貴方の駒になど真っ平御免です

Saeko

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第七章 襲撃

第10話 誘拐 2

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やった!やったわ!
お義姉様の親友、濱田菜々子を誘拐してきたわ。
これでお義姉様が出てきてくれるから、そしたらお爺様からお金が貰えるわね。

私は早速菜々子から奪ったスマホで、お義姉様に電話をかけようとした。
菜々子なら絶対お義姉様の連絡先を知ってるって思ったから。
なのに、菜々子のスマホにはロックがかかっていて開かなかった。
適当にロックナンバーを打ち込んだけども、何回やっても開かなくて、仕方がないから自分のスマホで櫻井記念病院へ電話をかけちゃったわよ。

『もしもし?そちらに白金……』

「はい、此方は櫻井記念病院です。本日の外来受け付けは終了致しました。受け付けは、午前8:30からでございます。」

て、留守電じゃない!!

こうなったら仕方ない!奥の手しか無いわね。

そう思った私は、駿斗君に電話をかける事にした。
って言っても、弁護士事務所にだけど。

『もしもし。』

「はい。連城弁護士事務所、近藤です。」

『そちらに駿斗くんはいますか?』

「若先生ですか?若先生はただ今外出中です。失礼ですが、どちら様でしょうか?」

聞かれたって名乗る訳ないじゃない!

『白金百合香の親友、濱田菜々子を預かった。返して欲しければ、お義姉…じゃない。24時間以内に白金百合香を探して今から言う所に連れて来なさい!!』

決まったわ!
ちゃんと変声期も使ったし、住所はどっかの雑居ビルのだから絶対私だって分からない。

「わ、分かりました。私は、この事務所の従業員なので、若先生に直ぐに連絡を取らせて貰います。」

『分かった。10分後にまたかけるわ。』

そう言って私は電話を切った。

これで何もかも上手くいくわ。
私ってやっぱり天才よね~。
パパの会社は櫻井のお爺様からお金を貰える様になるし、あの菜々子は私が誘拐犯から救い出したって事にすれば、ルイさんから感謝されて、プロポーズされちゃうの。

てかなんで私がここまでやんないといけないわけ?
でも、私は親孝行な娘だから良いんだけどさ。
大体これくらい荒療治が必要なのよ、アノお義姉様には。
ホント行方不明とかマジ我儘なんだから。
あのお家に置いてもらってただけ感謝して欲しいわ。

それにお義姉様が家に帰って来ないとダメなのよね。
お義姉様がいなくなったから、料理人も家政婦もいなくなっちゃったんだもんね。
あの料理人が作る料理、ホント最高に美味しかったから、ママの料理が物足りないの。品数少ないし、お洒落じゃない。それに私が大好きなフランス料理のフルコース、ママってば作れないんだもん。
それに、家政婦もいつも家を綺麗にしてくれてたからさ、ごみ捨てとか掃除とか無縁の生活してたのに……。
今じゃ週に2回のごみ捨てが、私の仕事になってるんだよ?
そんなの社長令嬢がやる事じゃないし!!

だからあの人達に帰ってこさせる為にはお義姉様がいつまでもかくれんぼしてないで、とっとと帰ってくればいいって事。


さぁて、もぅ10分経ったかな?
え?まだ3分しか経って無いじゃないの。
仕方ないからスマホのゲームでもしてよ~っと。

~白金桃花side 終~
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