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第七章 襲撃
第8話 さくら濱銀行 3
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「兎も角、今日はお引き取り下さい。この話は後日アポイントメントをお取りになってからお越しください。」
ルイさんってば私とまた会いたいって言ってるわ。
草食男子かな?って思ったら、結構ガツガツ来るわね。
「白金さん?白金さん?」
もうルイさんってば、そんなに焦らなくても聞こえてるわよ。
「え?あぁそうね。これからの私達の関係を密にしていきたいから、お話はまた今度お食事でもしながらにしません事?あ!駿斗くんも一緒にね。お店は私が贔屓にしてるフレンチレストランにするわ。」
「レストラン等へ行く必要はありませんね。融資をお断りした理由ぐらい、此処で十分出来ますから。」
そう冷たい声で言うルイさんに呆気に取られていたら、
「お客様がお帰りです。宜しくお願いします。」
とルイさんが誰かに電話をかけていた。
少しして、警備員ぽい人が二人部屋に入って来たかと思ったら、
「お客様、お帰りは此方です。」
と言って無理矢理立たされた後、背中を押され、ルイさんから離されてしまった。
「ちょっと!何してんの?てか、まだ話は終わって「ますよ。白金さん?」はぁ?」
後ろから声がしたから振り向こうとしたのに、警備員に阻まれた。
「何よアンタ達!ちょっと離しなさいよ!!」
「此方を向かなくても良いから、俺の話を聞けよ。」
声の主は駿斗くんだった。
てか、なんで怒ってんの?
あ~そか、ヤキモチ焼いてんのね?
私がルイさんにばっかり構うから。
もう、駿斗くんてば奥さんいるって…きっと上手くいってないのね?
仕方ないわ。だったらこうしましょ?利君とは婚約破棄して、ルイさんと結婚するけど、駿斗くんとは愛人契約してあげる。
なんて素敵な計画かしら。
早速帰ったら、パパに相談しなくちゃね。
だってパパは桃花の事が超大事だから、桃花の言う事はなんだって聞いてくれるんだもん。
そんな事を考えていたら、
「では、宜しくお願い致します。」
と言われ話が終わってたみたい。
「分かったよ~、駿斗くん。じゃまた来るわね~。」
と言うと、警備員にまたグイグイ背中を押され、銀行の通用門を通り外に出された。
建物の外に出された瞬間は何が起こったのかわからず呆然としたけど、ふと我に返ると直ぐに走りだし、店の入り口の方へ向かって曲がり、店舗内に入ろうとしたんだけど、既に15:00を過ぎていたみたいで、窓口とATMコーナーの間のシャッターが降りた後だった。
「ったくもぉ~何なのよ~。なんで副社長の私がこんな物作んなくちゃなんないわけ?」
目の前にあるのは大量の資料の山。
あれから何度か、さくら濱銀行のルイさんにアポ取ろうって電話してるのに、
「先ずは、弊社に、返済計画書をお送り下さい。其方を拝見してから融資をお引き受けするか?しないか?を判断させて頂きます。」
ってそればっかりでちっとも会ってくれないの。
もしかしてルイさんってば、ツンデレなの?
