさ~、私がやってた乙ゲーの世界観のまんまじゃね?
てことは何?私、死んで乙ゲーの中に転生されちゃったってわけ?
ならあのフラフラ歩いてた人て、もしやイズールとかいう女神?
『そうです。私がイズール。よく分かりましたね?聖女、マコ。私を救おうとしてくれた事感謝します。そなたは私が見込んだだけあって優しい心根の少女でした。マコ。この国を頼みましたよ。』
いきなり頭の中に言葉を送り込んできた女神様。
頼みましたて何?
ちょっと!聞いてないんですけど?
私はノックの音に答える形で返事をすると、
「お目覚めでしょうか、聖女様。」
と入ってきた人物はのたもうた。
聖女?は?何言っちゃってんの?この人。
何も答えない私を怪訝そうな顔をして見てくるドレス姿の女性。彼女のドレスはとても古い型で、とてもじゃないが21世紀のデザインとは言えなかった。
(ん?彼女のドレスだけじゃないな。内装も歴史の教科書なんかで見た中世ヨーロッパっぽくない?)
脳内でそんな事を考えていた私に、
「聖女様。お加減は如何ですか?」
と聞かれ、意識を急激に戻された。
「え~と…頭が酷く痛みますね。てか、ここは何処なのですか?」
ドレスの女性は答える。
「ここは王宮にございます。」
「え?お城の中って事?え?どうして私がそんな所にいるわけ?」
と、ドレスの女性に矢継ぎ早に質問したが、
「私は侍女ゆえに、詳しい事は存じ上げません。申し訳ございません、聖女様。では、湯浴みのご用意が出来ましたら再度参りますので、それまで此方をお読みになってお待ちください。」
私の質問への明確な答えを返す事なくそう言って、女性は厚い本を渡してきた。
【サルベージ王国の歴史】
渡された本の表紙を見て驚いた。ちょっと待って?全く読めないはずの言語じゃんこれって。なのに何故に読めちゃうわけ?てか、さっきの人の言葉もちゃんと理解できたとか可笑しくね?
頭の中に疑問符だらけだけど、まぁとりま読んでみようかな。疑問点は後から他の人から色々聞いてみたらいいわけだしね。
私が本を読もうと表紙をめくろうとしたその時、掌が急に暖かくなったかと思うと一気に言葉が頭に流れ込んできた。
【200年前、突如現れた黒髪の少女がこの地に舞い降り、スタンピードを制圧。少女が聖魔法を発する時 目もくらむ程の白き光が辺りを包み、魔物達は浄化され、魔の巣窟は封印された。聖女はその後その天命を全うするまでこの地にて祈りを捧げ、サルベージ王国を護りし女神イズールの言葉を伝える聖なる存在になった。
聖女の封印の力は常に50年であり、その力が弱まる度、女神イズールは聖女を召喚し、再び王国は平和を取り戻したのだ。】
ふぅ。読んだわ~てか、読まされた感あるよね~。しかも勝手にさ。
あんな事に勝手に頭に言葉流す位だったら、いちいち分厚い本にする意味無くね?てくらい簡潔だったのには、目をつぶる事にした。そんな事より情報整理しないとよね~。
えと?女神イズールが聖女として召喚したのは黒髪の少女。少女は聖女として国を護る。て事よね?めっちゃ簡単にしたけどさ。でもこれってさ~、私がやってた乙ゲーの世界観のまんまじゃね?
てことは何?私、死んで乙ゲーの中に転生されちゃったってわけ?
ならあのフラフラ歩いてた人て、もしやイズールとかいう女神?
『そうです。私がイズール。よく分かりましたね?聖女、マコ。私を救おうとしてくれた事感謝します。そなたは私が見込んだだけあって優しい心根の少女でした。マコ。この国を頼みましたよ。』
いきなり頭の中に言葉を送り込んできた女神様。
頼みましたて何?
ちょっと!聞いてないんですけど?
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