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第六章 最年少討伐組見参?
1.ギルドに入る幼馴染み 1
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アンバー侯爵令息であるフランドル兄様と、私アメリアは、2人でパーティを組んでギルドの依頼を受ける事にしましたの。
理由は1つ。フランドル兄様が仰った「アメリアの護衛騎士になりたい!」という言葉から。
何故兄様がそんな事を仰ったのか?
それは先日、こんな事があったのですわ
「アメリアはさ、冒険者ギルドに登録してるんだったよな?」
「ええ、しておりますわ。私は今は、治癒師として登録していますので、薬草摘みが主な依頼内容なのですけれど…」
「薬草摘みか…。でもさ、その依頼をこなしてる時に、魔獣とか獣とかに襲われる心配は無いのか?」
と兄様からそう問われましたが、
「あるにはございますけれども……大抵は(ティガがいてくれてますし、私も攻撃魔法が使えますもの)大丈夫ですわ。」
「そ、そうなのか……。で、でも!!やっぱり護衛がいた方が良いだろ?」
「はぁ…。護衛、でございますか?」
「そうだよ!護衛だ!」
「そうですわね…(欲しいのかしら?護衛)」
「な?だから、僕がなってやるよ。アメリアの護衛」
「え?フランドル兄様がですの?」
「ああ!僕が護衛になってアメリアを守ってやる。」
「そ…うですか……。ならば兄様も冒険者ギルドに登録をなさって頂かなくてはなりませんね。」
「え?護衛になるのに、ギルドに登録が必要なのか?」
「えぇ、そうですわ。でなければご一緒出来ませんもの。」
「何故そうなるのだ?」
と首を傾げる兄様に、
「だってそうでございましょう?フランドル兄様は、今(の生)も前(の生)も、侯爵家ご次男で貴族家のご子息。かたや今の私はパン屋の娘で平民。普通であれば、私達は全く釣り合っておりませんの。身分違いですのに、フランドル兄様をわたくしが、どうして護衛として指名できましょう。」
「そう…そうだな。確かにアメリアの言う通りだ。僕が浅はかだったよ。」
としょんぼりされた兄様を励ます様に
「ですので兄様。(貴族子息である)身分を隠されて、ギルドに登録し、冒険者の1人としてランクを上げるのです。そうすれば、私とパーティを組んで頂く事が出来ますわ。」
「そうか!よし!早速僕もギルドに登録するよ。」
フランドル兄様はそう仰ると、「先ずは格好からだよな」と仰って、身なりや装備品を買い求めようとされましたが、貴族である事が誰の目から見ても一目瞭然の物ばかりで揃えようとなさったので、一緒にお店に入った私は慌ててそれをお止め致しました。
買い物後私達は、冒険者ギルドへと赴くと、フランドル兄様はお名前を"フラン”と名乗り、無事登録を済ませましたの。
早速兄様は、生まれて初めての魔獣討伐 ┄ と言いましても、増えてしまった棘兎の駆除や、作物を食い荒らす大ネズミの駆除という初心者のお仕事ですが ┄ に出かけられました。が、その初仕事は散々たるものでしたの。
駆除した兎もネズミも、上手に処理すれば売り物になりますのに、やたらめったら切りつけられた為、その身の殆どは廃棄するしかなく、ギルドの受け付けの皆さんから失笑されていましたの。
ですが、元々負けず嫌いの兄様は俄然やる気を出され、翌日も同じ依頼を受けられました。その際、前日に私から獣の捌き方の実技付きレクチャーを受けられ、それをしっかりと実践なさったのです。よって捕らえた獲物はとても綺麗に処理された状態でした。
これにはギルドの受け付けの方からとても絶賛され、兄様は
「今は未だまだランクも最低レベルだけれど、早く実績を積んで、アメリア ┄ 私の今のランクはCランクですわ ┄ に追いつくぞ!」
と鼻息を荒くしておられました。
理由は1つ。フランドル兄様が仰った「アメリアの護衛騎士になりたい!」という言葉から。
何故兄様がそんな事を仰ったのか?
それは先日、こんな事があったのですわ
「アメリアはさ、冒険者ギルドに登録してるんだったよな?」
「ええ、しておりますわ。私は今は、治癒師として登録していますので、薬草摘みが主な依頼内容なのですけれど…」
「薬草摘みか…。でもさ、その依頼をこなしてる時に、魔獣とか獣とかに襲われる心配は無いのか?」
と兄様からそう問われましたが、
「あるにはございますけれども……大抵は(ティガがいてくれてますし、私も攻撃魔法が使えますもの)大丈夫ですわ。」
「そ、そうなのか……。で、でも!!やっぱり護衛がいた方が良いだろ?」
「はぁ…。護衛、でございますか?」
「そうだよ!護衛だ!」
「そうですわね…(欲しいのかしら?護衛)」
「な?だから、僕がなってやるよ。アメリアの護衛」
「え?フランドル兄様がですの?」
「ああ!僕が護衛になってアメリアを守ってやる。」
「そ…うですか……。ならば兄様も冒険者ギルドに登録をなさって頂かなくてはなりませんね。」
「え?護衛になるのに、ギルドに登録が必要なのか?」
「えぇ、そうですわ。でなければご一緒出来ませんもの。」
「何故そうなるのだ?」
と首を傾げる兄様に、
「だってそうでございましょう?フランドル兄様は、今(の生)も前(の生)も、侯爵家ご次男で貴族家のご子息。かたや今の私はパン屋の娘で平民。普通であれば、私達は全く釣り合っておりませんの。身分違いですのに、フランドル兄様をわたくしが、どうして護衛として指名できましょう。」
「そう…そうだな。確かにアメリアの言う通りだ。僕が浅はかだったよ。」
としょんぼりされた兄様を励ます様に
「ですので兄様。(貴族子息である)身分を隠されて、ギルドに登録し、冒険者の1人としてランクを上げるのです。そうすれば、私とパーティを組んで頂く事が出来ますわ。」
「そうか!よし!早速僕もギルドに登録するよ。」
フランドル兄様はそう仰ると、「先ずは格好からだよな」と仰って、身なりや装備品を買い求めようとされましたが、貴族である事が誰の目から見ても一目瞭然の物ばかりで揃えようとなさったので、一緒にお店に入った私は慌ててそれをお止め致しました。
買い物後私達は、冒険者ギルドへと赴くと、フランドル兄様はお名前を"フラン”と名乗り、無事登録を済ませましたの。
早速兄様は、生まれて初めての魔獣討伐 ┄ と言いましても、増えてしまった棘兎の駆除や、作物を食い荒らす大ネズミの駆除という初心者のお仕事ですが ┄ に出かけられました。が、その初仕事は散々たるものでしたの。
駆除した兎もネズミも、上手に処理すれば売り物になりますのに、やたらめったら切りつけられた為、その身の殆どは廃棄するしかなく、ギルドの受け付けの皆さんから失笑されていましたの。
ですが、元々負けず嫌いの兄様は俄然やる気を出され、翌日も同じ依頼を受けられました。その際、前日に私から獣の捌き方の実技付きレクチャーを受けられ、それをしっかりと実践なさったのです。よって捕らえた獲物はとても綺麗に処理された状態でした。
これにはギルドの受け付けの方からとても絶賛され、兄様は
「今は未だまだランクも最低レベルだけれど、早く実績を積んで、アメリア ┄ 私の今のランクはCランクですわ ┄ に追いつくぞ!」
と鼻息を荒くしておられました。
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