桃花嫌いじゃないよ?ツンデレ。
ツンデレって言ったら、駿斗くんもツンデレよね~。
私、ツンデレイケメンがタイプなのかも。
「ってゆーか、こんなの私に作らせるとか……パパもママも鬼じゃない!それもこれも、どれもあれも、みんなみんなお義姉様がいなくなるから悪いのよね。パパの駒のクセに逃げ出すとかないっちゅーの!!」
私は怒りに任せて、書類の山を机から全部落としてそれ等をドシドシ踏み付けてやった。
「そうよ!私がお義姉様を見つければいいんだ。そうすれば、お爺様もお金くれるかもじゃん?」
名案が浮かんだ私は、
「ちょっとお義姉様探しに行ってくるね~。」
と言って、ママが止めるのも聞かず副社長室を出て行ったの。
「絶対見つけてやるんだから~。」
~白金桃花side 終~
ルイさんってば私とまた会いたいって言ってるわ。
草食男子かな?って思ったら、結構ガツガツ来るわね。
「白金さん?白金さん?」
もうルイさんってば、そんなに焦らなくても聞こえてるわよ。
「え?あぁそうね。これからの私達の関係を密にしていきたいから、お話はまた今度お食事でもしながらにしません事?あ!駿斗くんも一緒にね。お店は私が贔屓にしてるフレンチレストランにするわ。」
「レストラン等へ行く必要はありませんね。融資をお断りした理由ぐらい、此処で十分出来ますから。」
そう冷たい声で言うルイさんに呆気に取られていたら、
「お客様がお帰りです。宜しくお願いします。」
とルイさんが誰かに電話をかけていた。
少しして、警備員ぽい人が二人部屋に入って来たかと思ったら、
「お客様、お帰りは此方です。」
と言って無理矢理立たされた後、背中を押され、ルイさんから離されてしまった。
「ちょっと!何してんの?てか、まだ話は終わって「ますよ。白金さん?」はぁ?」
後ろから声がしたから振り向こうとしたのに、警備員に阻まれた。
「何よアンタ達!ちょっと離しなさいよ!!」
「此方を向かなくても良いから、俺の話を聞けよ。」
声の主は駿斗くんだった。
てか、なんで怒ってんの?
あ~そか、ヤキモチ焼いてんのね?
私がルイさんにばっかり構うから。
もう、駿斗くんてば奥さんいるって…きっと上手くいってないのね?
仕方ないわ。だったらこうしましょ?利君とは婚約破棄して、ルイさんと結婚するけど、駿斗くんとは愛人契約してあげる。
なんて素敵な計画かしら。
早速帰ったら、パパに相談しなくちゃね。
だってパパは桃花の事が超大事だから、桃花の言う事はなんだって聞いてくれるんだもん。
そんな事を考えていたら、
「では、宜しくお願い致します。」
と言われ話が終わってたみたい。
「分かったよ~、駿斗くん。じゃまた来るわね~。」
と言うと、警備員にまたグイグイ背中を押され、銀行の通用門を通り外に出された。
建物の外に出された瞬間は何が起こったのかわからず呆然としたけど、ふと我に返ると直ぐに走りだし、店の入り口の方へ向かって曲がり、店舗内に入ろうとしたんだけど、既に15:00を過ぎていたみたいで、窓口とATMコーナーの間のシャッターが降りた後だった。
「ったくもぉ~何なのよ~。なんで副社長の私がこんな物作んなくちゃなんないわけ?」
目の前にあるのは大量の資料の山。
あれから何度か、さくら濱銀行のルイさんにアポ取ろうって電話してるのに、
「先ずは、弊社に、返済計画書をお送り下さい。其方を拝見してから融資をお引き受けするか?しないか?を判断させて頂きます。」
ってそればっかりでちっとも会ってくれないの。
もしかしてルイさんってば、ツンデレなの?
桃花嫌いじゃないよ?ツンデレ。
ツンデレって言ったら、駿斗くんもツンデレよね~。
私、ツンデレイケメンがタイプなのかも。
「ってゆーか、こんなの私に作らせるとか……パパもママも鬼じゃない!それもこれも、どれもあれも、みんなみんなお義姉様がいなくなるから悪いのよね。パパの駒のクセに逃げ出すとかないっちゅーの!!」
私は怒りに任せて、書類の山を机から全部落としてそれ等をドシドシ踏み付けてやった。
「そうよ!私がお義姉様を見つければいいんだ。そうすれば、お爺様もお金くれるかもじゃん?」
名案が浮かんだ私は、
「ちょっとお義姉様探しに行ってくるね~。」
と言って、ママが止めるのも聞かず副社長室を出て行ったの。
「絶対見つけてやるんだから~。」
~白金桃花side 終~
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