66 / 97
第六章 反撃
第5話 祝杯1
しおりを挟む
「さぁ~今夜はガンガン飲んじゃって食べちゃって~」
私は今、都内にあるオシャレなBAR Étoileに来ている。
今夜は私が白金家から自由になったお祝いを、柊伯父様 いや お父様がこのÉtoileを貸し切って下さって、盛大に行ってくださるというのだ。
普段はBAR仕様の為、照明も暗めでお料理もガッツリ系では無いそうだけど、今日は私の為のパーティという事で、店内はとても明るく、お料理も、大貫さんが作って下さった本格フレンチのケータリングが用意された。
「私だってお料理作れるのに~」
と言いながら、シェイカーを振りフレンチに合うカクテルやお酒を用意してくれているのが、ここのオーナーでママの渉さん。
柊お父様のご学友で、亡くなった麗羅お母様の事もよくご存知でいらっしゃるそうだ。
それを証拠に、お店に入って開口一番
「キャー!アナタが私のÉtoileの娘なのね?」
と言って抱きしめられそうになり、渉ママは柊お父様に制されていた。
「あぁん!もう、柊ったら酷いじゃない。」
「俺の娘に汚い手で触るな!」
「汚い手出すって?酷いわ柊。百合香ちゃん。百合香ちゃんもそう思うわよね?」
と同意を求められ、返答に困って曖昧に笑っていると、
「笑った顔も麗羅にそっくりだな。」
といきなり男性に戻った渉さんに驚いてしまう。
どうしたらいいのか分からず戸惑っていると、
「渉の事は、あとでちゃんと話してあげるよ。さぁ、主役のりりはこっちだ。」
とお義父様にエスコートされ、私はちょっとだけ高くなっているステージに立たされた。
なんだか分からないけど、皆さんの前でスピーチをする事になってしまった。
「この度は、私 櫻井 百合香の為にお集まり頂き本当にありがとうございます。先日、其方にいらっしゃいます弁護士の連城先生のお力で、無事に白金家から離籍する事が出来、また 櫻井柊お父様 彌生お母様の養女となる事が出来ました。実の母を亡くして13年、元父は愛人、と言うかあちらにしてみれば麗羅お母様の方が愛人だったのでしょうが、屋敷には全く帰って来ずとても寂し……くはありませんでしたが…」
と言葉を区切って周りを見ると、皆さん大爆笑されている。
「その後、愛人とその子供を家に連れ込み、三人でやりたい放題でした。ですが、お爺様を初め、柊お父様や彌生お母様、連城先生ご夫妻、時子さん 羽田さん 大貫さんにご協力頂き、漸く彼等から離縁する事が出来ました。本当にありがとうございます。このご恩は決して忘れません。ありがとうございました。」
皆さんの前で深々とお辞儀をすれば、割れんばかりの拍手が頭上から降ってきた。
そして、冒頭の渉さんの言葉どおり、飲めや歌えや…って、歌はないけど…、お腹いっぱいフレンチを食べる楽しいパーティになった。
私は今、都内にあるオシャレなBAR Étoileに来ている。
今夜は私が白金家から自由になったお祝いを、柊伯父様 いや お父様がこのÉtoileを貸し切って下さって、盛大に行ってくださるというのだ。
普段はBAR仕様の為、照明も暗めでお料理もガッツリ系では無いそうだけど、今日は私の為のパーティという事で、店内はとても明るく、お料理も、大貫さんが作って下さった本格フレンチのケータリングが用意された。
「私だってお料理作れるのに~」
と言いながら、シェイカーを振りフレンチに合うカクテルやお酒を用意してくれているのが、ここのオーナーでママの渉さん。
柊お父様のご学友で、亡くなった麗羅お母様の事もよくご存知でいらっしゃるそうだ。
それを証拠に、お店に入って開口一番
「キャー!アナタが私のÉtoileの娘なのね?」
と言って抱きしめられそうになり、渉ママは柊お父様に制されていた。
「あぁん!もう、柊ったら酷いじゃない。」
「俺の娘に汚い手で触るな!」
「汚い手出すって?酷いわ柊。百合香ちゃん。百合香ちゃんもそう思うわよね?」
と同意を求められ、返答に困って曖昧に笑っていると、
「笑った顔も麗羅にそっくりだな。」
といきなり男性に戻った渉さんに驚いてしまう。
どうしたらいいのか分からず戸惑っていると、
「渉の事は、あとでちゃんと話してあげるよ。さぁ、主役のりりはこっちだ。」
とお義父様にエスコートされ、私はちょっとだけ高くなっているステージに立たされた。
なんだか分からないけど、皆さんの前でスピーチをする事になってしまった。
「この度は、私 櫻井 百合香の為にお集まり頂き本当にありがとうございます。先日、其方にいらっしゃいます弁護士の連城先生のお力で、無事に白金家から離籍する事が出来、また 櫻井柊お父様 彌生お母様の養女となる事が出来ました。実の母を亡くして13年、元父は愛人、と言うかあちらにしてみれば麗羅お母様の方が愛人だったのでしょうが、屋敷には全く帰って来ずとても寂し……くはありませんでしたが…」
と言葉を区切って周りを見ると、皆さん大爆笑されている。
「その後、愛人とその子供を家に連れ込み、三人でやりたい放題でした。ですが、お爺様を初め、柊お父様や彌生お母様、連城先生ご夫妻、時子さん 羽田さん 大貫さんにご協力頂き、漸く彼等から離縁する事が出来ました。本当にありがとうございます。このご恩は決して忘れません。ありがとうございました。」
皆さんの前で深々とお辞儀をすれば、割れんばかりの拍手が頭上から降ってきた。
そして、冒頭の渉さんの言葉どおり、飲めや歌えや…って、歌はないけど…、お腹いっぱいフレンチを食べる楽しいパーティになった。
0
お気に入りに追加
4,033
あなたにおすすめの小説

【完】お義母様そんなに嫁がお嫌いですか?でも安心してください、もう会う事はありませんから
咲貴
恋愛
見初められ伯爵夫人となった元子爵令嬢のアニカは、夫のフィリベルトの義母に嫌われており、嫌がらせを受ける日々。
そんな中、義父の誕生日を祝うため、とびきりのプレゼントを用意する。
しかし、義母と二人きりになった時、事件は起こった……。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」


【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?
との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」
結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。
夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、
えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。
どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに?
ーーーーーー
完結、予約投稿済みです。
R15は、今回も念の為

元婚約者が愛おしい
碧桜 汐香
恋愛
いつも笑顔で支えてくれた婚約者アマリルがいるのに、相談もなく海外留学を決めたフラン王子。
留学先の隣国で、平民リーシャに惹かれていく。
フラン王子の親友であり、大国の王子であるステファン王子が止めるも、アマリルを捨て、リーシャと婚約する。
リーシャの本性や様々な者の策略を知ったフラン王子。アマリルのことを思い出して後悔するが、もう遅かったのだった。
フラン王子目線の物語です。


〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。

骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる