は?勝手に召喚しといてそれですか?

Saeko

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第1章 召喚

頑張る私と乙女ゲーム

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私の名前は聖 茉子ひじり まこ荒川経営コンサルティング事務所に勤務する28歳。

大学で経営学を学び、憧れていた荒川 優あらかわ すぐる先生の事務所に飛び込んで早6年。

やっと独り立ちも出来、任される顧客数も増えて来て、順風満帆じゅんぷうまんぱんな人生をあゆみ始めていた。

そんな私の趣味は乙女ゲーム。

事務所のデスクには、推しのスチルをプリントアウトして飾っている。

クライアントに理不尽に怒られても、推しの笑顔で癒される。

課金してまで得たコレクションは、私の宝物だった。


  ✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†

「はぁ~。今日も推しが尊い。」

今日の最後のクライアントとの打ち合わせが終わり、パソコンで業務報告を済まそうと、近くのカフェに入った私。

ついでに夕飯も済ませてしまおうと、注文を済ませモバイルを立ち上げる。
当然だけど、画面は推しのスチル。

「はぁ~癒されるわ~。」

さっき頼んだオムライスを食べながら、手早く業務報告を済ませ、スマホのメッセージやら諸々チェックを終わらせると、最後に大好きな乙ゲー『貴方の傍で祈りたい~聖女編~』の通知を見た。

『貴方の傍で祈りたい』というゲームは、異世界から召喚された少女が、紆余曲折ありながらも聖女として成長。魔物から国を守り、ヒロインを護ってくれた攻略対象と結婚する。という有り触れた乙ゲーなのだが、‪私にとってそれは神アプだった。

私の推しの攻略対象は、優しい王太子でも熱血魔術師でもクールな宰相でもなく、勇猛果敢な騎士。
紺碧の空色の瞳。日の当たり具合によっては黄金か?と思える様な明るめなブラウンの髪。騎士の服を脱いだ時の均整のとれた肢体。なによりあの甘く低い声でひ愛を囁くところがたまらなく萌えるのだ。

「あ!今日は推しとのイベのラススチルGETの日じゃん。早く帰ってやらないとだわ。」

そう言ってオムライスの残りをかきこむと、急いで家路につく事にした。





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