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第七章 襲撃
第17話 大切な親友
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菜々が櫻井記念病院へ入院した翌日
私は、菜々の病室へお見舞いに行った。
勿論駿斗も一緒にだ。
元義妹の桃花が犯した事件により、私は気持ちが落ち込んでしまっていた。
駿斗は、私に対してとても過保護になり、部屋に帰ってもずっと私を離そうとはしなかった。
今日のお見舞いだって、
「私は一人で大丈夫だから、駿斗は仕事に行って欲しい。」
と頼んだのに、
「昨日の今日だから心配だ。俺も行く。」
と言って聞かなかったぐらいだ。
それに昨夜も、
「俺達は夫婦になるんだぞ。だから、これからは二人で色んな事を乗り越えて行かないとだから。」
と言いくるめられ、りり一人で寝かせるわけにはいかないと変な持論まで飛び出し、結果一緒に寝る事になった。
まぁ確かに昨日は一人でいたくなかったから良かったんだけどね。
コンコンと個室のドアをノックすると、
「どうぞ。」
と菜々の明るい声が聞こえてきた。
柊お父様からは、
「濱田さんは、大事をとって一週間入院してもらうけど、軽い怪我で済んでいるから安心しなさい」
と聞いていた。
でも、菜々の顔を見るまではとても心配だった。が、それは杞憂に終わった。
私は笑顔の菜々に
「菜々!巻き込んでしまって本当にごめんなさい。」
と深々と頭を下げて謝った。
すると菜々は、
「りりは悪くないでしょ?」
と優しい声で言ってくれる。
「そうだよ。百合香ちゃんは悪くない。悪いのはあの豚女だ。」
と何故かベッドの上に座り、菜々のことを後ろから抱いている流星さんもそう言ってくれた。
「お兄様の言うとおりよ、りり。だからそんな顔しないで?さ、そこに座って?」
菜々に促され、私は駿斗と一緒にソファに座った。
「おいで?菜々。ソファまで連れて行ってあげるよ。」
流星さんにお姫様抱っこをされ恥ずかしそうな顔をする菜々とは対照的に、嬉しそうな流星さんが、菜々を横抱きにしたまま私達の対面に座った。
「父さん達から聞いたよ、りりちゃん。白金社長とやり合う決心したんだって?」
「え?本当なの?りり。」
「うん。流星さんの言うとおりよ。濱田のおじ様達に言われて決心したの。」
「そ、そっか……。でも大丈夫?」
「大丈夫よ。連城先生も駿斗も一緒に来てくれるって仰って下さったから。」
そう言うと、私の隣りで深く頷いてくれる駿斗。
「そっか。なら安心かな?で、いつ会う予定なの?」
「元義妹が近々保釈される予定なんだけど、今の白金は、保釈金を払える程 経済的に余裕がないらしいの。だからそれの手続きが済んだらになるかな。」
「そっか。さくら濱にも融資を依頼してきたくらいだものね。余程りりのお爺様がなさった事が響いているんだわ。いい気味よ。」
菜々はずっと、私が白金の家族からされていた事を我が事の様に思ってくれていて、いつか仕返しをしてやりたいといつも言ってくれていた。
でもその頃の私は、彼等から逃げられれば何とかなると思っていた。
彼等と関わる事は無くなると……。
でも、今回の件で、私を呼び戻す為に親友の菜々を巻き添えにした元家族への制裁は、自分ですべきだと思った。
「菜々。私やるよ。今度こそあの人達を徹底的に。もう私の大事な人を無くしたくないから。」
そう言って菜々を見つめると、菜々は嬉しそうに微笑んでくれ、
「頑張れりり。」
と言ってくれた。
親友の菜々からの応援を受け、力強く頷く私の肩を駿斗はぎゅっと抱き寄せてくれた。
さぁ!直接対決と参りましょうか?
お父様
私は、菜々の病室へお見舞いに行った。
勿論駿斗も一緒にだ。
元義妹の桃花が犯した事件により、私は気持ちが落ち込んでしまっていた。
駿斗は、私に対してとても過保護になり、部屋に帰ってもずっと私を離そうとはしなかった。
今日のお見舞いだって、
「私は一人で大丈夫だから、駿斗は仕事に行って欲しい。」
と頼んだのに、
「昨日の今日だから心配だ。俺も行く。」
と言って聞かなかったぐらいだ。
それに昨夜も、
「俺達は夫婦になるんだぞ。だから、これからは二人で色んな事を乗り越えて行かないとだから。」
と言いくるめられ、りり一人で寝かせるわけにはいかないと変な持論まで飛び出し、結果一緒に寝る事になった。
まぁ確かに昨日は一人でいたくなかったから良かったんだけどね。
コンコンと個室のドアをノックすると、
「どうぞ。」
と菜々の明るい声が聞こえてきた。
柊お父様からは、
「濱田さんは、大事をとって一週間入院してもらうけど、軽い怪我で済んでいるから安心しなさい」
と聞いていた。
でも、菜々の顔を見るまではとても心配だった。が、それは杞憂に終わった。
私は笑顔の菜々に
「菜々!巻き込んでしまって本当にごめんなさい。」
と深々と頭を下げて謝った。
すると菜々は、
「りりは悪くないでしょ?」
と優しい声で言ってくれる。
「そうだよ。百合香ちゃんは悪くない。悪いのはあの豚女だ。」
と何故かベッドの上に座り、菜々のことを後ろから抱いている流星さんもそう言ってくれた。
「お兄様の言うとおりよ、りり。だからそんな顔しないで?さ、そこに座って?」
菜々に促され、私は駿斗と一緒にソファに座った。
「おいで?菜々。ソファまで連れて行ってあげるよ。」
流星さんにお姫様抱っこをされ恥ずかしそうな顔をする菜々とは対照的に、嬉しそうな流星さんが、菜々を横抱きにしたまま私達の対面に座った。
「父さん達から聞いたよ、りりちゃん。白金社長とやり合う決心したんだって?」
「え?本当なの?りり。」
「うん。流星さんの言うとおりよ。濱田のおじ様達に言われて決心したの。」
「そ、そっか……。でも大丈夫?」
「大丈夫よ。連城先生も駿斗も一緒に来てくれるって仰って下さったから。」
そう言うと、私の隣りで深く頷いてくれる駿斗。
「そっか。なら安心かな?で、いつ会う予定なの?」
「元義妹が近々保釈される予定なんだけど、今の白金は、保釈金を払える程 経済的に余裕がないらしいの。だからそれの手続きが済んだらになるかな。」
「そっか。さくら濱にも融資を依頼してきたくらいだものね。余程りりのお爺様がなさった事が響いているんだわ。いい気味よ。」
菜々はずっと、私が白金の家族からされていた事を我が事の様に思ってくれていて、いつか仕返しをしてやりたいといつも言ってくれていた。
でもその頃の私は、彼等から逃げられれば何とかなると思っていた。
彼等と関わる事は無くなると……。
でも、今回の件で、私を呼び戻す為に親友の菜々を巻き添えにした元家族への制裁は、自分ですべきだと思った。
「菜々。私やるよ。今度こそあの人達を徹底的に。もう私の大事な人を無くしたくないから。」
そう言って菜々を見つめると、菜々は嬉しそうに微笑んでくれ、
「頑張れりり。」
と言ってくれた。
親友の菜々からの応援を受け、力強く頷く私の肩を駿斗はぎゅっと抱き寄せてくれた。
さぁ!直接対決と参りましょうか?
お父様
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